第107話 泣きたいときには泣いてみよう
買い物も終わり、
階下にある、大量の謎のアイテムも見て回りたいが、
切りがないので、ゲートに向かうことにした。
無言のまま、ミカンちゃんに従って、
道を進んでいく。
しばらく進むと、大通りにぶつかったが、直ぐに横切り、
先に進んでいくと、人がだんだんまばらになってきた。
人が少なくなるにつれ、別れが実感できるようになり、
足取りが重たくなっていた。
朝起きたときの元気が嘘のようだ。
半時ほど曲がりくねった裏路地を抜けていくと、また、広い通りにでて、
遠くに白い大きな門がみえた。
向こうからは、荷馬車や乗合馬車、
冒険者のパーティなどが、町に向かって進んでいる。
白い大きな門の下には、
大柄な女性とパリッとした服を着ている女性、
サバンナさんとキャロットさんだ。
いつでるかを、二人には、伝えていなかったが、
ミカンちゃんからクロムさんが話をきいて、
二人に、伝えを出してくれたんだと思う。
「別れもなく行くのかい、まったく
薄情な子だね」
腰に、腕をたてながら、話しているが、すこし寂しげだ。
「また、いらしゃい。いい子いれとくから」
あいかわらず、色気をだしながら話をしてくれているが、
僕からしたら、男の子はいい子じゃない。
「はい、二人ともありがとうございます。また、遊びに来ます」
僕は、出入り禁止を伏せて、話をした。
「ミカン、今までありがとう。
いろいろお世話になったね。
大したものはあげれないけど」
僕は、そういって、バジリスクの魔玉をとりだすと、
ミカンちゃんに手渡した。
「いいんですか
・
・
・
遠慮なくいただきます」
ミカンちゃんは、これまでのことを思い出したのか、
大粒の涙がこぼれていた。
意をけっして、
とめどなく流れる涙をふくと
僕に力いっぱい抱き付いてきた。
しばらく、僕の胸で泣いて、ひと段落すると、
笑顔でこちらを見て、
離れ際に、耳元で、ミカンちゃんがつぶやいた。
〈ヒビキさん、体を見つけたら、
また会いに来てくださいね。
まってますから!〉
周りに聞こえるような大きな声で、
別れをつげながら、
僕は、手を振り
3人から、離れていった。
周りからは、注目を浴びているが、
僕は気にせず、
後ろをふりかえらずに、出発するのだった。
「そっか、ミカンちゃんは、
結局知ってて、隠してることに、
乗っかってくれてたんだね」
ジーンもリイナも、
同じような内容の同意を返答してくれていたが、
今までのことを思い出している僕には、
届くことはなかった。
また、来ることを決意し、
涙を二人に気付かせないようにしながら、
先頭を歩き始めた。




