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シナリオなんていらない!〜ライバルキャラの狐っ娘〜  作者: 阿井りいあ
シナリオの完結

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勢揃い


「はいはーい! じゃ、そろそろネタバラシのお時間かなー?」


 突然、場違いなほどの明るい声が響いてマクロと一緒にビクッと肩を震わせた。え? 何? あ、あれ!? ララ!?


「ちょ、さすがに空気読まなさすぎでしょ……」

「あー、俺的にはちょっと助かったかもねー……」


 って、クレアにエクトルも!? い、いやそれだけじゃない。リニもいるし、アンジェラも……。って、あれ!? ラナキラのメンバーみんなが勢揃いしてるーっ!?


「覗き見なんて、悪趣味」

「あははっ! そんなつもりはなかったんだよぉ? 君たちが勝手にそこでラブロマンス始めただけじゃなーい」


 み、みんなに今の、見られてたんだ!? は、恥ずかしすぎて穴に入りたくなるよ……! 動揺してマクロから離れようとしたんだけど、それを拒むようにマクロはより一層私を抱き締める力を強めた。ひ、ひえぇ……!


「というか、なんで勢揃いなの。全員で来る必要なんかないでしょ」

「まぁそう言うな、マクロ。シナリオ通りに全員揃えないと不安だったんだよ。それで何か変わるとは思わねーけどさ、万が一ミクゥに何かあったら後悔してもしきれねーし」

「まったく、シナリオを考えた人を恨むわ……最終局面で全員揃っていてほしいのはわかるけどぉ!」


 えーっと、つまり。この森での一件はゲームにあったってことかな。私が聞くとクレアとエクトルは頷き、全員が揃っているシナリオだったから、私の安全を確実にするためにみんなを集めたのだと教えてくれた。


 もし一人でも欠けてシナリオと違う展開になった時、私の身に何かあったら嫌だからって。そうだったんだ……。


 シナリオなんていらないって思ったけど、知っている人たちからしたら無視は出来ないよね……。私、ちょっと酷いことを言っちゃったな。


「ちょっとぉ? 大団円なのはいいけれど。まだ問題は解決していないんじゃないかしらぁ?」

「だな。いつの間にか場を仕切ってやがるララさんよ。俺ら全員を納得させられる説明なのか、そのネタバラシってのは」


 ハッ、そうだ、そうだったよね。私を操って一人で森に向かわせたのは間違いなくララだったもの。信じたいけれど、これだけは本当だから……。


 いつの間にかララを除くみんなが私の周りに集まってララを睨みつけている。守るような立ち位置はありがたいしお怒りももっともだけど、れ、冷静にね? ね?


「納得させられるかはわかんないなー。でも、わたしが捕まることはないよ? だってなんにも悪いことしてないもの」

「おいおい、この期に及んでまだそんなこと……。ミクゥを森に行くよう操ったのはお前だろ!?」


 みんなの敵意を一身に受けているというのに、ララはどこまでも余裕な様子だった。リニに食って掛かられてもどこ吹く風。す、すごく心が強いなぁ……。


「安心してよ。もう何もしない。……全部、終わったんだもん」


 それから、フッと肩の力を抜いて切なげに微笑んだ。これまでの無邪気なものとも妖艶なものとも違って、どこまでも慈愛に満ちていて……なんだか目が離せない。


「随分、勝手な言い分じゃない。信用しろって方が無理よ!」


 だけど、みんなはそうは思わなかったみたい。クレアなんか特に怒っていて、自分の周囲に狐火をいくつか浮かべて臨戦態勢だ。ま、待って! 落ち着いてぇ!

 さすがにララもまずいと思ったのか、慌てたように両手を上げている。


「ま、待って! それはシャレにならないから! 虫系の亜人に火はダメだって! 超弱いんだからっ! 話す! ちゃんと全部話すってー!!」


 そもそも、自分に戦闘力はないから捕まえようと思ったらすぐだよ、とララは付け足す。たとえ強くてもこれだけの人数に囲まれていたら逃げ場なんてないもんね。

 必死で訴えるララの様子を見て、ようやくみんなも少し冷静になってくれたみたい。クレアも狐火を消してくれた。はぁ、よかった。


「ララ。ちゃんと話を聞くけど……一応、拘束するからな?」

「それでいいよ。抵抗の意思はないもん。あ、心配なら魔法制御の魔道具も使って? そうしたら羽から鱗粉も出せなくなるから」


 今の自分がいくら言っても信用はしてもらえないとララ本人もわかっているみたい。エクトルは一つ頷いてララの首に魔道具を着けた。それを黙って受け入れるララの姿を見ただけで、本当にもう抵抗する気はないんだってわかる。


「ここじゃいつ魔物に邪魔されるかわかんねーし、ミクゥも休ませてやりたい。みんな、一度ラナキラに行こう」


 エクトルの提案に全員が賛成し、私たちは揃って移動を始めた……の、だけど。


「うぅ、ごめん、マクロ」


 力が抜けたまま立てない私は、マクロに背負われての移動になっています。は、は、恥ずかしいっ!

 マクロはなんてことない様子だけど、私はすっごく恥ずかしくて顔が真っ赤になっていると思う。


「くっそ可愛いっ!!」

「当たり前でしょ、エクトル。ウチのミクゥは天使なんだから」


 しかもみんなが温かい眼差しでこっちを見てくるから余計に! エクトルは突然大きな声で叫ぶし、クレアはサラッと天使とか言うし!


「エクトル、ミクゥを見ないで。僕のだから」

「追い打ちかけんな、マクロこんにゃろー!!」


 ま、マクロもそんなことを言い出すし……!? ぼ、僕のって言った、僕のって言った!!


 もう色々といっぱいいっぱいになった私は、マクロの背中に顔をうずめてしまった。うぅぅ! ……でも、嬉しいな。


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Cross Infinite Worldよりタイトルは「Surviving in Another World as a Villainess Fox Girl!」です!
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