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告白

シナリオです。

余命宣告を受けていたある少女が病床で綴った小説にインスピレーションを受けて書きました。

残念ながら、彼女は天国へと旅立ってしまいました。

この物語を、病気と闘い短い生涯を終えた彼女に捧げます。



〇 心音の部屋 朝

  心音のいびき グォー グォー

  叔母(声)「ココちゃん?」

  心音のいびき グォー グォー

  叔母(声)「ココちゃん? ココちゃん!」

  叔母 ドアを開ける

  叔母   「ココちゃん!」

  心音 寝ている

  叔母   「もう7時やで! 早よ 起きや!」

  心音 目を覚まして

  心音   「えっ? なな・・・ えっ! なな!」

  心音 飛び起きる(髪の毛がぼさばさ)


〇 玄関

  心音  「いってきまーす!」

  心音 ネコに

  心音  「マロちゃん バイバイ!」  

  心音 慌てて出て行く

  叔母  「忘れもん ないかぁー!?」


〇 エレベーター前

  1階にランプが灯っている

  心音  「もう!」


〇 団地のらせん階段

  心音 ダッシュでグルグルと回って降りて来る


〇 下の駐車場

  心音 らせん階段から降りて来る

  叔母 階上から叫ぶ

  叔母 「ココちゃん! また 携帯 忘れてるー!」

  叔母 スマホを階上から落とす

  心音 受け取る

  叔母 「ナイス キャッチ!」

  心音 「ありがとー! いってきまーす!」


〇 バス停

  バスが止まっている

  心音 ダッシュで走って来て飛び乗る

  バス 去っていく


〇 和菓子屋の事務室

  心音 慌てて入って来る

  心音 「おっはようございまーす!」


〇 和菓子屋の事務室

  心音 キーボードを叩きながら歌う (今日も頑張ろうのイメージ)

  社員達 ノリノリで聴く


〇 和菓子屋の店先

  心音 歌う

  店員 客 踊り出す


〇 音楽事務所

  智弘 藤井 話している

  心音 慌てて入って来る

  心音 「おっつかれさまでーす!」

  藤井 「ココちゃんは何時も元気だね」

  心音 「私 頭悪いし 元気ぐらい出さんと生きてる意味ないと思て」

  藤井 「・・・ そ それはそうと こんどラジオ出るから」

  心音 「ラ ラジオですかぁー?」

  藤井 「関西ローカルだけど ゲストで」

  心音 笑顔で小さな声で

  心音 「やったぁー!」

  心音 小さくガッツポーズする


〇 和菓子屋の事務室 数日後

  社員 パート従業員達 集まってラジオに耳を澄ましている


〇 美容室

  リカコ カットしながら聴いている


〇 心音の家

  叔母 リビングでネコを撫でながら聴いている


〇 音楽事務所

  藤井 コーヒーを飲みながら聴いている


〇 ラジオ局のスタジオ 

  心音 智弘 向かいにパーソナリティー 座っている

  心音 緊張している


  パーソナリティー「それではここで今日のゲストをご紹介します 今日のゲストは今 話題の

           シンガーソングライターの川島智弘さんと今度ご一緒に歌われる事になった

           平尾心音さんです」

  智弘      「宜しくお願いします」

  心音 緊張して

  心音      「よ よ・・・ 宜しくお願いします・・・」


〇 和菓子屋の事務室

  みんな 耳を澄ましている

  パートのおばちゃん「ココちゃんや・・・」

  みんな うなずく

  社長 大きな音を立ててドアを開けて入って来る

  みんな 振り向いて 社長をにらむ

  社長 会釈する


〇 美容室

  リカコ カットしながら聴いている


〇 久美子の家

  叔母 リビングでネコを撫でながら聴いている


〇 音楽事務所

  藤井 コーヒーを飲みながら聴いている


〇 ラジオ局のスタジオ 

  心音 智弘 向かいにパーソナリティー 座っている


  パーソナリティー「それはそうと平尾さん 今回 この曲を川島さんと 歌われるきっかけは

           なんだったんですか?」

  心音 事務的に

  心音  「それはですね 私 昔から川島さんの大ファンだったんですね それでこの春に

       ですね 川島さんの事務所のオーディションがあってですね それで合格したんです

       ね・・・」

  パーソナリティー 「へー そうなんですか」

  心音  「はい! うふふ・・・」

  心音 作り笑いをする

  暫く沈黙

  智弘  「そ それは・・・ それは・・・ 違います・・・」

  心音 驚いて智弘を見る

  智弘  「実は この曲・・・ 作曲は・・・ 作曲は 僕じゃないんです・・・」

  パーソナリティー 驚て

  パーソナリティー「と と言いますと?」

  心音 驚いた顔で智弘を見ている


〇 和菓子屋の事務室

  みんな(社長も) ラジオを聴いている


〇 美容室

  リカコ カットの手を止める


〇 心音の家

  叔母 リビングでネコを撫でるのを止める


〇 音楽事務所

  藤井 コーヒーカップに口をつける


〇 ラジオ局のスタジオ 

  心音 智弘 向かいにパーソナリティー 座っている


  智弘  「作曲は 彼女のお姉さんなんです・・・」

  心音 宏文を見つめている


〇 和菓子屋の事務室

  みんな 驚いて顔を見合わせる


〇 美容室

  リカコ 手を止めている


〇 心音の家

  叔母 リビングでネコを抱いている


〇 音楽事務所

  藤井 一口 コーヒーを飲む


〇 駅のホーム

  心音 智弘 ベンチに並んで座っている

  その前を数人の人が行き交う


  心音  「あ ありがとう・・・」

  智弘 微笑む

  電車 大きな音を立ててホームへ滑り込む


〇 夜空に浮かぶ満月


〇 音楽事務所

  藤井 座っている

  心音 智弘 入って来る

  藤井 2人を見る

  心音 智弘 頭を下げる


  藤井  「まあ 座って・・・」

  智弘  「はい・・・」

  心音 うなずく

  2人 座る

  暫く沈黙

  藤井  「どうして・・・」

  智弘  「も・・・ 申し訳ございません・・・」

  智弘 心音 頭を下げる

  暫く沈黙

  藤井  「で ネット見た?」

  智弘 心音 首を横に振る

  藤井  「凄いことになってるぞ・・・」

  智弘  「申し訳ございません・・・」

  智弘 心音 頭を下げる

  藤井 微笑んで

  藤井  「何 勘違いしてんの?」

  智弘  「えっ!?」

  心音 驚いて顔を上げる

  藤井  「炎上どかろか 称賛だよ!」

  智弘  「し・・・ 称賛・・・」

  藤井  「そうそう! お前の勇気と正直なその態度にだよ!」 

  智弘  「・・・」

  心音 目に涙を溜めている

  藤井  「この曲のエピソードが聴いてた人の心を動かしたんだよ!」

  心音 智弘 顔を見合わす

  智弘  「・・・」

  心音  「・・・」

  藤井  「イケルで! この曲 イケルで!」


〇 公園 満月の夜

  心音 智弘 月を見ながら歩いている


〇 夜空に浮かぶ満月


〇 回想 家のリビング

  心音 コタツに入ってミカンを食べている

  舞 ピアノを弾いている

  心音  「お姉ちゃん ミカンむけたでぇー」

  舞   「サンキュー」

  心音  「何時聞いても その曲 心に染みわたるわぁー」

  舞 コタツに入って

  舞   「そやろ! そやろ!」

  心音  「私に 歌詞 つけさせてーよー なぁー つけさせてーよー」

  舞   「あかーん」

  心音  「何でぇー? まさか!?」

  舞 微笑む

  心音  「なぁー その人 紹介してなぁー なぁー なぁー」

  舞   「あかーん」

  心音  「あっ!」

  舞   「えっ?」

  心音  「今日 スーパームーンやった!」

  舞   「スーパームーン?」

  心音 舞 窓際へ行く


〇 スーパームーン


〇 回想 窓際

  心音 舞 月を見て

  

  心音 舞 「わぁーあ・・・」

  心音   「お姉ちゃんが彼氏と幸せになりますように!」

  心音 手を合わせる

  舞    「ココちゃんが歌手になれますように!」

  舞 手を合わせる  


〇 雲に隠れる満月


〇 回想 診察室

  心音 叔母 医師から話を聞いている


  医師  「誠に言いにくいのですが・・・舞さんなんですが・・・長くて余命1年か

        と・・・」

  心音  「何で・・・ 何で・・・ そんなん嘘です! 嘘 ゆわんといて下さい!」

  叔母  「ココちゃん!」

  心音  「嘘や! そんなん嘘や・・・ おばちゃん・・・ おばちゃーん!」

  心音 泣いて叔母に抱きつく




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