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25 お手伝いと甘いホットケーキ

依頼は見事成功したが、ルルナの様子がおかしいことに気付きスオウに尋ねたようだ。


「ルルナの様子が少しおかしいんだが、何かあったのか?」


私はパパがスオウと話してる内容をボーっとした頭で聞きながら、スオウのモフモフな毛に顔を擦りつけていた。


マロンがギルマスの肩に乗り目を閉じて安心しきってる。


『依頼は直ぐに終わったんだが、帰りに騎士と暗殺者が複数いて、そヤツらが話してたのを聞いてしまったんだ』


「なにっ! 騎士と暗殺者がこのサイチの街に入ってるのかっ!?


処刑関係の話を聞いて少し落ち込んでるんだな」


ギルマスとスオウが話してる内容を聞き耳を立てていた私。みんなに心配させてしまったなぁ、気分転換に甘いホットケーキでも作って食べようかな。




翌日になり




このサイチの街から騎士や暗殺者がいなくならない限りギルド内で過ごすことになった。


もちろん、鍛錬場も禁止だ。


だったら、ローランの受付や食堂でのお料理を運ぶお手伝いをしようと思い、パパに許可をもらった。


「ローラン、この書類の分別終わったよ?」


目を大きく見開いたローランは口まであんぐりと開けっ放しだ。そんな変顔しなくてもいいのに。


「えぇぇ! もう終わったの?


さっき書類分別を始めたばかりだったわよね?」


「だって、普通に終わったんだから仕方ないじゃん?」


「そ、そうね。じゃあ次は、コレをギルマスに目を通してもらって印を貰ってきてほしいの」


次はパパのところだね。でもかなりの量の書類だけど今日中に印を貰えるのかな……私が行くとデレデレしたパパに変わるから心配だ。


「デレさせないようにムチを打って印を貰って来ます!」


「ふふふ、頼もしい助手さんね。


では、最後の書類までムチを打って印を貰って来てね」


ローランはニッコリと微笑んで手を振っていたけど、あれは本気の目だ。今日中に印を貰えないとパパが危ないかも。


コンコンコン!


「失礼いたします。


ギルマス、急ぎの書類をお持ちしたので今直ぐに書類に目を通して、印をお願いいたします。


出来るまで見張っていますから!」


腰に手を置いて発言したが、またデレデレした顔しちゃって。悪いけど、コレは仕事なのでお尻に鞭を打ちます!


(静電気!)


ビリリッ!


「いってぇぇ!


ル、ルルナさん。今直ぐに終わらせるので魔法でケツにムチを打つのは勘弁!」


「終わるまでここで見てるね?」


と、ニッコリ微笑んだ。


「あ、はい。早めに終わらせます……」


窓の外を見て遠い目をしたパパは、気力を失い落胆するかのように肩を落とした。


ごめんね。これは仕事だから公私混同は出来ないの……。


あれから直ぐに書類を確認し印を貰えて終わり、夕食も終えた頃のことだった。



レンとドリアンからの知らせの手紙を鷹のような鳥が運んできた。


急いでその手紙を読むパパの顔が曇っていた。レンから届いた情報はきっと良くない知らせなんだろう。


「ルルナを暗殺しろ!」や「見つけたらその場で処刑しろ!」とでも伝えてるんだわ。


でもさぁ、私には思ったことが出来るチートがあるし、なにより賢者じゃん! それも魔力無限の!


そんな私って最強じゃない?


隣には神獣のスオウもいるしさ。


「考えてたら、甘い物が食べたくなっちゃった。


気持ちをリラックスさせるには甘い物でしょ!」


さてさて、便利なチートの活躍のお時間がやって参りました。


出す物は……ホットケーキミックス・卵・牛乳・バター・生クリーム(混ぜなくてもOK)・苺を出して、作る!


「苺を切って、この容器に入れて…ホットケーキミックスをボウルに入れて、卵・牛乳を入れて混ぜる!!


おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃぁぁぁぁぁ!!」


力が有り余ってるから混ぜまくりましたよぉ。これを、熱したフライパンにバター・混ぜたホットケーキを入れて……待つ!


「ふふふふふ……ふはははは!


出来たぁぁぁ!!


ふふふ。みんなの驚く顔が楽しみ!」


「いい匂いがする料理だな」


「まぁぁぁ、甘い匂いがするわ。


美味しそうだけど、見たことない料理ねぇ」


ダインとエリンナは、この食堂で料理やお酒を出している優しい夫婦なの。


フワフワで甘いホットケーキが食べたくて作っちゃった。作らなくても出せるんだけど、何も出来ないから作りたくなったのよ。


それにね、パンがフランスパンのような食感で噛みごたえはあるけど、私にはもう少し柔らかいのが良いかな。


今のパンはスープにつけて食べると柔らかくはなるんだけど、なんていうか舌触りが違うんだよね。


「エリンナ、味見して?」


「いいわよ……んっ!!


美味しい! ダイン、あなたも食べてみて!


ふっわふわで柔らかいの!」


エリンナに勧められたダインは口に入れると目を大きく見開いた。


「何だこれ! ルルナ、これ美味いぞ!」


「えへへ、喜んでもらえて良かった。


みんなの分も作るから、おかわりしても良いよ」


レンとドリアンは隠密行動中だからいないけど、二人には今度作ってあげるんだ。


お酒のおつまみは……想像生成で出そう。そうだなぁ、ポテトフライ・枝豆・唐揚げ・メンチカツ……これくらいでいいかな。


「ダイン、夜は私寝てるから、みんなにコレを出して欲しいの。


お酒と合うおつまみだよ」


首を傾げて「おつまみ」と呟く姿を見た私は、今気づいた。この世界に『おつまみ』が無いことに。あとは『デザート』があるのは貴族や王族だけということをエリンナとダインに聞かされた。


「うぅぅん、ルルナが言ってる『おつまみ』が分からんが『デザート』が食べられるのは王族と貴族だけなんだよ」


「そうね、私たちには無縁な甘い食べ物なの。なにより、砂糖の値段が高いから買えないのよ」


二人は「「はぁぁぁ」」とため息をつきながら肩を落としていた。




そこへ、ベルおじ様が入って来た。


数多の中から読んでいただきありがとうございます。


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