冒険者達①・ギルマス視点 ③
ルナは、いつの間にか、ガタイがよくて、いつも子供に泣かれる迫力ある強面だが、笑うとイケメンになるドルバルの膝の上に、座らされていることに気づかず、みんなで爆笑しているテオルを見ていた。
だが、ルナは幼い体だからなのか、睡魔に襲われウトウトし始めていた。目を擦りながら、眠気と戦っていたが……睡魔の勝利となり「ふあぁぁ……」欠伸とともに(コテン)と、寝てしまったようだ。
「ルルナはホントに可愛いな。
俺を見て泣かないのはルルナだけだぜ」
「こんな小さな体で頑張っていたんだな」
「俺達で守ってやらないとな!」
冒険者たちは、小さくて可愛い寝顔のルルナを見て、ローバルの王族やブラックシャークのことを思い出していた。
コイツらも良いヤツらだ。ワレは、テオルの所まで駆け寄り、ルナが寝ていると声をかけて知らせた。
『おい、テオル。
ルナが寝てしまったようだぞ?』
俺はキョロキョロと周りを見回し。バッと、振り向くと。
何故か、手をワナワナさせている。
目線は……そう。
ドルバルだ!!
「ライラ、あれ見て」
「ぷっ、ふふふ。
テオル……ギルマスってば、ルルナのことになると反応が必死で面白いわね。
でも、あの気持ち分かるわ。
私も、ルルナの姉のように接したいもの」
「あぁー、それ分かる!
守ってあげたくなっちゃうのよねぇ」
「でもさ、ドルバルやレン、レイブン、他の冒険者達を見ても笑顔で話すのはルルナだけよね」
「そうね、でもルルナには分かるんじゃないかしら?
ドルバル達が優しいってことが」
「えぇ、きっとそうね」
ルルナの話をしていたライラとローランは、再度ギルマスを見てニヤニヤと笑っている。
ギルド内では、このようなギルマスの面白い出来事が日常茶判事で、見てる者からすれば、酒の肴のようなものだ。
「なぜだ……なぜ、ドルバルの膝の上で寝るんだ……。
いつもなら、子供に号泣されるドルバルなんだぞ!
それに、俺の膝の上で寝たことがないのによぉ……なんでドルバルなんだ」
「……まぁ、間違ってはいねぇが言い方がよぉ……」
ダンダンダンッッ!
俺は床にうずくまり、悔し泣きをしながら、床を拳で殴っていた。
『おい、テオル。
拾い食いして、腹を壊したのか?』
「ちげぇよ。
俺の膝の上で寝て欲しかったんだよ!」
ローランとライラはクスクスと笑いながら、ある言葉が重なった。
「「……嫉妬……」」
『なんだ、ただのヤキモチか。
テオルは面白い奴だな!』
「そんなこと言われても嬉しかねぇよ……」
そっとルルナを抱き上げて、部屋へと運んだ。
良い夢が見れるように、頭にキスをし優しく頭を撫でたあと、酒場へと戻った。
『もう終わったのか?
ルナが寝たのなら、ワレも寝る。
……テオルよ、これだけは言っておく。
ルナには家族である叔父がいるが、あの者等にルナを任せる気は無い!
ルナにはまだ話していない事だが、あの者等はルナの家族の命を奪った。
そして、爵位までも奪った愚か者だ。
ワレはテオルが親になってくれたことを感謝している!
ワレはテオル以外の者を親とは認めない。
ワレは寝る』
「はい、ありがとうございます。ゆっくり休んで下さい」
俺は、スオウが部屋に入るのを見届けてから酒場へと戻った。冒険者連中は真剣な顔で、ルルナと地下牢へ行くメンバーを決めるために話し合っている。
「ルルナがブラックシャークの連中に文句を言いたいらしくてな。
3人くらい護衛がほし……」
「「「「「俺が行く!!」」」」」
「…………」
俺が話終わる前に、ここにいる冒険者連中全員の声が上がり、言い合いが始まってしまった。
「お前は、最近ここへ来たばかりだろ?
それにルルナと話したことも無いだろう。お前、以前ルルナに「ギルドの中でチョロチョロするな!」や「ガキがいていい場所じゃねぇから帰れ!」とか言って怒ったことあるだろ?」
「あぁ、あの時の……そういえばあのあと、ルルナが泣いていたんだぞ!」
「それは……ガキが、嫌いなだけで……。
だが、レレナは【神獣の主】だから、守りたいんだ!」
そんな薄っぺらい言葉を聞いた俺とドルバルは「「却下だ!」」と一言で終わった。
そして、ひと睨みで人が殺せそうな鋭い目つきになったレンが振り向き。
「レレナではない、ルルナだ!!
テメェ、殺すぞっ!!」
と、叫んでいた。
ルルナが夢の中にいる間に、地下牢へ行くメンバーが決まりそうだ。
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