25. 来襲-3
こんにちは!
宜しくお願いします(o_ _)o))
バレットちゃんの傷を治し、『ランド・ジェイルロック』を解くとバレットちゃんは腕をグルグル回して確認動作をしてる。
「問題無い! 流石だ、リィナ! 後で木の実を沢山採ってきてやるぞ!」
「子供じゃないんだから…。 無理はダメだよ? あくまで応急だから、後でもう一度治すからねっ!」
「うむ! では、…あ?」
バレットちゃんが飛び掛かろうと身構えた時、ジンの目の前に居たオーガが死んだ。
本当に一瞬だったけど、お腹の所から真っ二つになってる…。
目の前のジンはもう一体のオーガに槍を向けて話しかけてるけど…凄く怒ってる…。
ジンに対する恐怖に支配されそうになった時、バレットちゃんが優しく抱き締めながら声を掛けてくれた。
「リィナ、アレは我々の仲間だ、家族だ。 主ならば大丈夫だ。 怖がる必要は無い。 なぁに、我の出番はもう無さそうであるからな、一緒に着いていてやるさ。」
…ありがとう、バレットちゃん。
本当、お姉ちゃんみたいだ。
ーーーーー
御主人様の気が燃え上がった瞬間、一つの愚物が消え去った様子です。
哀れ、御主人様の怒りを買うとどうなるか、想像も付かない愚物にはお似合いの末期で御座いました。
さて、私は目前の対象を素早く始末したいのですが…
「おお、おでの兄弟が…。 おおまえら、許さんど!!」
一気に怒りが噴き上がりましたね。
兄弟の死を機に進化しましたか。
ですが、
「まぁ、だからと言って、という訳で御座いますが。」
そう一言残し一息に間合いを詰めると、一族の秘宝『デスピアの盾剣』を使い、アビリティ【盾術】の初級スキル[シールドバッシュ]で轢き飛ばします。
吹き飛んだ衝撃で対象の背後にあった大木に当たり、木が折れて此方に向かって倒れてきますが、尾に着けた剣で適当に輪切りにしながら更に間合いを詰めます。
身柄の元まで辿り着くと[シールドバッシュ]の一撃でほぼ戦闘不能状態になっており、オーガ族の身体の弱さに呆れる事しか出来ません。
何か言おうとしていましたが特に感慨深い物も無い為、先日購入した安物ランスにて頭部と心臓の二箇所を貫き『お仕舞い』で御座います。
嗚呼、御主人様は褒めて下さるでしょうか?
ーーーーー
「クッ…! 即座に、二人共…だとっ!?」
「お前は殺さん。 目的を吐いてから死ね。」
迅はそう言ってブリューナクを次元鞄に入れたと同時に間合いを詰め、三人目のオーガの顎先へ右フックを見舞う。
そこから返す肘でこめかみを打ち抜き、意識を手放し倒れこもうとする相手の鳩尾へと膝蹴りを見舞う。
一瞬の出来事であり一堂驚くも、迅の無手による戦闘であれば当然の結果であった。
「ヴェルティ、コイツを簀巻きにしとけ。
…バレット、よく無事で居てくれたな。」
ヴェルティに指示すると、迅はバレットへと駆け寄り抱き締める。
予想だにしなかった迅の行動にリィナはポカンと、ヴェルティも同様に、だがオーガが更に泡を吹くくらいの力で縛り付け、動揺が伺えた。
最も顕著だったのが当人のバレットで、わたわたとする事しか出来ず、
「ああああ、主! どうしたのだ!? どうしたと言うのだ!?」
と言うばかりであった。
だが、迅から一つ鼻をすする音が聞こえると行動の意味が理解出来、バレットも抱き締め返した。
「大丈夫であるぞ、主。 我は無事だ。 此処に居ない所を見るとジャンヌを置いてきておるのであろう? さぁ、獲物と共に帰ろう。」
迅は「あぁ」と答えたが、暫くの間そのままであった。
ーーーーー
オーク・コボルトの村の目前では、両陣営が睨み合っていた。
オーガの連中からすれば予想外に対処されていた事、オーク・コボルト連合からすれば想定以上に数が多かった事が主だった理由である。
そんな中、過信を捨てた実力者ブウが後ろ側から前に歩み出、オーガの部隊に口上を述べる。
「おうおう、オーガのクソ共! どの面下げて俺様達の集落に雁首揃えて侵攻して来やがった! 理由によっちゃ、タダじゃおかねぇ事くらい、お前らの糞が詰まったお飾り頭でも理解出来るだろぅが!!」
迅直伝の口の悪い口上にオーガ一向は一気にヒートアップする。
だが、リーダー格と思われるオーガが前に立つと、追って口上を述べる。
「やいやいオークコボルトの貧弱種族よ! 儂達オーガという強き種族がお前ら劣等種族の保護に来てやった! 喜べ! お前達は今日をもって安心と安全が保障される! さぁ、むさ苦しいその隊列を解いて、我々をお前らの粗末な集落に案内しろ!!」
この口上を聞いて怒らないオークコボルト連合の者は居ない。
だがこの場にはそれ以上に短気な単騎の闘争を好む荒くれが保護者として鎮座していた。
ブウは「まだ待って下せぇ」と抑えたものの当然治まるワケもなく、ブウに耳打ちした後、尻を蹴飛ばして顎で促す。
「っとに荒っぽい姐御だぜ…。 おう、クソオーガ共! やる気で来てんだな? 後悔は一切合切無ぇんだな!?」
「ったり前だ! さっさと門扉を開けて歓待しねぇか!!」
ブウを筆頭とした精鋭部隊は頭から湯気が上がり、今にも飛び掛かりそうな所を我慢してジャンヌを見遣る。
「…上等じゃないのサ。 お前ら、このままクソ以下の評価で見下され続けてイイのかい!?」
ジャンヌの檄にオークコボルト連合が怒り狂った様に鬨の声を上げる。
「イイねイイね! 野郎共、『やっちまいなぁっ!』」
オーク側はブウ率いる精鋭部隊が先陣にて突貫、その背後に四人一組のオークコボルト混合小隊が続く。
ブウは戦国武将さながら、先頭にてオーガの群れに突っ込むとあっと言う間に首魁と思しきオーガを大ハンマーにて瞬く間に一撃加える。
「ゥオラァアアア! 長の首は任せろ!! お前ら、一気に畳んじまえ!!」
オーク一の戦士であるブウがオーガの首魁を抑えたと判ってオークコボルト連合は更に燃え上がる。
そこからはもう、一方的であった。
「相手が日和ったからっつって手抜きすんじゃねぇぞ! 仲間が、コボルトのクソチビ共がどんな目に遭ったか忘れたんじゃねぇだろ!! 徹底的にやれ! 二度とこの村にちょっかい掛ける気が起きねぇくらいやれ!!」
ブウの積年の我慢が爆発する。
その爆発は仲間のオークに伝播し、オーク達は文字通りオーガ達をボコボコにし、一切の慈悲を与えない。
流石に冷静なジャンヌがブウを止めようと声を掛けるが、
「ジャンヌの姐御。 俺は兎も角他の奴等やチビ共はこのクソ共にこれ以上の仕打ちを受け、泣き寝入りばかりしてきたんです! 二度とそんな事を仲間にさせない様、此処でキッチリとケジメを付けときてぇんです! お願ぇします! まだ止めんで下さい!!」
そう言って頭を下げられる。
そこまでされるとオークやコボルトに抱える怨恨が根深い事を嫌でも理解し、ジャンヌは引き下がる事にした。
此処で無理矢理止めても得は無し。 止めずとも迅をはじめとした『楽団』メンバーに損は無いと判断した為である。
「ま、納得するまでやんな。 アタシゃ知ーらないっと。」
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