プロローグ
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。
今回の話は、報道関係から見た視点を書いています。
日本共和区にある放送局では、女性アナウンサーが原稿を読みながら、いつもの笑顔では無く、かなり神妙な顔つきで視聴者たちに伝えた。
「本日、4月1日。イギリス軍、オランダ軍、インド帝国軍等の連合軍が南東諸島(南西諸島と沖ノ鳥島との中間に位置する諸島)に強襲上陸しました。2日前にはアメリカ陸軍航空軍の爆撃機による本土空襲があり、昨日の3月31日には突如、ソビエト連邦が日ソ不可侵条約を破り、北海道の西部地方に大規模な強襲上陸を行いました。ニューブリテン島へのアメリカ海兵隊を主力とする連合軍の殴り込みの強襲上陸が発生し、大日本帝国の軍部は連合軍の暴挙ともとれる攻勢に驚愕する事しかできません。ただ一つ言える事は、日本本土が連合軍の侵攻を受けている事だけです」
女性アナウンサーの言葉に、これまで日本共和区にいる日本国民及び大日本帝国国民は彼女の普段の明るい感じとは違う、真剣な表情に驚き、不安を覚えていた。
なぜなら、いつもの彼女は笑顔がとても印象的であるからだ。
場面が変わり、統合防衛総監部が置かれている菊水総隊陸海空自衛隊の基地である松本基地から迷彩服3型を着込んだ陸上総監の御蔵隆陸将が記者会見を開き、会見内容がそのまま伝えられた。
「今年に入り、大日本帝国が占領した地域並びに本土の領空及び領海内に侵入するアメリカ軍、ソ連軍機が確認されている。さらに、威力偵察、挑発行為だけでは無く、殴り込み攻撃に近い大規模な強襲上陸や小規模な部隊によるコマンド・ゲリラ攻撃も始まっている。どの軍事作戦もこれまで勝利気分が蔓延した日本人に対し、効果的とも言える計画的攻撃である。先ほど、統幕本部長からアシハラ協定を適用し、南東諸島及び北海道に強襲上陸した連合軍とソ連軍を撃退する事を命じられた。これ以上、敵に好き勝手させる訳にはいかない」
佐世保軍港に停泊している[さつま]型輸送艦[もとぶ]に九州方面に駐屯する菊水総隊陸上自衛隊第8機動師団第8戦車大隊に所属する10式戦車8輌が陸自隊員と海自隊員の誘導に従いに乗り込んでいく。
[さつま]型輸送艦は[おおすみ]型輸送艦の就役により、退役した[みうら]型輸送艦の艦体をベースに再建造された輸送艦だ。
これは[おおすみ]型輸送艦と[しょうない]型輸送艦の使用目的が大きく変更されたのと、少数部隊を瞬時に展開できる輸送艦の必要性が出たためだ。
[さつま]型輸送艦は基準排水量2500トンと[みうら]型輸送艦よりも500トン増加し、全長も4メートル延長された。
搭載可能な車両は10式戦車8輌と予備弾薬、予備部品、その他整備用装備と大型トラック4輌を乗せた状態で150名の陸自隊員を乗せる事ができる。
[もとぶ]は連合軍が上陸した南東諸島に属する島で、連合軍の侵攻を阻止し、連合軍を撃退する菊水総隊陸上自衛隊第15旅団の増援部隊として投入される第8機動師団の機甲科を乗せて島に急行する。
もちろん、大日本帝国陸軍西部軍に不測の事態が発生した時に出動する緊急展開部隊を佐世保鎮守府に所属する高速輸送艦に乗せて、南西軍に第1陣の増援部隊として投入する。
航空予備軍航空基地である新田原航空基地では菊水総隊航空自衛隊の分屯基地が置かれており、C-1輸送機とその整備要員等が配置されている。
第8機動師団第12普通科連隊の隊員たちがエプロンに待機しているC-1輸送機に完全装備で乗り込む。
「小隊!気を引き締めろ!」
小隊付陸曹である1等陸曹が若い隊員たちに活を入れる。
1曹は40代後半のレンジャー徽章を持ったベテランの陸曹であり、過去2度警備部隊として海外派遣を経験した自衛官。
顔つきは厳格であり、訓練の時は曹士だけでは無く、幹部にも厳しく接するが、課業終了後はとても優しい陸曹になる。
第12普通科連隊の第1次増援部隊を乗せたC-1輸送機が次々と轟音を響かせながら離陸する。
プロローグをお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字があったと思いますがご了承ください。
実際には存在しない諸島等が登場していますが、詳しくは5部と6部で説明します。




