特別編 懲罰部隊 第3部 序章 料理は神様
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れ様です。
菊水総隊陸上自衛隊第14機動旅団司令部。
菊水総隊陸上自衛隊第14機動旅団・旅団長の井笠和彦陸将補は、司令部庁舎を出た。
司令部の警備として、第14音楽隊と駐屯地警衛隊が、共同で行っている。
ある人物の計らいによって、食糧問題、医薬品問題が解決し、物資が豊富に倉庫の中に眠っている状況だ。
井笠は、防衛局雇用の民間人が経営するレストランに顔を出した。
「やあ、井笠旅団長!」
レストランの4人テーブルの1つを占拠している第14機動旅団付合同派遣捜査隊・隊長の志度敏平警視正が手を振る。
彼のテーブルの上には、すでに平らげた料理の器が並んでいる。
井笠は、志度が占拠する席に座る。
「ご注文は、何にしましょうか・・・?」
ウェイトレスが、声をかける。
「天ざるうどんは、あるか・・・?」
「はい、あります」
「では、それをいただこう」
「うどんは、大盛と並盛がありますが・・・?」
「そうだな・・・大盛で頼む」
「わかりました」
「ウェイトレスさん」
志度が、声をかける。
「はい?」
「注文いいかな・・・?」
「はい、大丈夫です」
ウェイトレスの若い女性は、引き気味に答える。
「トマトチキンバーガー、牛肉と豚肉のレタスバーガーを1つずつと、フライドポテト大盛、チキンナゲットを大盛・・・それとコーラを頼む」
「はい、かしこまりました。バーガーの大きさは、いかがしましょう・・・?」
「Lサイズで・・・」
「あの・・・」
ウェイトレスが、恐る恐る声をかける。
「バーガーのサイズは日本サイズでは無く、アメリカサイズなのですが・・・Sサイズでも日本サイズでは、Lサイズに相当します・・・」
ウェイトレスは、念のために確認をしているらしい。
志度は、すでに2人前か3人前の食事を平らげている。
その上での、追加注文だ。
なにしろ、このレストランのオーナーは、お残し・・・食べ物を粗末にする事を、とても嫌っている。
つい、先ごろも支援物資の糧食や医薬品を台無しにした、連合国アメリカ軍の残存部隊に対し、常軌を逸する攻撃で、全滅・・・いや、虐殺しただけでは無く、遠くオーストラリアにある連合国司令部まで壊滅させている。
それこそ、食べきれなければ、どんな懲罰が待っているか、わかったものではない。
もっとも、民間人らしいウェイトレスがどこまで知っているかは不明ではあるが・・・
客のために、注意喚起をしておく必要があるのだろう。
「大丈夫だ。問題ない。私の胃袋はブラックホールだ」
「失礼しました」
ウェイトレスが、厨房に引っ込んだ。
(そう言えば・・・)
第14機動旅団に同行する民間人団体のレストラン・グループで、アメリカサイズの量を提供する食品があると警告が出されていた。
その警告には、『料理は神様!残した人は、定価の3倍の料金を支払ってもらいます』という文章があった。
幹部自衛官及び曹士自衛官が、高額なぼったくりだと叫び。
第14機動旅団付の弁護団に相談し、弁護士の協力下で、南方作戦総監部付の地区裁判所に民事訴訟を行ったが・・・企業の代理人弁護士の前に完膚なきまでに叩き潰されて、敗北したという民事事件があった。
これは、日本共和区に本社を置く新聞社、週刊誌、月刊誌の報道各社やテレビ局が、大々的に特集した。
もちろん、それは民事訴訟した自衛官及び弁護士に対する批難の記事だった。
飢えに苦しんでいる人々がいる中で、自分が注文した食事を食べ残す等、言語道断という記事で、民事訴訟した自衛官や弁護士を徹底的に批難した。
(あの時は・・・私や総監・・・統合幕僚本部長が、それぞれに謝罪会見を行ったなぁ・・・)
井笠は、そんな事を思い出していた。
すでに、第14機動旅団傘下の部隊には、飲料水、糧食、医薬品が十分に行き渡り、レストラン等の民間団体の店は、営業を開始している。
「お待たせしました。天ざるうどんになります」
「いただきます」
天ざるうどんを受け取った井笠は、箸を持った。
天ぷらの1つを摘み、天つゆにつける。
そして、口の中に入れる。
(うむ・・・美味い)
井笠の感想は、それだった。
特別編 懲罰部隊 序章をお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。




