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『ここは乙女ゲームの世界らしいので全力で攻略します(※違います)』  作者: Risa


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それから。


ルイはよく遊びに来るようになった。


最初は月に一度。


次は二度。


気付けば当たり前のように屋敷へ現れる。


私は知っている。


これは好感度イベントである。


幼少期交流。


親密度上昇。


乙女ゲームのお約束だ。


間違いない。


そんなある日。


私は重大な問題を発見した。


「ルイ」


「何でしょう」


私は固まった。


「今よ」


「はい?」


「今の」


「今のですか?」


私は机を叩いた。


「それ!」


ルイが瞬きをする。


「何でしょう」


「だからそれ!」


父様が嫌な予感を察知した顔をした。


私は立ち上がる。


そして高らかに宣言した。


「友達なんだから敬語禁止です!」


応接室が静まり返った。


父様が目を閉じた。


母様が顔を覆った。


護衛が固まった。


ルイだけが首を傾げる。


「友達なんですか?」


「友達よ」


私は即答した。


「幼馴染だし」


まだ出会って数ヶ月である。


「そうなんだ」


「そうなの」


私は大きく頷く。


「だから敬語やめましょう」


ルイは少し考えた。


本当に少しだけ。


そして。


「分かった」


全員が固まった。


私も固まった。


「え?」


「やめればいいんだよね」


「そんな簡単に?」


「うん」


私は感動した。


なんて柔軟な攻略対象だろう。


やはり当たり枠。


「じゃあ言ってみて」


「何を?」


「リリア」


「うん!」


「今日も元気だね」


私は勢いよく立ち上がった。


「完璧よ!!」


護衛が後ろでよろめいた。


父様はもう何も言わなかった。


ただ遠い目をしていた。


その日。


リリアは友達認定した相手に敬語をやめさせた。


そして父様は。


娘の行動に慣れ始めている自分に気付いてしまった。


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