第14話 教会での生活
前回のあらすじ
教会でお世話になることになった
アンジェラさんに連れられ、教会の中を案内してもらうことになった。
その際に、教会で暮らしている子供達も紹介してもらった。
ウサギの獣人族で、引っ込み思案な女の子のラビィ。
人間族とドワーフ族のハーフの女の子で、大人しい性格のパル。
人間族で、しっかり者な女の子のハナ。
そしてエルフ族でヤンチャな、年長者のレン。
この四人が、アンジェラさんと共にこの教会で暮らしている。
わたしは彼女達に挨拶すると、反応に差違はあれど、概ね受け入れられたようだった。
そして早速ハナに手を引かれ、教会の外で子供達と遊ぶことになった。
◇◇◇◇◇
めっちゃ疲れた……。
わたしは木陰にあるベンチに座り、休憩をしていた。
子供達は永久機関でも備えているのかってくらい、とても元気にはしゃぎ回っていた。
現役の冒険者であるわたしでさえこんなに疲れるんだから、お年を召したアンジェラさんの苦労は窺い知れた。
それに子供達の相手をアンジェラさんは今までしてたって言うんだから、素直に尊敬する。
ベンチで休憩していると、トテトテとラビィがやって来た。
「どうしたの?」
「あの……、えっと……」
わたしは優しく尋ねたけど、ラビィは緊張しているのか、なかなか話し出せないでいた。
わたしが静かに待っていると、彼女はポツリポツリと話し出す。
「その……、私も疲れちゃったから、ベンチに座って休んでもいい、ですか……?」
「いいよ、おいで」
そう言って、わたしはラビィが座れるようにスペースを空ける。
彼女は嬉しそうに顔を綻ばせて、わたしの隣に飛び乗るように座る。
するとそれを見た他の子供達も、遊び回るのを止めてベンチの方に駆け寄ってきた。
「アタシも、休む」
「ずる〜い! わたしも休む!」
「おい、オマエら! 勝手に休むな!」
パル、ハナ、レンが言い争いを始めてしまって、ベンチの回りが一気に騒がしくなる。
すると教会の方からアンジェラさんがやって来た。
「みんな、お夕飯の準備をするから、手伝ってちょうだい」
アンジェラさんにそう言われ、子供達は教会に向かう。
わたしもラビィに手を引かれ、教会に向かった。
そして子供達と一緒に、夜ご飯の準備を手伝った。
◇◇◇◇◇
決して豪華とは言えない夜ご飯だったけど、わたしは満足していた。
素朴な料理の方が、わたしは好きだった。
そしてお風呂の時間になり、子供達に誘われて一緒に入ることになった。
教会ではいつも、子供達みんなで一緒に入っているらしい。
男の子であるレンもいるけど、子供達はまだそういうことを気にしない年頃みたいだった。
当然わたしも気にしない。だって相手はまだ小さい子供だもん。
先に入っていたラビィとパルの頭を洗ってあげたり、わたしの頭を洗ってもらったりしていると、遅れてハナとレンが入ってきた。
そこでわたしは驚愕の事実を目にする。
レンには男の子に付いているハズのモノが付いていなかった。
わたしは思わずレンに問い質していた。
「え……? レンって、女の子、だったの?」
「そーだよ」
レンはやや不満げな顔をして、わたしの言葉を肯定する。
つまりレンは男の子―ではなく、ボーイッシュな女の子だったようだ。
「気付かなかったんですか?」
ハナが尋ねてきて、わたしは頷く。
「だって髪が短いし、自分のことオレって言ってたから……」
「レンが男の子だったら、わたし達も一緒にお風呂なんて入りませんよ?」
至極ごもっともな意見だった。
ハナの意見に賛同するように、湯船に浸かっていたラビィとパルは頷く。
さすがにハナ達の年頃でも、異性と一緒にお風呂は入らないようだ。
レンはブスッと頬を膨らませながら、わたしに言ってくる。
「なんだよ。オレが女で悪いのかよ」
「いや、悪くないけど……。その言葉遣いだけは直した方がいいと思うよ?」
「そうだよ、レン。もっと女の子らしくしなきゃ、アリシアお姉さんみたいに勘違いする人だっているんだから。だからとりあえず、髪伸ばそう?」
わたしのアドバイスに、ハナが便乗してくる。
レンはそっぽを向き、反論する。
「いいんだよ、オレはこのままで。それに、短い方が楽だから髪は伸ばさない」
「もう、レンったら!」
取り付く島もない様子のレンに対して、ハナは地団駄を踏む。
わたしは苦笑しながら、二人の言い争いを止める。ついでに、二人の頭も洗ってあげた。
わたし限定のハプニング(?)がありながらも、教会での生活の初日は楽しく終えた―――。
レンはオレっ娘。
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