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215.消滅!

 本来なら、原爆の爆発直下にいたら、人形であろうと人間であろうと、身体は一瞬にして焼失するだろう。

 でも、私の場合は特例だからね。

 原爆の爆発直下にいても身体は何ともない。

 龍の血を被った効果が、ここまで凄いとは恐れ入ったよ。


 それにしても、セクロ……なんとかの上司、ミルコメディアだっけ?

 その大天使からの依頼と言うか無茶振り……國下さんが何かしでかすのを止めろって言うのをマジで実行する羽目になるとはね。



「転移!」



 私は、急いで國下さんが転移したって言う方向に転移した。

 そして、國下さんの姿を発見!

 ただ、國下さんは私の姿を見ても、特段驚いていなかったよ。

 普通なら、核爆発の直下にいて無傷だったら、少しは驚くと思うんだけど?



「いきなり核とか、ちょっと酷過ぎるんじゃない?」


「そう言われても、私、サタン側の召喚者だし!」


「でも、ヤリ過ぎでしょ?」


「じゃあ、力尽くで止めてみなさいよ。これから私は超高速稼働で動くから、止めたければ付いてきなさいな」



 そう言うと、國下さんは私の頭上に核爆弾を発生させた。

 そして、すかさず超高速稼働で、その場から離れる。

 当然、私も國下さんを追いかけるために超高速稼働に入る。


 ただ、國下さんの服は超高速稼働で動いても、私の服とは違って全然燃えないんだね。

 マンドラゴラ特製の服なんだろうけど。


 私も燃えない服を物質創製魔法で出したいんだけど、私は脱いでナンボの仕様だからね。

 もし私が着ても、すぐ全裸になれるようにってことみたいでね。簡単に燃え尽きる服は出せても、燃えない服は出せないんだよ!



 私の遙か後方から大きな爆発音が聞こえてきた。

 そこには巨大なキノコ雲の姿が。

 さっき、私の頭上に國下さんが発生させた核爆弾が爆発したんだ。



 再び國下さんが私の上空に原爆を発生させた。

 ただ、超高速で動いているんだから、今、私の頭上に原爆を発生させても爆発時には離れたところに移動しているし、無意味なんじゃない?

 さっきだって、爆発したところから私は随分と離れたところに移動しちゃっていたし。

 そもそも、このスピードなら何処に原爆を発生させられても基本的に回避可能だし。

 まあ、それ以前に核爆発直下にいても無傷な身体だって、さっき証明されたけど。


 でも、國下さんは、そんなのお構いなしのようだ。

 彼女は、私から距離を取るように超高速稼働で北の方に移動しながら、更に何発もの原爆を私の頭上に発生させた。

 勿論、爆発時には、既に私はその場から離れたところに移動していたわけだけど。



 …

 …

 …



 あれから、どれくらい時間が経っただろう。

 ずっと超高速稼働のまま國下さんを追いかけている。


 それと、もう、どれだけの原爆が投下されたことか?

 数えていないけど、百発なんて超余裕で越えている。

 しかも、國下さんは街とか軍事基地の上空にも多数の原爆を発生させていたからね。もはや、ゴーランド共和国は完全に壊滅状態だ。


 ちなみに、國下さんは、特殊な身体強化魔法で放射能の影響が出ないようにしているっぽい。

 なので、彼女は自身の身の安全だけは保証して核爆発を起こしているようだ。

 この国の……マンドラゴラに洗脳された危ない人々のことは、ともかくとして。



 でも、まあ、ココは大陸からちょっと離れた島国だからね。

 ワザワザこの島に来なければ、他の国の人達が放射能を浴びることはないだろう。

 それだけが救いだ。

 風で放射性物質を含んだ砂埃とかが飛ばされたら知らんけど。


 それと、結果的にだけど、とうとう私は、國下さんを島の最北端まで追い詰めた。

 勿論、ここから長距離の転移魔法で逃げられたらアウトだけどね。



「あらあら。逃げ場が無くなっちゃったかしら?」



 そう言いながらも、國下さんは余裕の表情だった。

 やっぱり、転移魔法で逃げる気かな?


 丁度この時だった。



「いくら相手がコイツだからって、何てことをしてくれたんだ!」



 男性の怒鳴り声が聞こえてきたかと思うと、急に空が曇りだした。

 ただ、姿は見えない。声だけだ。

 巨大な気配は感じるけど。


 ところが、ここに、


「ちょっと待ったー!」


 と別の男性の声が聞こえてきた。

 昔、何かの番組であったようなセリフ。


 ただ、コッチも姿は見えない。声だけだ。

 でも、巨大な気配だけは、コッチもイヤと言うほど感じるよ。


 それと、この二人目の声は聞き覚えがある。

 ラフレシアだ!



 突然、國下さんに向けて落雷が生じた。

 でも、この落雷が起こる直前に、國下さんの身体は球体のバリヤーで覆われていたっぽい。

 このバリヤーに落雷は阻まれ、國下さんは大惨事を逃れたよ。



「邪魔をするな、ラフレシア」


「マンドラゴラこそ、ここは俺の管轄だぞ。勝手なことをするな」



 どうやら落雷の主はマンドラゴラ、バリヤーの主はラフレシアのようだ。

 ラフレシアのお陰で國下さんは落雷死を免れたってことか。

 いくら身体強化魔法が使えても、堕天使が放ったレベルの落雷だからね。多分、人のレベルの魔法じゃ跳ね返せないだろう。



「そもそも、お前、一年間は何もしないんじゃなかったのか?」


「さすがにミルコメディアから、今日くらいは働けと言われたぞ。お前が勝手にこの星にちょっかいを出して来たからな。それにだな。そもそも、なんでお前がこの星の者にコンタクトを取っているんだ? 越権行為だろう」


「堕天使にルールなんて関係ないだろ!」


「いや、さすがに今回の件は見逃せないと、リニフローラの上司がお前の消滅を決めたそうだぞ」


「はっ?」


「覚悟しろよ」


「ちょっと待て。それって……ギャー!」



 よく分からないけど、マンドラゴラはダ……じゃなくて女神リニフローラの上司……大女神かな? に消滅させられたっぽい。

 巨大な気配が一つ消えたし、それに、マンドラゴラによって曇り空にされていたのが、急に晴れ渡ったよ。


 それにしても、大女神レベルになると、サタンを消滅させることが出来るのか。

 初めて知ったよ。

 でも、何で大女神はサタンを放置しているんだろう?

 後で機会があったら女神リニフローラにでも聞いてみよう。



「國下礼子だな。マンドラゴラのせいで迷惑をかけたな」


「まあ、ある意味、貴重な体験をさせて貰いましたが」


「これから地球に戻す。その聖書は、詫びに持って行け」


「イイんですか?」


「まあ、持って行かれたところで、この星の言語を知らない地球人共には読むことが出来んがな」


「でも、私は地球に戻っても読めますよね?」



 何か、読める状態にしといてって目で訴えているよ。

 それだけ彼女にとっては……と言うか、科学者達にとっては、この世界の聖書に大きな価値があるんだろうし、持っていても読めなかったら意味が無い。



「まあ、特別サービスだ。コッチの文字が読める状態は残しておいてやろう。では、元の世界に送るぞ」


「有難うございます。ただ、その前に、ほんのちょっとだけ時間をください。篠原さん」


「はい?」


「大学の同期に会えて嬉しかったよ。あと、大井川さんにヨロシク」


「うん。伝えておく」


「では、この世界の堕天使さん。お願いします」


「うむ。転移!」



 この直後、國下さんはその場から消えた。

 地球に戻ったんだ。


 でも、マジでほんのちょっとだったな。

 普通は、もっと長々と別れを惜しむ話とかありそうな展開だったけど……。


 まあ、地球時代に私のことを向こうは知らなかったわけだし、別れを惜しみながら話す内容なんて無いか?



「それにしてもラフレシア」


「何だ?」


「異世界へのモノの持ち込みは原則禁止じゃなかったっけ?」


「まあ、そうだが。ルールを破ってこそ堕天使だろう? それに、お前とお前の母親の間でも、モノの遣り取りをしているじゃないか?」


「まあ……ね」



 私が物質創製魔法で出した日本酒と、お母さんが創薬魔法で作り出した薬や、お母さんに書いてもらった薬に関するメモ程度だけどね。

 天界には黙認してもらっているけど……。



「なので、大したことではあるまい。では、そのうち、とんでもないヤツを召喚するからな。楽しみにしておれ」



 そう言われた直後、ラフレシアの気配が消えた。

 元いたところに帰ったんだろう。

 とんでもないヤツの召喚は勘弁して欲しいけど……。

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― 新着の感想 ―
>彼女は、私から距離を取るように超高速稼働で北の方に移動しながら、更に何発もの原爆を私の頭上に発生させた。 >結果的にだけど、とうとう私は、國下さんを島の最北端まで追い詰めた。  はい。 これでこの…
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