第9話
皆さん、おはようございます。あまり眠れなかったライラ・ブラックです。二日連続でアルフとカレンに通信が繋がらなかった・・・心配です。
「浮気の心配は無用だと思うわよ」
「だから違います!!」
今日のコーティ先輩は二日酔いが治ったためシャキッとしてます・・・揶揄いもいつも通りです。
「あ、そうだコーティ先輩。今日の昼、一緒にご飯どうですか?」
「良いけど・・・調査部のレオナルドは?」
「あ、良いんです。たまには別の人と食べたくて・・・」
焦った。ベタな展開だと皆さん思うでしょうが、続きをご覧ください。
「あ、レオナルド」
「ライラ・・・コーティ先輩、こんにちは」
「ハロー。あらライラ、やっぱりレオナルドと約束してたんじゃない」
「あ、忘れてました・・・って、忘れものもしました。二人で食べててください!!」
そう言って食堂を素早く出ていく。展望通路の方まで行くとマックス先輩が待っていた。
「上手くいった?」
「とりあえず二人を残してきました。」
「よし!!」
実は、これがコーティ先輩が再び酔いつぶれた後に、マックス先輩と計画した作戦なのです。
「コーティったら、恋したいって素敵な相手が居そうじゃない」
「・・・上手くいくと良いんですが」
「それはレオナルドって子、次第ね~」
「・・・で、その人は誰かな?」
「誰って・・・アルフ!!どうして此処に!?」
後ろから声が聞こえたと思ったら、此処に居るはずのないアルフレッドが!!
「アルフだけじゃないし」
「カレンまで!!どうしたの!?98基地に居るはずじゃ・・・」
「有給休暇で戻ってきたの」
・・・それで、通信が繋がらなかったのか!!
「通信が繋がらなくて心配してたのよ」
「ごめん。驚かせたくて・・・」
アルフの目じりが下がる。
「それより!!トーラン先輩に言い寄ってる女ってのは・・・」
「あ、それ、あたしの事?」とマックス先輩。
・・・こっちの作戦は成功したようです。
「つまり、トーラン先輩の親友のマックス先輩の話だったの!?」
「うん」
「すっかり、引っかかっちゃった。思わず有給取るくらい」
「あら!!素敵。その勢いで告って来なさいな」
マックス先輩が畳みかける。
「でも・・・」
「もし、本当にその女が居たらどうするつもりだったの?」
「・・・分かりません。取りあえずトーラン先輩に会いたくて」
「それが答えでしょ。トーランたらボーっとしてるから気づかないのよね。女は度胸よ!!告白してらっしゃい」
「・・・はい!ライラ、後でね」
そう言って、カレンは走り去っていった。
「で、話は戻るけど、マックス先輩?とはどういう関係?」
再び不穏な空気を纏うアルフ。
「あらあら。あたしってばお邪魔ね。またねライラちゃん」
「あー!!先輩」
「ねえ。どういう事。昨日、部屋まで送ってもらってたっていう目撃証言があるんだけど」
「あ、それは女子会の帰りで・・・」
カレンやレオナルドの事が気になるけど、今はアルフの誤解を解くことに集中しないと・・・ヤバい!!
どうにか誤解を解いて(アルフ曰く、「最初から分かってたけどね」)、カレンとレオナルドそれぞれの所へ向かった。どうやら、両者ともうまくいったみたい。
「結局、恋のキューピットはコーティ先輩とマックス先輩だったなー」
「そう?ライラも頑張ってたよ。少しは」
「もう・・・」
恋のキューピットって大変なんだな。ゲームだと簡単なのに、やっぱり現実の恋は難しい。でも一応・・・。
「大団円ってことで良いのかな?」
「良いと思うよ」
悪役令嬢だけでなく、ヒロイン達も幸せにならないとね。これで一応、ハッピーエンド。
「で、アルフとカレンは、いつ98基地に戻るの?」
「んー。2時間後に出発かな?」
「!!」
遠距離恋愛はもう少し続くようです。
恋のキューピット!?編は終了です。お読みいただきありがとうございました。
また、続きが思いついたらよろしくお願いします。