夢の中の夢と願いを叶える悪魔
詩
夢の中の私は夢の夢を夢だとわかっていて。そこで親愛なる悪魔が私にささやくことには
「書いたことを叶えてあげよう。」
二夜目のお誘い。一度目は、彼の幸せとか、関係ないこととか、ボール紙に書いたっけ。「何に書いても?」「何でもいいよ」メモ用紙を取り出しては、尽きたはずの願い事を引っ張り出す。
本音と理性を統合した願いはもう尽きた。本音だけならまだあるんだ。例えば、
「彼に会いたい」(write down)
今はもうこれだけで十分だ。「たったそれだけで満足?」促されて、折角の厚意だからと合わせるように他の欲を考えた。そうだな、歌が、上手になれたらいい(write down)。「もう十分。よろしくね」「ああ」悪魔は懐こくわらった。
目が覚めて、現実。ベッドの上で今日の残り時間と片付けるべきタスクとを頭の中に並べて溜息。携帯を開いてみると、彼からメールが来ている。
残念だけど、悪魔が願いを叶えてくれたわけではなくて、その四時間程前に私が送った彼への返信によるものだ。証拠にあげてもいいなら、メールの中身は彼の、彼女への想いで一杯なんだ。
私の願いなんていつも夢の底に沈んで、沈んでしまったらいい。彼の辛いのを出来るだけ取り除くように、彼のハッピーエンドを導くように、少しだけ厳しくアドバイスをして、愛していることに嘆くのはひとりそのあと。
ディア、悪魔さん。本当はきっと知っているでしょう。「彼に想いを聞いてもらいたい」できることなら「愛されたい」、というのがもっと本心を分かりやすくした私の願い。あなたの催促は数ではなく質の話だったかしら? でもね、愛のやりかたを違えるつもりはないの。素敵な誘惑ありがとう、
さようなら。
20121027




