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噂の真相  作者: MiYA
2/12

夢か?現実か?

「ネェ、オ兄チャン!コレコレ!」嬉しそうな青っぱな正敏が、俺の手を引き、辿り着いたのは、遊園地の定番、ジェットコースター「オ兄チャン!早ク!早ク!」顔色の悪い、ジェットコースター係員の男は「 シートベルトヲ、必ズ着用下サイ … 」寒気のするような口調で言った。青っぱな正敏は「 前!前!」最前列に座ろうと、俺の手をグイグイと引いた「青っぱな君は、本当に子供ですか?」思わず問い掛けた程の引 っ張りようで、俺に選択肢は無く、最前列へと座った「なぁ 青っぱな君 … ジェットコ ースターの最前列って、スリリング過ぎる って事知ってる?」正敏は何も言わず、ニ ッカリ笑って、ガチャン!シートベルトを締めたので、仕方なく俺もシートベルトを装着した 。ピッ!ピピッピー!!顔色の悪い係員がホイッスルを鳴らし、ジェットコ ースターは、ゆっくりと動き始めた。ガタンッガタンッ!キィッキー!!ガタン ッガンッ!キィッキーー!!「おいっ!ちょっ !待て!これ、音変だ!」俺は、キィッキ ー !!と鳴る、奇妙な音が気になり、声を張り上げたが、時既に遅し… ジェットコースターは、止まる事なく、頂点目指し進んでいた。嫌な予感は的中し、後ろからガラガラと、何かが、崩れ落ちる音が聞こえる 、振り変えると、今進んで来た、ジェットコースタ ーの線路が、バラバラと崩れ落ちている「青っぱな!!」俺は正敏を庇おうと、横の席に覆い被さった「 アラァ~♪懐カシイ… 男ノ匂イ… クック ッ ! 」俺の横に、座った筈の正敏の姿は無く、変わりに 、真っ赤なドレスを着て、爪は、赤く血で染まり、目玉は、ビロ~ンと飛び出して、肉片を貼り付けて、パッチワークにしたような頬の上で、プラン~プラン~と揺れ遊ぶ、血だらけの女が、不気味な色気で、ニヤ ッ !と笑った「うわっ!誰 っ !ヤバイよ っ!怖過ぎー!」背筋が凍り過ぎて、麻痺しそうな俺は、驚きで、鼻水と涙が同時に流れ、座席から飛び上がった。真っ赤な女は 、ケッケケ!クックッ!ケタケタッ!不気味過ぎる声で笑った、俺は必至に、知 っている限りの、経を叫んだ「南無阿弥陀仏 !南無妙法蓮華経!観音様ー!お釈迦様 ー !サムハラ!サムハラ!サムハラー!!うわ ぁ!!誰か助けてくれ ぇ ー !!ヤバ過 ぃ ー!!」ピタッと、一瞬、時が止まったような気がした。 ガタンッ!!とジェットコ ースターは右に大きく傾き、キキキキ ィ ー ! キィー!!凄まじい音と共に、ガクン ッ!!膝が、折れるような衝撃が、躰を貫き、俺は、目を覚ました。呆然とする俺の耳に、アナウンスが響き「お客様にご連絡致します。当列車は人身事故発生の為 、只今列車を急停車致しました。出発の目処は立っておりません。 繰返します…」列車に乗っていた乗客は、俺も含め、列車を降りるよう、駅員に指示を受けた「 キャー !!嫌 ー !!」俺より先に、列車から降りた女性が、両手で顔を覆い、悲鳴を上げた直後に腰が抜けたのか、ス ゥ ーッと滑るように崩れ落ち、グッタリしたまま泡を吹き 、気を失 った。駅員が女性に駆け寄り、声を掛けていたが、反応がない、崩れた女性の足元に転がる、血だらけの丸い目玉 … 俺は、ジェットコースターの赤いドレスの女を思い出し、吐き気をもよおし、思わず掌で口元を覆った。隣のホームから、奇声が聞こえ「ケェケェケェケェ!ケタケタ ッ! ゲラゲラッ!コンナ~女ニ~誰ガシタ~♪憎イ! 憎イ!ドイツモコイツモ!死ネェー !!」奇声は辺りに響き渡り 、自然と俺の目線が動く、夢の中の遊園地で見たのとソ ックリな、真っ赤なドレスを着た女が、酔 っているのか、狂っているのか、奇声を上げながら、フラフラとホームを歩いていた 。真っ赤なドレスの女は、向かいのホームに立つ俺を見て、ニヤッ!と確かに笑った 。向かいのホームには、特急列車が近づいていると、構内アナウンスが流れた。特急列車は、通常、この駅には止まらない。女は、俺を見つめたまま「ケタケタッ!ゲラゲラ ッ!」笑いながら、ホ ームを通過する特急列車に身を投じた … 皆が見ていた … ホ ームに居た駅員も客も … 特急列車の運転手にも見えたのだろう、列車は急停車し、駅員達は 、彼方も此方もと動き廻る「今日は何なんだ!一体 !」何人かの駅員が、苛立ち 、言葉を漏らした 。俺は、具合が悪くなり、目線を落とし俯いた「 うっ…!」ギザギザに破れた、赤いスカート、千切れて転がる肉片、棒のように固まっているのか、片足らしきものが、列車と線路の隙間から覗いて見えた。俺は、駅員に見た物を告げ 、気持ち悪さを静める為、足早にホームを後にした。 どちらにしても、列車が動かなければ、実家には戻れない 。駅の中央窓口前の、ベンチに腰掛け、俺は懸命に頭の中を整理し、気持ち悪さを静める努力をした 。ザワザワと向かいのホ ームから、列車を降りた乗客達が、駅の出入口へと向かって来た「だって見たでしょ?赤いドレスの女の人 ! 飛び込んだでし ょ ? 」「あぁ確かに … 」「皆見てたのに… 何事も無いって…ねぇ どう言う事 ? 」「だから!俺にだって解らない!」カップルらしき男女は、何やら揉めながら、駅を出ていった 。他の乗客達も納得の行かない表情で、カップルと同じような話をしていた。急停車した向かいのホ ームの列車は、何事も無かったとのアナウンスが流れ、15分後に運転が再開された「一体、何がどうなっているんだ…」俺は、溜め息混じりで呟き、フリ ーズした思考回路を何とか繋げようと、窓口の横に立つ自販機で、微糖の缶コ ーヒーを買うとゴクン ッ!と喉に流し込んだ。待てよ… 裏野ドリームランド… あれは… 夢で○(マル)だな、走り疲れて列車で寝たんだから…で っ 、今、人身事故で列車が止まっているのは … 現実で○ (マル)だよな… 俺 、今、駅に居るし… 問題は、向かいのホームの件だよな 、赤いドレスの女が、特急列車に飛び込んだ… 見た筈の人身事故が、現実では起きていない… にも関わらず、俺も含め、目撃者が多数 … 幻か … ? 待て待て… 何か繋がっている気がするな … 裏野ドリームランドの怪 って … 確か… 一つめは、子供が居なくなるだったな …二つ目は …ジェットコースターでの事故だ!!だけど、誰に聞いても、事故原因が解らないんだったな… 皆バラバラで、違う事を言うらしいという話だった … 子供が居なくなるは、青っぱな正敏の事か ?ジェットコースタ ーの事故は、赤いドレスの女の身投げが原因 ? 俺の夢と … リンク?まさかだよな … そんな事あり得ないだろ、霊感とか俺には無縁だし、今迄、そんな経験した事もないし、 あぁ~も ぉ !面倒くせぇ!あっ… 悩むまえに、舞に電話しとくか、プルルプルル!「はい…あっ…お兄ちゃん ?」俺は舞に、事故で列車が止まってしまい、何時に着けるか解らないと告げた「うん… 解った … あっ!お兄ちゃん、病院なんだけど、駅前通りの守谷総合病院だからね… 」舞は、父さんの居る病院を俺に教え、俺は、着いたら直ぐに、病院に行く事を伝えて電話を切った。夢の遊園地で起きた事、現実に起きた事 … 考えれば考える程、頭痛がする 、思い出せば思い出す程、吐き気が強くなる「アホになりたい … 」思わず口にした言葉は、この時の俺の 、心からの願いでもあった。地元へと向かう列車は 、停車から1 時間 30 分を過ぎ、運転が再開された。俺は、考える事も、眠る事も 避けようと、必至に目を抉じ開けて、前の座席のヘッドレストをガン見していた 。目が、やたらと乾く…き っと、他の乗客から見た、今の俺は、目が血走り、危ない男に違いない … 自覚しながらも、自分を貫き、押し通し、無事に列車は地元の椹駅(サワラエキ)へと到着した。


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