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5話「余燼」後編

この作品に興味を持っていただきありがとうございます!

第5話後編です!

 ボス部屋に入ってから、もう2人も殺されてしまった

 これ以上犠牲者を出したくねぇ

 だから俺はヴェインの前に立ち守ることに専念する

「この場にいる火属性ハンター!この部屋の酸素、燃やし尽くすぞ!」

 火属性ハンターが声を上げる

「は、はい!」

「分かりました!」

 マスターを含めないと……2人か

 1人は剣を前に構え、もう1人は弓を目一杯引き絞る

「出来るだけサラマンダーに炎を使わせろ!」

 マスターが指示を出した

 そういうマスターも大剣に赤い炎を纏わせる

火来閃(ひらいせん)!」

 マスターが大剣を振り下ろすと赤い炎が斬撃となり

 サラマンダーに飛んでいった

 マスターの攻撃に合わせ他2人の火魔法も飛んでいく

 ボシュッ

「うそ!」

 3人が火魔法を撃ったのにもかかわらず

 サラマンダーの体には傷がほぼついていなかった

「鱗かっった!」

 それに剣を使っていた火属性ハンターも驚きのあまり呟く

 硬いだって?

 そいつ鱗までカッチカチなのかよ

 どこが弱点なんだ?

 それとも火に耐性があるだけなのか?

 攻撃がほぼ効いていない事を目の当たりにし

 マスターを除く火属性ハンターがか固まる

「どうするんですかこれ!全然効きません!」

 するとサラマンダーがまたもや紫炎(しえん)を吹く

 ボウゥゥゥ

 先程より広範囲に吹かれた

 サラマンダーの前方がほぼ全部、火の海になる

 その範囲にはさっき1人ハンターがいたはず

 剣を使っていた火属性ハンターだ

 パリンッ

「ぐっ」

 サラマンダーの近くにいたから、逃げ遅れてしまったみたいだ

 紫炎(しえん)の火力に耐えきれず、バリアが割れた

 また1人やられた……

 ヴェインは大丈夫か?

 俺は振り向き、ヴェインの顔を見る

「すみません!すみません……」

 ヴェインは涙をボロボロと流し、ただ謝る

 辛いよな、自分のせいと思ってもおかしくない

 ヴェインが泣いているのを気づいたマスターが諭す

「懺悔なら後でしろ!今謝ったところで何も良い方向には行かない!」

「……そうだぞヴェイン、今は生き残らないと」

 マスターと俺の言葉が届いたのか

 ヴェインは

「……わかったよ」

 と涙を袖で拭き、またバリアに集中しだした

 返事を聞いたマスターは皆にお願いをする

「俺が大技をだす!その間、サラマンダーの気を引いててくれないか!」

「分かりました!」

「承知しましたわ」

 そのお願いに、俺とマスター、ヴェインを除き全員が

 サラマンダーの周りをちょこまかと行き交う

 皆がサラマンダーの気を引いている

 ふと、マスターを見ると目を瞑りすごく険しい顔をしていた

 どれくらいかかるだろうか

 何をするつもりだろうか

「なんとしても倒さないと!」

 火を纏わせた矢を射る

「これでも食らえ!」

 火矢が当たると同時に氷の槍が同じ場所に当たる

 ギャァァァ

 え?効いた?

「少しは効いた!」

「そうみたいだな!」

 2人のハンターが向き合い喜ぶ

 だが、気を引きすぎたのだろう

 そこに向けて紫炎(しえん)を吹こうとするサラマンダー

 マズい!

「逃げろ!」

「え?」

「やだ!」

 バリンッ

 その2人のバリアが意図も簡単に割れ、攻撃をもろに食らった

 至近距離だったからだろう

 燃やされてしまった

「っ……」

 惨さのあまり俺は反射的に目を瞑る

 もう5人もやられた……守りたかった

 けどここから離れたら全員が死んでもおかしくない

 離れたくても離れられない

 目の前で起こることを、ただ見てることしかできないなんて

「なに?これ」

 誰かが言う

 なんだ?と思い俺は目を開けた

 目の前には部屋いっぱいの空中に揺蕩う粉

「黄色い……粉?」

 浮遊する粉を眺めていると、マスターが呟いた

「丁度良い」

 そう言った気がする

 すると俺らの方に振り向き

「あとは頼んだ」

 とも言った

 何をするつもり……まさか

大海炎(だいかえん)!」

 サラマンダーがマスターに気付いたのか紫炎(しえん)を吹く

 マスターも、炎を纏った大剣を振り下ろし押し返そうとする

 マスターも必死の攻撃なのだから……

「うぉぉぉぉぉ!」

 マスターの炎が蒼に変わる

 蒼に変わった?

 限界点を越えるつもりか?!

 けどそれじゃぁ、勝っても負けてもマスターが燃やされちまう!

「マスター、死ぬつもりじゃ!」

 後ろでヴェインが言う

 俺と同じ考えみたいだな

 マスターが死ぬ、俺らを守るために……

 お礼、言わないと

「これまで……ありがとうな、マスター」

 次の瞬間、大爆発が起きた

 ヤバい!そう思い俺は自身とヴェインを風で覆う

 もしかしたらヴェインのバリアが割れるかもしれねぇ

 集中できるように手を貸さねぇと!

 ドカァァァァン!

 何が起きた?粉にでも引火したのか?

 視界が風で覆われどうなったか見えない

 もう良いか?

 風を離散させる

 それでも視界は煙で一面白色だ

 そしてパチパチと音がする

 それとこの部屋に入ってきた時に聞いた耳障りな音

「なんも見えねぇ、ヴェイン!大丈夫か!」

「大丈夫!風で守ってくれたんだよね?ありがとう!」

 良かった、ヴェインは生きてるみたいだな

 他のやつらは……見えねぇ

 しばらくすると、白煙が薄れてきた

 目の前に広がるのは、パチパチと燃える瓦礫

 そして……動かないサラマンダー

 振り向くと扉が開いていた

 視界の端のヴェインが呟く

「これで……終わったの?」

 ボス……やったか?

 体から力が抜け膝から崩れ落ちる

 サラマンダーの吐息は、もう、聞こえない

「終わったのかしら……」

「生き残ったぞ!」

 1人が飛び跳ね、喜ぶ

「だけど、マスターが……」

 そうだ、マスターは?

 部屋の中を見渡す

 マスターの姿は……見えない

 くそっ、骨も残らねぇってのかよ……

「皆……マスターを追悼しよう、なにも持ち帰れないけど、感謝を」

 だな……お礼は言わないと

 皆疲れながらも、さっきまでマスターが立っていた所に行き

 頭を下げ一斉にお礼の言葉を述べた

「マスター、今までありがとうございました……」



「疲れた……な」

「……」

 ヴェインは沈黙している

 本当に、疲れた

 6人もここで死んでしまった

 今回のダンジョン攻略は、一体何人の死傷者が出てしまったのか

 あ、ヴェインは大丈夫か?

 ヴェインのせいではないとはいえ、3人、バリアが割れてしまった

「ヴェイン……大丈夫か?」

「うん……」

「あんなに大人数のバリアをやったことなかったんだ、それにあのボスが強すぎた、お前のせいじゃない……」

 ヴェインは、うん、うん、と頷くだけ

 相当やられてるな……

 皆緊張がとけたのか泣き出すものが現れた

「マスターが!うわぁぁん」

「泣かないでくれよ……」

 号泣する女性ハンターとそれを宥める男性ハンターがいた

 悲しいな……ハンターは全員マスターのお世話になってたんだ

 あの人がいなくなったら、酒場はどうなる?

 遺物もどうなる?

 けど今は、休みてぇ……休憩しよう……

この作品が面白い!続きが気になった!など思われましたら是非、評価やブックマークをお願い致します!

皆様の評価でモチベーションが上がり続きを書く力に繋がります!

(*´▽`)

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