第16話 メスガキを分からせる
ぐつぐつと湧き上がるなにか。
俺のズボンの汚れを足で拭き取る柏木さん。
そんな彼女の表情は軽蔑に満ちていた。
『雑魚♡』
というのはおそらくそういうことだろう。
目を合わせられない。
元の世界の記憶を持っている俺からしても、この状況は気まずい。
ましてや、この世界の男からしたらとんでもない犯罪。
それだけじゃない。
プライドが許さないのだ。
柏木さんに情けなくイかされてしまって、俺は為す術がなかった。
だから、気づいた時には――
《《俺は柏木さんを押し倒していた》》。
「…………」
柏木さんは何も喋らない。
でも、俺は止まらない。
おそるおそるとした手つきで柏木さんの太ももを揉んでみる。
「…………」
しかし、柏木さんは依然として喋らない。
まるで俺に負けたくないかのように口を噤んでいる。
少しだけ手を移動させる。
柏木さんの脚の間、その奥へと。
熱い。
柏木さんの太ももに挟まれている俺の手はとてつもなく熱く感じる。
それは彼女の体温だろうか。
それとも俺の焦りだろうか。
よく分からない。
正直これからなにをすればいいのか俺には分からない。
だから、俺は記憶(前世のエロマンガ)を漁ることにした。
しかし、どれも参考にならない。
というか、あれは創作物だし、一線越えてるから、俺の状況とは違う。
なにか、ないか。
そう思った俺はさっきの柏木さんの行動を思い出した。
そうだ。
俺には《《足》》がある。
これは決して怖気付いたとかじゃない。
手だと生々しいからちょっと嫌でもない。
俺は純粋に《《足》》で感じたいと思った。
「……?」
手を太ももの間から抜いた俺を、柏木さんは訝しむように見つめている。
だが、これが終わりだと思ったら大間違いだ。
俺は後ろに倒れ込んで、柏木さんの足首を両手で押さえ込む。
そして、足を、彼女の真ん中にある《《黒》》の一点へと伸ばした。
俺の好きな《《黒》》。
しかし、小野寺さんのパンツと違って、柏木さんのはまたレースを施されている可愛いやつだった。
柏木さんの脚の間を縫って進む俺の足。
すると、
「……ッ!!」
柏木さんは腰を仰け反らせ、腕で口を塞いだ。
ぐりぐりと強める俺の攻勢。
それに比例して激しくなっていく柏木さんの動き。
顔が離れてるからよく見えないが、確かに柏木さんの頬は赤くなっていた。
なんとも言えないような感覚が胸の内を駆け巡る。
「―――ッ!?」
しかも次の瞬間、柏木さんの太ももはまるで吸盤のように俺の足に吸い付いた。
あまりの圧迫に、俺は動悸を早める。
足を少し引いて、踏むように触れる。
「んぁっ……!」
柏木さんらしからぬ可愛い声が漏れた。
ますます興奮した俺は、柏木さんの両足を抑える手に力を入れる。
そして、足の指の間に自分の指を捻り込む。
足と手の恋人繋ぎ、とでもいうべきか。
俺の指は柏木さんの足の指に押されていく。
ここから覗ける柏木さんの足の裏のシワはとても美しい。
俺は今クラス一の美少女の足を握っているんだ。
そう思うと下腹部を快感が突き抜けた。
「あれ?」
なんか足の先が湿っぽい。
確認しようと足を抜こうとした瞬間。
柏木さんの太ももに力が込められた。
その結果、俺は身動ぎできずにいる。
こころなしか、俺の指を挟む柏木さんの足の指も、圧力が強くなっていってる気がする。
「イったの? 柏木さん」
「…………」
しかし、柏木さんは相変わらず喋らない。
表情も腕に隠れて見えないのだ。
白雪さんほどではないが、透き通るような柏木さんの脚。
赤く膨らんだ足の裏。
それを再確認したとき、俺の血は滾った。
もはや退路はない。
俺は足の指を無造作に動かした。
「ひぃ……っ!!」
柏木さんの声は鋭くなっていく。
身体が小刻みに動き出す。
「はぁはぁ……」
俺が足の動きを止めると、肩で息をする柏木さん。
さっきまでの余裕はどこへやら。
今の柏木さんはただの女の子にしか見えない。
可愛いな。
この貞操逆転世界においても、女の子は可愛いほうがいいと思った。
「もう、終わりかしら……」
しばらく考えに耽っていると、柏木さんは頭を上げて、俺を睨んでいた。
「あ、あっ、その、はい……」
やはり、俺なんかが柏木さんに勝てるはずがなかったんだ。
その証拠に、柏木さんの表情が読めない。
笑うでもなく、怒るわけでもない。
ただ俺を見つめているだけ。
「そう……」
なぜか寂しそうにつぶやく柏木さん。
やはり俺では柏木さんを満足させられなかったんだ……。
しかし、そう思ったのもつかの間。
姿勢を正して、柏木さんは体育座りになる。
そして、
「あむ……んんっ……」
靴下越しに俺の足を口に含んだ。
「な、なにしてるの!? 柏木さん!」
「これが私を負かした綾人くんの《《足》》なのね……」
一旦口を離して、俺の靴下を脱いだ柏木さんは今度は丁寧に俺の足の指を舐っていく。
「もう、綾人くんの足なしでは生きていけない、かもね」
「ええ、それってどういう――」
「こういうこと……あん……」
足の指をそれぞれ一通り舐めたあと、柏木さんは俺の足の親指をしゃぶり上げた。
じゅるじゅると、いやらしい水音が部屋中に響き渡る。
「ねぇ、綾人くん」
「な、なに?」
「……今日は私の負けよ」
「つ、つまり……?」
「メスブタ、だっけ?」
こくり、と。
喉を鳴らす。
「ごしゅじんさまわたしまけまひたぁぁぁ♡」
心臓が信じられないほど跳ねた。
まるで柏木さんの声に脳を支配されているかのようだった。
だから、この時の俺は――
小野寺さんという《《女の子》》の存在を忘れていたのだった。
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