第31話 実戦訓練 霧と星と未来
こんにちは 初めまして
本作を開いてくださりありがとうございます
是非最後まで読んでくださると幸いです
〜一方でアースディーとグロリア、レナイトは〜
(こいつと訓練か、レナイト様もお気の毒に)
永守のやつに女王グロリアと、レナイトに訓練をつけることになった、が
「俺たち二人共、元素系使えねぇんだよな」
俺は身体強化と、補助系しか使えない、グロリアは確か
「私も元素系は使えぬからな、強化や補助と言ったものなら教えられるが」
ルナをこっちに寄越してくれれば、と思ったが、そういやあいつもまだ使えるようになってちょっと
とか言ってたか、
「仕方ない、俺もお前も教えられるって言うと、魔力操作くらいだろう」
「そうだな、基礎中の基礎だが、私達と同レベル、それか近しいレベルまで行けば、自ずと強くなろう」
方針は決まった、沈黙も気まずいし、歩きながら近況を聞く
「最近はどうだ、エルフたちの排外的な意識は」
「わかっておろう? 私自身がまだ恨みを持ってるのだ、新たな世代の子は毒されずに済んできているが、エルフは人間よりも長生きだ、まだそうそう消えはしないだろう」
「そうかよ、ならなんで俺たちを助けた? 殺しても良かっただろう? 」
そう聞くと、大きなため息を着く
「阿呆が、そんなことをしてみろ、守りたいこの村が、森がどうなるか、私怨で国に不益をもたらすような暴君ではないぞ」
「そりゃよかった、前みたく、無理やりにこじ開けることになっていたら、また3日動けなくなるところだった」
前の二度のうち、一度目は破ると同時に、自身も三日間動けなくなった
その時、エルフの狩人が、俺を仕留めに来たが、何故かその時もこいつは自身の魔法を使って、狩人を迷わせた
「なぁ、一回目はなんで狩人たちも迷わせたんだ? 」
「私が負けたんだ、そこに横槍を入れられ、卑怯な女王と語られてみろ、エルフ全体の恥となる」
ーーそうか、そりゃそうだよな
「では訓練を始めよう、レナイト嬢」
そういうと、グロリアはナイフをレナイト様に投げ渡した
「レナイト嬢は、回復魔法は上位まで使えると聞いている、まずはそこから見てみよう」
「なっお前、自分を切って見せてみろってことか? 」
そういい躊躇ってるうちに、レナイト様は自身の腕を軽く切り、即座にその傷を治してみせる
「"絶対治癒"」
上位の最高位回復魔法、ここまで習得してるのか、王女様も名ばかりではないらしい
「足りないな」
「えっ」
グロリアがつぶやく、それもそのはず、こいつも同じ上位の治癒と、同レベルの身体強化
神術に関しては看破と補助が使える、どれも魔力操作の精密さが要求される
「人を一人直すのに、そんなだいそれたものを使うのか? 無駄遣いだぞレナイト嬢」
そういい、グロリアが杖を出す
「よく見ておけ、魔力操作を極めれば、もっと大勢を救える」
地面に魔力が走る、緑色の円陣が組まれ、やがて昨日の筋肉痛やらが一瞬にして回復していく
「"聖域の施し"」
広域に治癒の魔力を張り巡らせる、エルフの森が発端の治癒魔法、範囲内の者に対し、上位レベルの治癒効果を与える物
「こんな魔法が」
「元々、魔法はエルフや妖精達のものだ、人間たちの間で伝え聞くのは、それらを人が使えるように改造したものに過ぎん」
少し落ち込むレナイト様、無理もないが
「ここまでといかずとも、近づけるようにするんだろ? グロリア」
「そうだ、僅かでもこの領域に指が触れれば、試験は余裕だろう」
「何からすれば? 」
意欲的なレナイト様、まぁまずは
「魔力操作からだな」
目を丸くするレナイト様、それもそうだ、魔力操作は子供の頃に教わる基礎中の基礎、七歳の子がやる訓練を今からやろうと言ったようなものだ
「言っておくが、人間たちがその魔力操作にかける時間が、子供の頃数年、エルフは十数年間からそれ以上の時間を魔力操作の訓練に当てる、魔法は本来、その先にある極意なのだ」
そういいながら、グロリアは自身の魔力を、魔法を使う時のようにコントロールする
「お前もやれ、できるであろう? お前なら」
やれやれ、そう言われこちらも魔力を操作する
「レナイト様、俺たちの魔力見てください」
ーー そう言われ魔力を見ると、巨大な炎のような魔力が、天まで登る、揺らめく水のようだった
「巨大で、しかし綺麗としか」
「そうだな、なら今度はレナイト、いつも魔法使う時見たくコントロールしてください」
そう言われ、魔力を放出し、それをコントロールする
「私のはそんなに大きくありませんよ? 」
ふむふむ、とじーっと見られる、恥ずかしいが、真剣な訓練なので、顔が赤くなりそうなのを押し殺す
「やっぱりな、今のレナイト様の魔力はこんな感じなんだ」
そういうと、アースディーさんの魔力が先程よりも大きく揺らめき、炎のように火花を散らすように、先端から魔力が離れていく
「わかるか? レナイト嬢、無駄に魔力が飛散してしまっているのだ、これがあるから我々エルフは、これを限りなくゼロに近づけようと、そちらにとっての長い時間をかけるのだ」
「流石エルフですね、私には到底」
落ち込んだままのレナイト様を見て、流石に気まずくなったのだろう、グロリアが励ます、珍しいな
「やりようは幾らでもある、それに人の子の中でもレナイト嬢、あなたは子供だろ? なら今の実力でも十分才があると言える、それなりにはなるさ、後は貴女次第だ」
「まぁ地道にだ、周りが強いのもわかるがな、それはそれ、これはこれだ」
「そうですね、ありがとうございます」
「うむ、ではまずは魔力が離れないようにする訓練だ」
グロリアがそういうと、使いが敷物を持ってくる
「常に魔力を放出し、それでいて一滴も離すな、離す度に交代で注意しよう」
「魔法ではないのですか? 」
「それができて初めて魔法に移るのだ、先も言っただろう、魔法はいずれにしろ魔力操作、その極意なのだ」
グロリア様が座ると、その魔力は先程よりも大きく、しかし揺らぎはなく、ただ天に伸びる光のごとく循環していた
「やってみな、注意は俺がやる、気楽に、けど真剣にな」
そう言われ、座るがコツがわからず難儀する
「よく人は魔力を単なるエネルギーと呼ぶ、だが厳密には空気よりも重いひとつの個なのだ、まずはそう理解し、纏え」
そう言われるが、なかなか掴めず、やはり散ってしまう
「最初は難しいさ」
~~~~~~~~
何時間経ったか分からない、けれどようやく注意の魔力弾が飛んでこなくなった
「掴めてきたか、とはいえまだ揺らいじゃいるが、離さなくはなってきたな」
「早いな、やはり人間は」
二人の褒め言葉に、思わず気が緩む
「「気を抜くな」」
二人からまた小さい魔力弾が飛ばされる
「いたっ!」
口元が緩んだのはわかっていた、けどこの位は許してくれても...
「一先ず掴めてきたな、この辺にしよう、昼ごはんもあるのだ」
「三人もそろそろ終わってる頃だろう、待つか」
アースディーさんはそういい、草むらに寝そべる、緑の空、指す光を優しく見つめていた
「そういえば、レナイト嬢は他になんの魔法が行使可能だ? 」
「風と水です、まだ中位ですけど」
「そうか、その歳でそれだけできるのだ、やはり才はある、こちらでその魔法の適性を持つ使い手を今度から呼んで教えよう、元素系はそのものに、魔力操作や実戦は私たちが教えようか」
そういえば、この方の魔法はなんというのだろうか、固有魔法には必ず名前が付き、それは極めれば上位どころか、神術と同等だと、本で読んだことありますけど
「グロリア様、貴女の魔法はなんという魔法なのですか? 」
そういうと、少し悩んだ顔をし、教えてくれる
「ふむ、性質は難しいのだが、その名を"永遠に届かぬ聖杯"、神託はそう語った」
「私にも、いつか固有魔法が宿ったりするのでしょうか? 」
苦い顔をする、役に立ちたい、固有魔法の使い手にはまだ二人しか会ったことないですけど、それでも恐ろしく強く、頼もしい方たちでした、そんな彼らにあるものが、私にも宿らないか、そんな希望を口にする
「あれは本来先天性のもの、言うなれば天性の才能と運だ、今ないのであれば可能性は極わずかだ」
「そうですよね、やっぱり、」
「最後まで聞くものだ、極わずかであり、例外がある」
自分でもわかる、ないとわかっていた可能性を提示されてしまって、期待感が胸を打つ
「二代前の勇者だ、あいつはなかったはずの固有魔法が、15歳で発現した」
「何故なんでしょうか」
"固有魔法には、一つ説がある、それは才能もそうだが、それ以上に魂の輪郭がより強く保たれる者に宿ると言う論がある、固有魔法はいわゆる、そのものの気質や性格が、他者と違い異質なものであり、それが媒体となり魔力を通されることで、魔法に限りなく近い術として顕現する、そんな仮説が過去に挙げられた"
「しかしこの仮説も、あまり広まらなかったな、そも魂の輪郭、その知覚がまだ人間にはできていないし、我々だってそこまで進んではいない、この辺はそれこそ神頼みですらあるのだ」
「しかしこの仮説が正しければ、つまり魂の成長や、その性質をより強く感じ、固めること、強固にすることにょて、それ本体が魔法で言う"方陣"の役割を果たすことになるのだ」
方陣がなければ、無論魔法は使えない、だが方陣さえあれば、魔力を通すだけで魔法がそこに現れる、魂が強固になり鮮明になれば、それが方陣になりうる、ということなのでしょうか
「頑張ることだ、例外なんてものは時間がかかればいくらでも現れる、人間の時間は早い、今現れたっておかしくはない、こういう言葉は好きではないがな、"諦めは、短い時を生きる"人"にとって、最大の無駄であり罪だ"」
「はい、頑張ります、これからしばらくお願いしますね、グロリア様」
「精々、この長い時間の短き時、退屈にさせるな」
いつか、いつか必ず固有魔法だけじゃなく、強くなってみせます、永守さんたちを追いかける今じゃなく、いつか隣を歩けるように。
本作を開いてくださりありがとうございました
固有魔法について
固有魔法の保持者は元素的魔法は使えないことになっています、また固有魔法自体は方陣を介すことなく魔法を行使することができます
これは固有魔法の方陣は世界の認識を自己で曲げてしまえるほど、強い魂を持ったものであるから、魂が方陣の役割を果たしています
才能が大部分を占めるのは、現実をそうとしか捉えられないか否か、そこはやはり環境と才能によるからですね
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました、次回も是非読みに来てください




