502【ゴウヨーク国への帰還】
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昨日(2025/08/23)は、更新できませんでした。毎日の更新を楽しみにしていてくださった読者様、申し訳ございませんでしたm(_ _)m
2話連続投稿します(1話目)
翌日。
この旅の中では、静かに休めた。
不寝番は必要だったが、魔獣の襲撃に悩まされることがなかったからだ。
オレたちまで、魔獣の襲撃は届かなかったのだ。
そう、襲撃してきた魔獣は、すべてバステトが仕留め吸収していた。
吸収するエリアは、オレたちからは離れているため、オレたちが吸収されることはなかった。
それは事前に知らされていたが、安心するつもりは誰にもなかった。
朝食を軽く摂り、ワイバーンの背に乗るオレたち。
「バステト」と声を掛ける。オレはまだ乗っていない。「ゆうべ、話したとおりだ」
「わかった。私は、冒険者たちを待つ」
「オレは、今後、来れるかはわからない」
「わかっている。仲介してくれて、感謝する」
「いいさ。その代わり、魔法陣は使わないでくれよ」
「約束する」
お互いにうなずき、オレはフレックスのうしろに跨った。
オレが落ち着くのを待って、すべてのワイバーンが飛び立った。
地上のバステトを見やる。
彼女は、ジッとこちらを見上げている。
ワイバーンは、二度ほど螺旋上昇したのち、ゴウヨーク国へと進路を取った。
数日後、ゴウヨーク国王都郊外に到着した。
事前に知らせていたので、王城からの迎えの馬車が待っていた。
ワイバーンの世話にふたりを残し、オレたちはその馬車で、王城に向かった。
オレたちは、謁見の間ではなく、執務室に通された。
執務室には、ジョージと宰相殿のふたり。
すぐにソファーに促され、メイドがお茶を淹れてくれ、彼女は執務室をあとにした。
「疲れているところ、すまないが、どうだったか」とジョージが口を開いた。
それに答えたのは、ロング。
「無事に終わった」
彼は懐から、書簡を出して、宰相殿に渡した。宰相殿が改める。確認すると、ジョージに渡した。ジョージも改めるとうなずいた。
「ご苦労だった。して、アイーシャ嬢に関しては?」
「承認された。婚約者候補方との友誼も結べた」
「それは良かった」
宰相殿とともに、ホッとするジョージ。
宰相殿がお茶に口を付ける。
みなが、お茶を飲んで、フーッとひと息つく。
「ダンジョンには寄ったか?」
ジョージはオレを見てそう問う。
「ああ。外見と周辺は、こんな感じだったよ」
オレはアイテムボックスから、事前に描いておいた植物紙のイラストをテーブルに出す。
ジョージと宰相殿が覗き込む。
「小山?」
「それの形状はこうだ」
次に出したのも植物紙のイラスト。上からのと横からの図。
「建造物、ですか?」と宰相殿。
「ええ。大きさは小山と言ってもいいでしょうね」
「まわりは?」とジョージ。「これだと、何もないようだが」
「その建造物のまわりは、石畳だよ。真っ平ら。東にひとつ像がある。獣の身体に、人の頭部が載っている」
「なんだ、それは」
「なんだろうな。それに向かって、建造物は口を開いている。つまり、東に向かってだ」
「入ってみたか?」
「オレが? 入るわけないだろう、護衛任務中なんだから」
「それもそうだな。だが、入り口くらい、覗いたであろう」
「入り口は覗かなかったよ。代わりに像を見た。意味のわからない文字のようなものが彫られていたよ」
「サブでも読めないのか」
「どうやら、それらしく見せているだけみたいだな。色が付いていて、それなりに見えるから」
実は、オレたちは事前に、ピラミッドやバステトのことは、口外無用と決めていた。それで話せる範囲を決めておいたのだ。
ロングによると、ダンジョンから魔獣が、外に出てくるケースはほぼない、とのこと。
バステトによると、敷地内であれば、出てこられるそうだ。魔力が及ぶ範囲だからと。逆に言えば、それだけの魔力をダンジョン・コアは持っている、ということだ。
とにかく、内密にしたのは、ピラミッドがあまりにも特異なダンジョンだからだ。それに中身を持たないダンジョンと知れたら、誰が踏破しようと思うだろう。という話になったのだ。
それで内密にした。
「ほかにわかったことは?」
「ひと晩、野宿した。魔獣はふつうに襲ってきたよ。ウルフ、オーク、オーガだったがな」これは本当。「特別に強いとかではなくて、ふつうのレベルだった」
これも本当だ。やっつけたのは、バステトだが。
「ほかには?」
「そうだな。ダンジョンまでの道がない」
「そこは想定していた。複数の拠点を築いて行くことになる。そのための職人を集めてある。スタンピードは?」
それにはスティールが答える。
「スタンピードは収まり、現在、街道の調査が行なわれています。今のところ、異常はございません」
「それは良かった」
そのあと、アイーシャ嬢の話をして、解散となった。
オレたちは、王城をあとにして、ジョージ邸へと送迎された。
ジョージ邸では、シャーラちゃんが出迎えてくれた。さらに洗練されたようで、仕草が自然だ。メイドさんたちが手伝って鍛えてくれたのかも。
軽くお茶をすると、アイーシャ嬢は自分の屋敷へと帰っていった。
オレたちは、それぞれの部屋に入り、身嗜みを整える。
なぜなら、ジョージとの晩餐があるからだ。もちろん、堅苦しい場というわけではない。とはいえ、旅の汚れくらいは取らないと、失礼に当たる。気分も変えたいし。
晩餐は、我々の旅路のようすを話して聞かせる。晩餐を終えて、軽くお茶休憩。
疲れているだろう、とジョージの言葉で解散。
席を立ったオレたちに、ジョージが追加する。
「明日は、謁見せねばならぬ。何、報告をほかの臣下に聞かせる必要があるのでな」
まぁ、それは仕方ないことと諦めよう。
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