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80 カエルに小便

 コウスケは先生にたのまれて、学校の帰りに、クラスメイトのマモルくんとミユキちゃんの家に行くことになりました。

 風邪で休んだ二人に連絡帳を見せるのです。

 その連絡帳には、先生が黒板に書いた明日の行事や宿題のことが写されていました。

 帰りの道順から、コウスケは先にマモルくんの家に寄りました。

 玄関のチャイムを鳴らすと、マモルくんが元気な顔で玄関に出てきました。

 風邪はずいぶんよくなっているみたいです。

「これ、連絡帳」

「ありがとうな」

 マモルくんもよくわかっています。

 学校を休んだときは、家の近いマモルくんとは、これまでも連絡帳を見せあっていたのです。

「すぐに写すんで、待っててな」

 連絡帳を受け取ったマモルくんは、自分の部屋へともどっていきました。

 マモルくんとはクラス一番の仲良し。

 コウスケもマモルくんの部屋に上がりこんで遊びたいところですが、今日ばかりは風邪がうつるといけないのでがまんです。

 五分もしないうち、マモルくんが連絡帳を手にもどってきました。

「明日は学校に行けるんで、いっしょに遊ぼうな」

「うん、待ってるからな」

 コウスケは手を振ってバイバイをしてから、今度はミユキちゃんの家へと向かいました。

 ミユキちゃんは男子のあこがれのまと。

 コウスケもずっと前から、ミユキちゃんのことを心ひそかに思っていたのでした。


 ミユキちゃんの家に着きました。

 玄関のチャイムを鳴らすと、ミユキちゃんではなくお母さんが出てきました。

「これ、連絡帳です」

 コウスケは連絡帳をお母さんに渡しました。

「ありがとう、コウスケくん。ミユキ、まだ熱が下がらなくて寝てるのよ。すぐに写させるから、ここでちょっと待っててね」

 連絡帳はミユキちゃんとも見せあっていたので、お母さんもよくわかっているのでした。

 ミユキちゃんの顔が見られません。

 明日も会えるかわかりません。

 コウスケは残念でたまりませんでした。

 五分ほどしてから、赤いほっぺをしたミユキちゃんが玄関に出てきました。

「まだ熱が下がらないんだって?」

 コウスケは心配で声をかけました。

「お待たせ!」

 ミユキちゃんが手にした連絡帳で、いきなりコウスケの頭をひっぱたきました。

「えっ?」

 コウスケはもうびっくりです。

 感謝はされても、たたかれる理由なんてひとつもないのです。

「じゃあね」

 ミユキちゃんはそれだけ言い残し、すたすたと部屋の奥へと消えてしまいました。

 コウスケはわけがわからず、そんなミユキちゃんのうしろ姿を見送ったのでした。


 家に帰ったコウスケ。

 連絡帳を開いてもう一度びっくりしました。

 それにはコウスケが書いた下に、マモルくんの字でこんなことが書かれてあったのです。

 家の近くの田んぼにカエルがいっぱいいるんだ。

 明日そこに行って、二人でカエルにオシッコのかけっこをしような。それと、どちらが遠くまで飛ぶか競争しような。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 女子は誘われたくない遊びですね。ミユキちゃんがコウスケをどう思っていたかは不明ですが、幻滅されていそうです。 農業用水とかに登下校の男の子が立ちションする光景、街中だとコンビニもありますし…
[良い点] 頭を叩かれたのはミユキちゃんが、コウスケに無関心ではなかったということで、無反応より良かったのではないでしょうか? それにしても子供の考えることは面白いですね。
[一言] ミユキちゃんとこから行けばよかったですね(>_<) なんとも残念な結果でした。 連絡帳を写す。小学生のころ、欠席した人たちには 連絡帳の内容をお手紙に書いて、給食のパンと一緒に届けてました…
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