特別:ナキアとあくまと。
※この話は18話から19話の間に起きた出来事であり
45話ではありません。
―テータの家リビング内
「ねーねー、はーやーくー!」
ナキアは寝癖をつけてるテータを急かすようにリビングにあるソファの上でドタバタと暴れてる。
「遅刻しねーって、大丈夫だよ」
そう言いながらテータは欠伸をしながら、ゆっくりとパンを焼いていた。
「ねー、いつもこうじゃん。来る時間だいたい同じなんだから制服を着るぐらい済ませておきなよ!」
とナキアは顔をしかめっ面にしながらテータに対し苦言を呈した。
「チャイムが早いんだよ。7:30って」
テータはナキアに聞こえない程度に小さく呟いた。
「なんか言った?」
ナキアはソファから降りて、パンをフライパンで焼いてるテータの方に近づいた。
「ナンデモナイヨー」
テータは感情を虚無にしながらそう答えた。
ナキアはテータの顔の表情を汲み取るようにじーっと見つめた。
「ま、いいや!」
ナキアは見つめていた目線を違うところへと背けた。
「暇だしー、制服取ってきてあげる。どこ?」
ナキアは身体をダラダラさせながらテータに質問した。
「んー、部屋」
焼き目を確認しながらテータは答えた。
「アイアイサー!キャプテン!」
そう言いながら敬礼した後ナキアはテータの部屋のある階段を早足で駆け上って行った。
「さてさてーと仕方ないなぁー」
そう言いながらナキアはテータの部屋のドアを開けた。
その瞬間、目の前がピカっと光り始めた。
「うわぁ!」
ナキアは眩しい光に対して咄嗟に目を手で隠した。
「あれ、成功…したの?」
ナキアは光の先から幼い少年の声が聞こえ、手を目から外した。
そこは、どこかの森の小さな一角だと思われる場所でナキアの目の前には、10歳ぐらいの小さな男の子が黒いぶかぶかなフードコートを着こなしながらそこに立っていた。
「ここはどこだろ…。」
ナキアがそう呟くと
「公園の端だよ!」
と幼い子はナキアに答えてくれた。
「…ここで何をしてたのかな?小さい僕ちゃん」
ナキアは背を屈ませて子供と目線を合わせながら優しく質問をした。
「ぼく、ここであくまをしょうかんしたくて、そしたらお姉ちゃんがでてきて、」
少し、オドオドしながら子供はナキアに事情を話した。
「それで、お姉ちゃんはあくまなの?」
少し、幼い子は手を震わせながらナキアに質問をした。
「んー。まぁ一応?」
ナキアは笑顔で優しく微笑みながらそう答えた。
「まぁ、どっちかと言うとお姉ちゃんは悪魔とお友達かな?」
そう話すと、幼い子は目をキラキラさせながら口をあんぐりと開けた。
「すごいや!すごいや!お姉ちゃん!!」
幼い子はその場でめいいっぱいにジャンプしながら喜んでいた。
「お姉ちゃん、もし良かったらさ!僕にそのあくまちゃん見せて!」
キラキラした目で訴えてくる子に対し、ナキアは子供という愛くるしさに何故か、手元がゆっくりとGOATに近づいていき、我慢できず仮面を見せた。
「今はね、少しだけ眠っちゃってるんだけど、この中に悪魔ちゃんがいるんだよ。 あ、でもこれ内緒ね?」
そう言いながらナキアは人差し指を唇に立てて当てながら、シーっとポーズをした。
幼い子もポーズを真似した後に2回頷いた。
「ねね、この子ひつじ?」
禍々しい仮面に怯むことなく、幼い子は指でGOATを突つきながら質問した。
「どっちかと言うとヤギらしいよ?」
ナキアは以前テータがヤギと言ってたのを思い出してそう答えた。
「そっか、じゃあさお姉ちゃん。もうひとつ、わがまま言ってもいい?」
幼い子はモジモジしながらそう質問してきた。
「うんうん。良いよー」
ナキアは今の現状に違和感を全く抱くことを忘れて幼い子の話を聞くことにした。
「もし、良かったらその、あくまちゃんのかめんみたいなの、僕にもほしいなぁ…。」
多分、純粋に欲しいのだろうが、この仮面はどうやって出現するのか、どうやって作られてるのか分からないナキアはうーん。と困り顔をした。
「あ、あ、わがままだよね!ごめんね!」
幼い子は慌てて自分が困らせていることにタジタジとした。
「え、あ、いやいやお姉ちゃんも似てるようなものあげたいんだけどね!」
そう言いながらも予備の仮面など持ってる訳でもなくナキアもある訳がないのに自分の制服の中やポッケを探す動作をした。
その瞬間ナキアの頭にコツンと何かが落ちてきた。
「いたっ!」
ナキアは咄嗟に痛みに頭を抑えた。
「大丈夫??」
幼い子はナキアに近づき痛そうにするナキアの頭をなでなでと手で優しくした。
「あ、ありがとね!」
ナキアは今でも痛みで涙が出そうな程、ウルウルしてる目で幼い子へと目線をあげた。
「えへへ」
ありがとうと言われた事を嬉しそうに幼い子は後ろの自分の頭を撫でる仕草をした。
「ん、これ」
幼い子は多分ナキアの頭に落ちてきたものであろうものを拾った。
それは見るからにGOATに似ているほど禍々しいものだが、角はGOATほど出ておらず、目元もつり目に空いておらずむしろ、タレ目になっている。
「お姉ちゃん!これくれるの!?」
幼い子はルンルンに喜びながら周りを駆け回っていた。
ナキアはそんな行動を見て、頂戴なんて今更言えないと思い、仕方なくあげることにした。
「大切にするんだぞっ!」
そうナキアが言うと
「うん!!」
とめいいっぱいの笑顔で幼い子は答えた。
ナキアはハッと今の現状を思い出し登校時間をすぎてるかもしれないということに気づいた。
「やばっ!遅刻するかも!!どうしよー。」
「え?どうしたのお姉ちゃん、」
ワタワタとしてるナキアに幼い子は大事そうに仮面を持ちながら気にかけた。
「お姉ちゃんね、帰らないといけないの!でも帰り方わかんなくて」
そう語ると、ちょっと待ってと言わんばかりに幼い子はナキアの目の前に手のひらを広げる仕草をした後、黒いコートから【黒魔術の書】というものを引っ張り出し、黙々とページを開き始めた。
「お姉ちゃんさっきぼくにプレゼントくれたからそのおれい!」
そう言ってナキアの足元に手の平を向けて、黒魔術の書を見ながら幼い子は何語か分からない言葉でボソボソと呟き始めた。
その時、ナキアの足元が、ゆっくり光り始めた。
徐々にその光はナキアを包み込み、幼い子が読み終える頃には光とともにナキアの姿はそこにはなかった。
「テータ!テータ!帰るわよー!」
幼い子はお母さんのその声を聞いて、ナキアの居た足元に地面を削って作ったであろう自家製黒魔術の紋章を足で消して、お母さんの方へと走り去っていった。
「あー、またお父さんのコート着て…―」
「―い、 おーい!!ナキア!」
テータのその声でナキアはハッと目を覚ました。
「なんで僕の部屋の前で倒れてんだよ。まぁ、リビングに連れてきてやったけど」
そう言うテータはもう制服に着替えており、ナキアは自分が先程まで部屋の前にいたはずが、今はリビングのソファに横たわっていることに気づいた。
「あれ?寝てたのかも…。」
目元を擦りながらナキアはそう答えた。
「ほらな?7:30は早かったんだよ。」
そう言いながらテータは自家製のトーストをナキアの前に置いた。
「ちゃんと食え、時間あるし」
そう言う、テータの発言を聞いて咄嗟にナキアは、リビングにある時計を見た。
『7:50…。』
投稿までほぼ、30分以上あることにホッとした。
「どんな夢見てたんだ?」
テータはトースターを齧りながらナキアに質問をした。
「うーん。私と悪魔と子供の夢?」
「なんじゃそれ。」
ありくらげ。です
感想、ご質問受け付けております。
ストーリーに干渉しない程度の質問にはお答えします。
ではまた。




