In the luce

名門・星羅女子学園高等部に通う高校生たちの青春と恋愛を書いた切なく淡い物語


生徒会、副部活動、ダンス――それぞれの夢と期待、葛藤と思いが交錯するなかで、少女たちはすれ違いながらも、何かを信じて前へ進もうとする。




文武両道、非の打ち所のない完璧な生徒として知られる織谷梨々香（おりや・りりか）は、高等部1年の春を迎え部活動に精力的に取り組む日々を送っていた。
誰にでも優しく、常に周囲の期待に応える梨々香にはどこか近寄りがたい壁のようなものがあった。

そんな彼女の前に現れたのが、一条蘭（いちじょうらん）。
ダンスに命を懸けるその少女は、静かでミステリアスながら、自分の表現に一切の妥協を許さない情熱を秘めていた。
何かに突き動かされるように、梨々香は蘭に惹かれていく。
蘭もまた完璧を装いながら内面に孤独を抱える梨々香に誰にも見せない心を見つけ出す。


友情と恋愛のあいだで揺れる繊細な感情が、静かに、けれど確かに心を照らしていく。