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求めよ、さらば与えられん  作者: 尾崎諒馬
介錯を期待するのはやめて真相を語ろう……
62/71

密室トリックの前に叙述トリック

 ※とあるミステリーの真相について触れています。未読の方は先に進まないでください。


 

   密室トリックの前に叙述トリック

   

 神は嬉しそうに探偵に話始めた。

 

 あなたは確かに密室トリックを暴いているようですね。今の会話で確信しました。

 ということは叙述トリックにも気付いている、そうですよね?

 

「密室トリックの前に叙述トリック?」探偵が笑った。


 ええ、そうです。あのミステリーの中で、AIを駆使して、叙述トリックを暴こうとしているところがあるでしょう?

 

  AIの力を借りて読み返す尾崎凌駕


 この章で名探偵尾崎凌駕は、


 第四部の

  鹿野信吾の手記 2 に代えて、ある姉妹の会話

  水沼の手記 3


 の二つの章をAIに読み込ませて、

 

 叙述トリックが隠されているのですが、わかりますか?

 

 そう尋ねている!

 

「なるほど! しかしAIは叙述トリックを見つけられなかった!」


 ええ

 

 神も頷く。

 

 一応、

 

「俺=佐藤稔」という語り手の自己認識の曖昧さ


 それが一番の叙述トリックだとAIは回答しています。

 

 この「俺=佐藤稔」という俺は水沼=坂東善なのですが、水沼の手記は尾崎諒馬=鹿野信吾が書いた――つまり自作自演だったわけで、そう言う意味ではAIの指摘は正しいわけですが、それを以ってこのミステリーの核心たる叙述トリックとはいえないでしょう?

 

「そうですね。叙述トリックは確かに別にある。叙述トリックの解明にはAIは成功してはいない」探偵も嬉しそうに賛同する。


 名探偵尾崎凌駕は叙述トリックも見破っているのでしょう?

 

「ほう、何故? どうしてそう思うのです?」


 あなたは更にその次の……

 

  尾崎凌駕の手記

 

 で、

 

  ドロドロとした昼下がりの××ドラマ

 

 そういう章を書いている!

 

「ふーむ! 流石だ!」探偵は唸った。


 あのミステリーの

 

 第四部の

  鹿野信吾の手記 2 に代えて、ある姉妹の会話

  水沼の手記 3


 更に、

 

 尾崎凌駕の手記の

  ドロドロとした昼下がりの××ドラマ

 

 この三つの章をよく読めば、自ずと叙述トリックに気が付く!

 

 神はハッキリ言い切った。

 

「素晴らしい! 流石は神だ!」


 さあ、後は名探偵が真相を暴露するだけです!

 

「いや、その前に――」探偵は真剣な顔をした。「このミステリーは嘘で塗れています。その嘘のほとんどは正されてきましたが、まだ嘘のままの部分があります。それを作者=尾崎諒馬=鹿野信吾に正してもらわないと!」



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