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求めよ、さらば与えられん  作者: 尾崎諒馬
介錯を期待するのはやめて真相を語ろう……
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姉良美殺害について推理する探偵

 ※とあるミステリーの真相について触れています。未読の方は先に進まないでください。




   姉良美殺害について推理する探偵

   

 探偵は話始めた。

 

 あのミステリーはどうもオカシイのですよ。

 尾崎諒馬=鹿野信吾と水沼=坂東善の手記でのやりとりが……

 別荘での二つの殺人――母屋二階と離れの……

 

 良美ちゃんと近藤社長が殺された……

 

「被害者は勝男と旧姓祐天寺良美ですね。しかし――」神が口を挟む。


 まあ、その一つは殺人ではなく、事故死――うっかり瀉血処理を終えるのを失念していた――そういうことかもしれませんが……

 とにかく、ミステリーを進める上で、話の中心はその二つの事件だったはずですが、尾崎諒馬=鹿野信吾は「臍の横の手術痕は右か? 左か?」で水沼=坂東善を問い詰めることに執着している。

 小説上最大のポイント――本格ミステリーなのでそれは密室だったり、生首だったりするはずですが、読者をほっぽり出してね。

 まるで尾崎諒馬=鹿野信吾は別荘での事件より、水沼=坂東善を問い詰めることの方が遥かに重要だと考えているかのよう……

 

 彼は作者として何回か真相を語って物語を終えようとしていますが……

 

 尾崎諒馬=鹿野信吾による独白

 

 にも

 

 それが真相です…… 了

 

 にも

 

 私は水沼を憎んだ。

 良美を殺したのは近藤社長か水沼。

 近藤社長は死んでいる。

 殺し屋が始末してくれた。

 

 しかし、水沼は――

 

 それは私が何とかしないと……

 

 それでナタを手にした。

 

 それが真相です……

 

 そう書いています。

 良美ちゃんではなく良美、つまり姉良美を殺したのが、勝男か水沼かはわからないが、勝男は死んでいるわけです。

 そして水沼=坂東善が姉良美殺害の犯人の可能性があるというだけで、勝手に水沼を犯人だと断じて、彼をナタで襲った自分を正当化しようとしているのですよ。

  

 これ、どう考えてもおかしいでしょう?

 

 まるで――



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