おかしい? しかし先に進めないと……
※とあるミステリーの真相について触れています。未読の方は先に進まないでください。
おかしい? しかし先に進めないと……
今は9月25日?
小説家になろうに前章を上げたのが9月7日だったはず……
二週間以上のこの空白はなんだろう?
どうも記憶が飛んでいる……
このミステリーはフィクションだが現実とリンクしている。
その現実を書き下すだけなのに……
あと密室トリックを解明すれば……
部屋に戻って原稿の続きを……
ああ、そうだ! 部屋に戻ってパソコンで……
ここは?
廊下?
エレベーターの前……
戻らないと……
おかしい……
あれ?
「部屋に戻りましょうか?」
振り返ると白衣の人がいる。
「私は佐藤稔です。戻って原稿を書かないと……」
「ええ、案内しましょう」
白衣の人とエレベーターに乗る。
おかしい? B2ボタンがない?
B1までしかない?
「二十数年前、山間部のとある別荘で火事がありましたよね?」
「ええ、そうらしいですね。私はまだ子供でしたが」白衣の人が答える。
「焼け跡から首のない遺体が二つ?」
「ええ、そうらしいですね」
「殺人放火犯は焼け出されてこの医療センターに救急搬送された?」
「ええ、そうらしいです」
「そして地下送りに?」
白衣の人はそれには答えなかった。
まあいい……
とにかく次の原稿を書かないと……
現実をそのまま書けばいいだけだ……
「私は佐藤稔――ここでSEをしています……」
これにも白衣の人は何も返事をしなかった。
「この医療センターには精神科はないですよね?」
「昔はね。でも今はありますよ」
白衣の人は微笑んだ。
「私は……」
私は尾崎諒馬、ミステリー作家です……
そう言いたかったはずなのに……
私はそれが言えなかった……




