あとがき
あとがき
考えてみれば、この作品は「その他」というジャンルに置いたのだった。
「殺人事件ライラック(ブリキの花嫁と針金の蝶々)」という、「ミステリー」というジャンルに置いた拙作の後に読めば、それなりに(本格かどうかはわからぬが)ミステリーの解決編としても読めるようになってはいるつもりだが、正直無駄が多い。それは自分でもわかってはいる。
二つの作品の無駄を削り、短く一つに纏めれば、それで一つの(出来不出来は置いておいて)ミステリーになる気はするので、いつか、その作業に着手するのかもしれないが、今は、AS IS として ここに置いておこう。
続きを書く気は少しはあるが、それはすでにミステリーではないだろう。
でも、それは仕方がない。
尾崎諒馬は横溝正史賞佳作でデビューしたので、それはやはり「横溝正史」という重い何かは引き継いでいて、やはり私はミステリー作家であるのだが、少しもうまく行かないのは、アンチ・ミステリーに最初から惹かれてしまっているためかもしれない。
私も拙作「死者の微笑」に登場するミステリー作家「目黒秀明」と同じ年齢に近くなってしまった。
しかし、相変わらず、精神年齢は低いままで、このような稚拙な執筆をしている……
読者の反応はよくわからぬが、もし、ここまで付き合っていただいた読者がおられれば、素直に感謝申し上げたい。
虚無への供物の登場人物が、そういう病院の鉄格子のこちら側とあちら側、どちらが「内側」か? とか言っていたような気がするが、鉄格子で仕切らず、床で仕切れば、地上、と地下……
どちらが陽の当たる側かは、すぐにわかるだろう。
自分でもわかっているのである。
殺人事件の書けない作家……
殺人事件を書いてもミステリーにできない作家……
ないの意味はそちらで考えてください。
まだ生きてはいます
尾崎諒馬




