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瞑想迷走 蛙よ走れ  作者: らいのべーる
9/10

再三再四 行き着く先に

「はて ここは」


扉を開けては見知った景色に目を奪われた。


土壁に天井からさがる裸の電球。襖の影に人を見ては ここは と見渡し唖然とする。


「あら いつお帰りになられたのですか?」


背中の奥から声が聞こえては娘の姿に背に負う風呂敷を床に落とした。


「あら 大丈夫ですか?」


娘は洗濯籠を床に置いては落ちた風呂敷に手をかけた。


「どちらに行かれてたのですか?」


固く結ばれている風呂敷に手をかけては縛る口が解けて開いた。


広がる風呂敷に あらあら と声に出しては あれ がないと呟いた。


「あれとは」


娘の言葉に唖然とする頭も理性を戻し、声については言葉を繋いだ。


娘は行きに渡した 「あれですよ」と顔を見せては口にだし、広がる風呂敷を四方まとめて手に持った。


「これは、部屋に持っていまきすよ」


娘はそう言うと部屋へと運び、洗濯籠を取りに戻ってきてはまた奥へと歩いていった。


いったい何が起こったと言うのか。信に目にする物事にも対処の出来ないものがある。


記憶を便りに振り返ってはみたものの、それが信か幻か。思考に感情を乗せて意識の狭間で揺れ動いていくのである。


ほんの数分 数時間。些細な事に目を丸くしては、自身の心に写るまやかしに、現に目にして慄いてしまう。


いったい


何を見ては歩いてきたのか。再三再四見て周っても何が何だかと頭を廻す。


ここは 本の当に ここなのか


信じられぬ思いに顔を見合わせては、心の中で話し出す。


現のまやかしに目を閉じては騙される。どれがどれとて探るにしても、何を手にして何を見る。それはそれはと頷くとしても、現に目にする物事こそが、本の当に手にするもので、作る後からまやかしを見る。


それは幾分どうしたものか


内で話す二つの動機。思考に感情。見るもの聞くもの全てに対して議論を重ね、顔を見合わせては言い合いをする。


先の見えない靄の内に、見いだす答えを変えていき、一つの物事に背を正して話を聞くも、端の端から移り変わる。


疑問は瞬時に姿を変えては、本の当を消し去っていく


「どうしたものか」


受け入れがたい目にするものに、何かないかと捜しはじめる。


納得出来る もの


何を持って自身の芯を作るのか。何を入れれば立たせられるのか。


今までの経験や知識が手をあげて、我だ我だと騒ぎたつも、今の今ではそこ足りぬ。


「あれ か」


思考 感情 意識を元に塞がる現に手をかける。


娘が渡した あれ があれば、少しは今を見てとれるだろうと、部屋の奥へと走り出す。


部屋の奥へと足を運んび、机の側に置かれる風呂敷を見ては、どこだどこだと捜しはじめる。


人は何を持って違うと言うのか。知識と経験。思考に感情。意識を作って繰り返す。人ならずものを見ては、これはこれはと自己に思い、勝手な知識に作り替え、人ならず物事を経験しては、現のまやかしだと言いくるめる。


どれが信で、どれが偽か。


見る聞くものが違えど、本の所は変わらぬもの。しかし、見る聞くものが同じだとしても、本の所は、やはり変わらぬものなのである。


同じものを同じと見る。違うものを違うと見る。同じのようで違うもの。


「あれ はどこだ」


風呂敷を広げては、これはこれはと投げ捨てて、どこだどこだと慌てふためく。


安心出来るものが心にあれば慌てることもない。されど、人にうつつを見て頷いてしまえば、自己の世界が崩れると言うもの。


人は物を見てはモノを見る、何を聞いてはナニを聞く。


揺れ動くまやかしと現に見る信に、同じ事を作っては、また繰り返し無くすのである。


人とは違うと言うけれど、人とは同じだ言うのである。


己の芯にナニを持つかで、自身をつくりあげるのである。


人とは同じで違うもの。


安心感



ー章・・蛇ー おわり

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