【最終話】エピローグ
「いやーお見事でした」
拍手しながら盗賊ナイアが姿を現す。
表情を伺うと特に焦った様子はない。悠然と、ニヤニヤした笑みを貼り付けている。
俺達は身構える。結局こいつは何がしたかったんだ?
「・・・お前もやるのか?」
「まさかまさか、敵意なんてこれっぽっちもありませんよ。───今回も愉しめました。ゲートは開けておきますから使ってください。それではごきげんよう」
ナイアが宙に溶けるように消えた。
辺りを見渡すともといた場所に蜃気楼のごとく廃墟群の施設内部が見える。
「どうする?」
「ここにいてのしょうがない。アイツの言うことを聞くのも癪だがみんなの所に戻ろう」
「うん」
「・・・あー、それと、イリアお疲れ様。よく頑張ったな。お前も立派な冒険者だ」
「うん!アークが一緒にいてくれたから、頑張れた。アークのお陰だよ」
イリアが笑いかけてくる。───何というか胸が暖かくなるのだが言葉にするのが気恥ずかしかったからイリアの頭をガシガシ撫でる。
「それじゃ戻るか」
「うん」
開かれたゲートをくぐり抜けた。
◇ ◇ ◇ ◇
「よかった。まだみんないてくれたんだな」
「「「「アーク!」」」」
ゲートをくぐると元いた建物内部に戻ってこれた。
案内人ダコタ、僧侶ペルラ、魔法使いケーシー、狂戦士ゴンザレス、全員いる。同フロア内でバラバラになって何か探しているようだった。
「それはこっちの台詞だ。心配させやがって。───そういうことになったんだな」
ダコタ氏が簀巻きになったダニエルを見て察してくれた。
他メンバーについてもダニエルが簀巻きになっていることについて言及しようとしない。思う所があったのかも知れない。
ケーシーは『ざまぁみろ』というような表情をして、ペルラは困ったような表情をしていた。
「それじゃ帰るか。まずはホームに帰ろう」
◇ ◇ ◇ ◇
「・・・ということがありました」
「なるほどね。イリア、アークお疲れ様」
現在いる場所はニクス大森林の中心部───女神ウラニア様の貴地にいる。
冒険者ギルド⇔教会で話をつけ、ウラニア様に破片を返却し事の顛末を報告した。
目的を達したとは言え、問題を全て解決したわけではない。盗賊ナイアは結局何者だったのだろうか?
・・・色々と思う所はあるが、御神体が無事に復活を遂げたことを素直に喜びたいと思う。本人同様に存在感を放っている。
ウラニア様がイリアに尋ねる。
「旅はどうだった?」
「知らない、ことが沢山あった。───アークと、一緒に旅が出来て本当によかった」
「また機会があったら旅をしてみたい?───アークと一緒に」
「行きたい!!!」
イリアが食いついた。期待で表情は明るい。
───俺もイリアと旅が出来て本当によかったと思う。危険でない旅だったら俺も大歓迎だな。
ウラニア様がイリアと俺の顔を見比べてニンマリ笑う。
「アーク、あなたをイリアの専属護衛として任命します。いいわね?」
イリアが上目遣いにこちらを見る。少し不安げだ。俺の答えは決まっている。
「謹んでお受けいたします」
イリアが花開くように満面の笑みを浮かべた。
もしよければ星一つでも構いませんので評価よろしくお願いいたします。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。




