山岳地方-1つ目の破片-
「アーク殿、この度は大変お世話になった。是非また村へいらしてください」
「イリアちゃんもまた来てね」
「ええ、また立ち寄らせていただきます」
「ヤスミンさん、また遊び来ます」
橋が竣工し、翌朝初めて橋を使わせてもらっている。
わざわざ、こんな早い時間にも関わらず、村人全員とヴォイテクも駆けつけてくれた。
気付いたら俺達は村の英雄ということにされてしまった。橋を架けて欲しくてやってもらっただけんなんだから英雄なんてもんじゃないのだが・・・。
ちなみにヴォイテクは橋建設の第一人者として村に正式に迎え入れられ、橋を竣工させた後に余った木材を用いて村にヴォイテク専用の小屋が建てられた。
上手いこと村とヴォイテクを仲良く出来たのはよかったと思う。後は村に貢献して好物の酒、タバコ、ハチミツを貰うといい。
「これも持っていってください」
渡されたものはガラス瓶に入った液体・・・酒だ。
「どうも、ありがとうございます」
「村特産の自慢の逸品です。名水アモールで作ったウィスキーです。是非ご賞味ください」
こうして笑顔で見送られながら村を出発した。
◇ ◇ ◇ ◇
「アーク、山、見えた!」
「ああ、見えた。やったな」
その後俺達はひたすら東を山岳を目指して進んだ。川沿いの村から2日程経過してついに山岳が見えた。
もっと前に山そのものは見えていたが水を差すのも何だから黙っていた。自力で発見して喜び噛み締めた方がいいだろうと思ってのことだ。勿論俺が見えるのはチートスキルの影響だ。危険察知をより素早く行えるようになったから大変助かっている。
山岳というだけあって山々が連なっているため、どこに破片があるかまでは分からない。そこでドラゴンレーダーの出番だ。
「『ドラゴンレーダー』いけるか?」
「うん」
胸元で手を組んで祈る。ほんのり光るイリアが示す先は山々の中でも特徴的な台形の山だった。頂上が台座の如く平たくなっている。
山の麓に目を向けると集落が見える。
「山の麓に集落があるはずだから、とりあえず目指して見るか」
「分かった」
こうして次の目的地が早々ぬ決まる。チートスキルもそうだがドラゴンレーダーも大概だ。打てば響く。そりゃ旅が楽しくなるってもんだ。
◇ ◇ ◇ ◇
山の麓に向かうとやはり集落はあった。見間違いではない。
賑やかな音も微かに聞こえてくる。なんだろうか?
村に到着すると祭りの準備が進められていた。何の祭りだ?




