川沿いの村-通行止め-
「橋、壊れちゃってる」
平原の村から3日経った。引き続き山岳地方目指して東に進んでいる。
現在、山岳地方と平野部の境界になるアモール川の中腹にいる。
川を渡るために橋を渡ろうとした所、橋が流されていた。
「一旦近くにあった村に引き返そう。いつ頃橋が復旧するのか確認しないとな」
「うん」
◇ ◇ ◇ ◇
村に到着すると、村人は何か元気ない。橋が流されたからかね。
とりあえず手近なおっさんに確認してみる。
「こんにちわ。橋が壊れてましたが、いつ頃復旧予定ですか?」
「あー、橋はすぐには直らないよ。いや、直せないんだ」
「何でですか?」
村の近くには林が広がっている。ここから伐採すれば橋を架け直すこと自体は難しくないように思うのだが。
「林に巨大クマが居着いちまったんだ。落ち落ち林にも入れねんだ」
「じゃあ、クマを何とか出来れば橋は架けられるってことですね」
「まぁそうだが・・・、お前さん達に出来るのか?」
無遠慮に俺達をジロジロ眺めるおっさん。若造・少女・狼・フクロウ・巨大馬車。この組み合わせを見て何を思うかね。
「俺達も何かの役に立つかも知れないので、事情詳しいかた紹介してもらえないですか?」
「分かったよ。そこまで言うんなら止めはしねぇが・・・。こっちだ」
おっさんの後をついてゆく俺達。
案内された先は民家の中で一番大きな建物だった。
「詳しい話は村長モーセさんに聞いてくれ。じゃあな」
「ええ、ありがとうございました」
「ありがとう、ございました」
おっさんがそのままいなくなり俺達だけが残る。
「イリア、場合によっては幽霊退治の次はクマ退治になるけどいいか?」
「いいよ。出来れば、クマとも仲良くなりたい」
「だな。まぁそれはクマ次第だな」
ドアをコンコン叩く。まずは事情から確認しようじゃないの。
「ごめんくださーい」
「はーい」
ドアを開けて出てきたのは毛皮を装備した男勝りの女性だった。年齢は二十歳前後だろうか。
「村長モーセさん、いるか?」
「どんな要件ですか」
不審げに俺を見つめる女性。
「森に出没した熊の件で話を聞きたいんだが」
「父さんならいます。どうぞお入りください」
納得いったとばかりに家の中に迎い入れてもらう。言葉に甘えてお邪魔する。
・・・応接室に通されて待つ。暫くすると40位の男性と先ほどの女性が現れる。
「冒険者殿、お待たせしました。村長のモーセと申します」
「娘のヤスミンです」
「どうも、アークです」
「イリア、です」
人当たりのよい笑みを浮かべるモーセさんと値踏みするように見つめてくるヤスミンさん。
「何でも森に住み着いてしまった熊について知りたいとか」
「ええ、そうです。俺達は諸事情でアモール川を早急に渡りたいです。そのためには橋を架け直していただく必要があります。そして森に居着いた熊が原因で木材を入手出来ないと聞いています。もしかしたら俺達で協力出来ることがあるかも知れません」
「それは願ってもない話です。是非冒険者、アーク殿、話を聞いていただきたい」
そうしてポツポツと状況についてモーセさんは語りだした。




