26話目:マイホーム
俺達は、さっそく与えられた家に来てみた。夢のマイホーム!ビバ!マイホーム!
「こ、ここが、我が家か…。」
目の前にはかなり朽ちた一軒家があった。
人が住まなくなってかなりの年月が経っていそうだ。ところどころ風化しているもんね…。まあ、その辺は修理してくしかないが、なんでも他の家も似たり寄ったりで、この家が比較的にマシな方だというのだから、高望みはすまい。
家はけっこうな広さがあり、リビングに台所、あとはトイレと部屋が4部屋もある。さすがに風呂はないが、そもそもここの世界の住人は風呂の習慣がないらしく、生活魔法というもので身体をきれいにしているらしい。今度見せてもらおう。
そして、重要なのがマイ庭だ。ここもかなりの広さがあり、畑でもできるくらいの広さはある。これなら、僕のやろうとしていることもできそうだ。
さっそく、中に入り様子を見ることにした。2人で住むにはかなり広すぎる気がするが、まあ狭いよりはいいだろう。僕達はさっそく部屋に入り、荷物を降ろした。もちろん部屋はたくさんあるので個人部屋だ。最初、アイシャが
「お兄ちゃんと一緒の部屋でいい。」
とか言ってきたが、そこはうまいことごまかして別々の部屋にしてもらった。さすがにずっと一緒だといろいろできないからね。僕も男の子なので、いろいろあるのだ。子供には見せられないことも多々あるのだ。
ゆるせ、アイシャよ…。
そんなこんなで、家の中をひととおり見て回った。とりあえず、最低限住めるように整える必要があった。だいたいの掃除はしてあるとの事だし、家具も前の住人のものがあるので、やることといえばあまりないのだが、まあ自分の使いやすいように模様替えとか、必要な家具・道具を揃えるとか、後は雨漏りの跡があったのでそこの修理とか、そんなとこだ。
4時間くらいかけ、住めるように改修も終えたところで、さっそく庭に出て実験をすることにした。
僕がやりたいこととは、そう、自分の神技で庭に植物を生やすことなのだ。なぜ、そんな面倒なことをするかというと、前の依頼で失敗したことの改善と、後はこの能力をもっと知るためといったところか…。
この能力の欠点は、例えば【水桃】の実を簡単に出すことはできるが、僕はそれが実っている木を出すことはできないという、矛盾した能力だということだ。
それはおそらく、この実がなっている木自体を知らないからだが。なので、前回の依頼のような時に、内緒でたくさん出すとなるといろいろ困ったことになったりする。もし、木を召喚していれば、そこにあったていにできたりするのだが…。
そこで、まずは【木】を召喚できるのか?それは、出した後も枯れずに育っていくのか?それらを、実験していこうと思う。
さっそく、自分の知っている情報から、【リンゴの木】を召喚してみた。木は僕の指定した場所からいきなりドンと生えてきて、だいたい2mくらいのリンゴの実をつけた木が庭に現れた。土の中からいきなり生えたものだから、人がいたら危ない所だった…。
「ん!?いや、まてよ。これってうまく使えば、攻撃にも使えるんじゃないか?」
たとえば、なんか先端の尖った木とか召喚したら、敵を串刺しにできるとか。高い木を召喚して、相手をすごい高い所までもちあげるとか。まあ、そういう木があるかはわからないけど、それも今後の課題だな。
だが、世の中そううまいことばかりではないようだ。
さっきの召喚で一気に魔力を消費してしまったようだ。さすがにこの大きさの物だと、魔力の消費も大きいものになるようだ。ましてや、日本の物なのでさらに消費もするのだろう。試しに、もうひとつ【みかんの木】を召喚してみたが、そこで魔力が尽きてしまった。
なので、今夜はさすがに疲れたので、リンゴとみかんが夕食になってしまった。アイシャは、いつでもリンゴが食べられると喜んでいたので、まあ良しとしとこう。




