第14話 王妃さま
◆タコマリウス王城
テラスホール
ケイ(敬)視点
うーん、オレが聞いていいのかな?
でもなぁ、気になるだよなぁ。
「巫女、モグモグ、何か悩んでる?モグモグ」
「はあ、お前なぁ、喰うか話すかどっちかにしろ。一応王族だろ?」
「そうですよ第二王子。だらしない。巫女さまに恥ずかしくはないのですか」
「もう巫女とは仲いいから。俺達、気が合うから嫌われないもん。なあ巫女?」
「あ?ああ………」
いや、そう言われてもなぁ。
本当は好きも嫌いもないって言いたいんだけどなぁ。
でもコイツ、12の子供なんだよなぁ。
面と向かって嫌ったら可哀想だし、嫌いって言ったら大人気ないと思うんだよなぁ。
「まあ!第二王子はいつの間に巫女と仲良しになったの?」
「ほほう、これは良い傾向だぞい」
「巫女っ?」
いや、ちょっと待ってくれ!?
なんか変な方向にいってないか?
第二王子とは子供の仲良しこよし的な話しであって、チビッ子王やキンニクメリー姫が考えるのとは違ってるからな!
それと第一王子、そんな目を見開いて裏切られたみたいな顔しないでくれ?!
アンタとも最初からそんな仲じゃないんだからな!
あと、ソコの執事!
オレを魔性の女みたいに見るんじゃねーっ!
ヤバい、何か話しを反らさないと!
そうだ!!
「えーと、そういえば王様、王妃様は何処ですか?」
「な、何?王妃じゃと?」
「ええ、王妃さまです」
あれ?
オレ、変な事聞いたか??
王様が急にオドオドし出したぞ。
どういう事だ?
「あの、巫女さま?王妃、私達の母は遠征中なんです」
オレと王様が話していると、キンニクメリー姫が話しかけてきた。
遠征中って戦争の事だよな?
「戦争してんの?!」
「はい。もちろん相手は魔王軍です」
「魔王軍」
「巫女、我が国は《勇者国》だ」
「第一王子?」
今度は第一王子がオレとキンニクメリー姫の話しに割り込んだよ。
何か忙しいな!
「そして勇者は世界を守らなければならない。それが我が国の使命だ。だから他国の要請には国一番の勇者を送る事になっている。つまり母上の事だ」
そうか。
だから王妃が居ないのか。
そうだよな。
だって第一王女と同じキンニクメリーの称号を持ってるんだから当然、さぞかし筋肉質で強い女傑なんだろう。
王位継承権持ちで強い女。
なんかカッコいいなぁ。
「遠征には我が父も同行している。母上の補佐の為、いつも行動を同じくしているのだ」
なんだ、そうだったのか。
アレ?
何か変な感じだな?
だっていつも王妃に同行してるなら、王妃のお気に入りの情夫は第一王子のお父さんって事じゃん。
んん?
その割りにはチビッ子王は第一王子を邪険にしてないか?
例え第一王子に筋肉が付いてなくとも、王妃お気に入りの情夫との息子を表だって嫌っていいものか。
それにオレの質問に対する王のオドオド感は一体何だ???
ふっ
「それはね、巫女どの。王が王妃様に無断で貴女を召喚したからですよ」
「うぎゃ!?」
ぞわわわわっ!!
だ━━━━━っ、また背後から息掛けられたぁ!?
この声は宰相か?
宰相だな、コノヤローっ!
毎回セクハラしやがってふざけんじゃねーっ!オレは振り返り様に澄まし顔の宰相を睨み付けた。
「さ、宰相、何故にバラすのだぞい!?」
ガタンッ
「宰相!貴様、どういうつもりだ!?」
ガタンッ
「さ、宰相、俺の巫女に何すんだ!」
「まあ、宰相さん?!それは良くないですわ!」
第二王子、誰が俺のだ、誰が?!
あと待ってくれ!
宰相のセクハラに皆が怒ってくれるのはありがたいが、ちょっと重要なワードが聞こえてきたぞ!?
王様が勝手にオレを召喚した、って聞こえたんだがどういう事なんだ?
おいぃ?!
第一王子と第二王子が立ち上がって宰相に対峙してるが、ソレはいいからって、二人とも聞けや!!
そうだ?!
王様!
「オレを勝手に召喚した?王様、ソレはどういう事ですか?」
「あう、巫女よ、そなたにソレは関係ない話しじゃぞいっ」
「巫女?」
「巫女、オヤジがどうした?」
「まあ、お父様?何ですの、その話しは」
おおっと、宰相の暴露で王様がタジタジだ。
皆に問い詰められてチビッ子が更にチビッ子になっていく。
何か可哀想なような。
「ええい、宰相ーっ!おぬしが撒いた話しじゃ。何とか説明するんだぞい?!」
「ふっ、仕方ありませんな」
で、宰相にバトンタッチと?
チビッ子の橫に後ろ手組して立つ宰相。
やっぱドラキュラに見えるんだが、本当にドラキュラ伯爵じゃないのか?
いや、セクハラ伯爵か。
「王妃は巫女の召喚に消極的でした。しかしそれは、日に日に弱まる門の封印に逆行した考えです。私と王は再三王妃の説得を試みましたが話しは進みませんでした」
「それは何故だ?巫女は世界が望む希望の光。母上もそれは承知だったはずだ」
「そうだそうだ。母上は考え違いしていたんじゃないか?」
「ふっ、第一王子と第二王子。あなた方は元々巫女に憧れを持っていた。つまり巫女の召喚派だったという事です。でもそれでは、王妃様のお気持ちを理解は出来なかった」
「どういう意味だ?」
「どういう意味だよ!」
あれあれ?
何か雲行きが怪しくなってきたぞ。
コッチ王子達が攻めていたはずが、何か宰相が盛り返してきたような?




