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俺は望んで来た訳じゃない  作者: 下の蠍
1/6

死にたがりな奴

(何がどうして…)

「んだよ!早く家に返せ!というか四時の電車に乗れないじゃんか!」

「あれ、隣のクラスのやつもいない?」

ざわめく広場といえばいいのだろうか、人だけじゃない。

異界特有の紫色の植物がまたいい雰囲気をかもし出す。

いい雰囲気?焦りと不安で溢れたこの空間にいい雰囲気は無いだろう。

「ほぅ、異世界ですね」

「デュフフエルフたんとか居そうですなぁ」

ゲーム慣れだろうか落ち着いている奴らもいる

「たっく、なんだよ!テレビ撮影か?」

「それは困るなー」

(いやだな、異世界とかそんなところか?)

『皆様よくぞ起こし頂きました』

広場の真ん中に突然と現る神殿と女

「ぁん??なんだお前」

『私はリセットと言います』

「そうかよ、ならよォリセットとやらたった俺を帰らせろ」

ガンッと神殿の柱をさっきから帰りたがってるヤンキーふうなやつが蹴った

『うるさいですね、そんなに還りたいなら還らせてあげますよ。どうせ貴方みたいなのは使えませんから』

ジュッ。いつの間にか女神の手には杖が握られていた。

そしてその杖から放たれた光線がヤンキーふうな男を焼いた

(なんだ、ちょうどいい。俺は現実が好きなんだ、妄想の世界は妄想で終わらせたい)

ひっ、きゃっ、といったか弱い悲鳴を他所に1人女神に歩みよる

「なぁ?何の目的で呼ばれたか知らないけど俺は興味無いから」

『なんですか?人が喋ろうとしているのに遮るから目的が分からないのですよ』

「は、はぁ…なら目的は聞こう」

『皆さん聞いてくださいここにいる100名は。いえ99名は選ばれました』

(99名って明らかにここには20居るか居ないかだぞ)

『ちなみに皆さんはこの世界で有効な能力を持っている為呼ばれました』

みんながざわつく。当たり前だろう

「あ、あのー元の世界には?」

「昨日の録画見てないんだけど!」

『残念ながら同じ時を進む別の世界ですので今の段階ではあなた方は行方不明扱いです』

「困るなぁ…明日デートなのに」

(最近多発する行方不明事件もこれが原因か)

『皆さんには能力があります!そして知恵もあります!頑張ってください』

「そんな急に…」

『私は案内の能力です、かれこれ80年はここにいます。ごめんなさい本来なら私も皆さんを戻したいのですが』

「もしかして過去にも同じようにたくさんの人が?」

『はい…誰かしらがこの世界の何かしらをなすことで全ての者が解放されるそうですが』

「死んだらどうなるんですか!」

「そ、そうだよ!タケシはどうなったんだ!」

『死んだら終わりです。ゲームではありませんので』

「そんな…」

「お前!それをわかってて」

ジュッ。ヤンキーふう2号の手前の床が焼けた

「な、なんでもないです」

『皆様健闘を祈ります、』

「待った。俺はそんなもの知らんな、殺すなら殺せ」

『はぁ…言ったでしょ私も人間なのですよ?』

「なら杖貸せ、自分で死ぬ」

『あなたみたいな人初めてですね…そんなに死にたいなら死んでください』

「だからその気だよ」

シュッ。

「なんだ不発か?」

『い、いえ。多分あなたの能力です』

「は?」

『もうみんな移動されました、あなたも早くいったらどうですか?』

周りを見渡すと誰もいない

「え?俺も行くの?」

『早くしてください、私も案内しないと大変な目にあうのですよ』

(何?異世界の上下関係とかあるのか)

「わかったよ、なら異世界で即死してくるわ」

『あぁもう来てしまいました、【強制転送!!】』

(?!!)

辺りが光に包まれ意識は消えた




「なんだ、眩しい」

空を見上げると太陽が2つあり、気候は秋特有の過ごしやすい感じである

(なんだ、異世界とかいうんだから灼熱とかかと思ったが案外平和だな)

「そういえば能力とかなんとかって…くっそどうやって知るんだ?」

辺り一面に広がる木々、それと恐竜

(ん?恐竜?!)

「なんだ、寝てるのか」

(恐竜と言うよりトカゲに寄ってるかな)

「ん?通学カバンか、なんかあるかな」

(スマホ、イヤホン、充電器、ノート、ペンケース、ん?冒険の手引、あとなにこれ?)

ドシンドシンと日常で聞くことの無い音を聞き一旦思考が停止する

(やべ、荷物纏めて…ん?いや早く終わりたいのに何故逃げる)

「さぁこいよでかいの」

ガジッと噛まれると同時に暗くなり生臭を感じた

(あれ?なに?甘噛み見たいなやつ??)

「きゃぁぁぁ人が食べられてる!!弓!弓!」

「?」

「ん、よいしょっと」

「ふぅ臭かった」

「あんた大丈夫だった?」

「なにが?」

「クイーデォビーストに噛まれてたし」

(クイーデォビースト??名前だっさ)

「いや…死ぬ気だったから」

「べしっ!そんな簡単に死ぬとか言わないで」

(いた、くはないな)

ビーストの下顎と上顎を持って無理やり引き裂いた少女は死という言葉に敏感なようだ

「すまなかった、ただ俺は巻き込まれたんだ、この世界で死んだら元の世界に戻れるかもしれないからな」

「あんた変な宗教にそそのかされたのね…最近多いのよ」

「そうか」

「死んだ人間は何やってももう無理、ゾンビとして仲間を増やすか狩られるか」

(バイオ的なあの映画ですか???)

「それはちょっとやだな」

「でしょ?」

「ところでここは何処?」

「んーとね『』だよ」

「ん?」

「『』だってば」

(どうやら認知不可な言語のようだ)

「そ、そうか」

「とりあえず落ち着くまでうちの村くる?多分あの宗教の人だと戻る場所ないから」

「よく分からんがそうさせてもらう」

(ドワーフかな?身長が低いが腕力がアホみたいにあるって事は)

「君は人かな?あ、気分を害したらごめん。一応食事とかの関係で聞かないとって」

「人だよ。君は?」

「私はドワーフ…あんまり好かれる種ではないけどね」

苦笑いを浮かべる少女、やはり何かあるのだろうか

「な、なんか悪いな」

「いや、いいのだってドワーフじゃなかったらさっき君を助けれなかったかもしれないし」

「ん?ドワーフってことは装備とか作る人か」

「人って、まぁそんなところ」

「死ねる装備とかないかな」

「だからダメだよ!」

「わかったわかった」

少し進むと道に出た。

「さぁ!村へいざ出陣!」

「いや、それ攻めるって意味だぞ」

「あ、そうか」

「それと、そのビースト持とうか?重いでしょ」

「いやードワーフは力持ちなんで!でもその心がけは嬉しいよ」


道をしばらく進むと変なのがいた


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