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あれは何ですか? 解:さあ? 聞かないで下さい

 奴隷の人数が増えていた一幕から、俺は立ち直る間もなくギルドに辿り着いた。

 まあ、「いい加減諦めっちまいな!」と言う声と、「ここで引いたら負け」と言う声が心の中で睨み合っている。

 手を出したこと自体は真実なので否定をしないが、シーネとスンの2人が奴隷扱いになっていたことは、宿に戻り次第考えた方がいいだろう。


 ギルドの扉をから中には入ると、中にいた男性冒険者の視線が俺に突き刺さった。理由は簡単だ。


 ──後ろにいる、4人の美少女・美女が原因だ。


 何故分かっているのかと言うと、街の門を通ったときに1人の男性冒険者がギルドの方向に向かって走って行ったからだ。

 そのときのシステムの言葉は、──


【きっと、ギルドに入ると、「リア充爆発しろ!!」とかの憎しみ満載の(熱い)視線が向けられるのでしょうね!】


 ──と、完全な傍観者モードで言ってきやがった!! その言葉に間違いが無いのは、事実であり、男性冒険者の内で(美しい)女性の奴隷を持っているのは、1部──「ランクB以上の冒険者くらいである」と姉さんから注意を受けている。

 俺のランクはまだまだ(登録したばかりで)低く、貴族冒険者のボーケン・マクレーンを虚仮にした(らしい)俺は、結構目立っている存在だ(エルフであるルーナが特に目立つ)。


「なんか……見られていて、怖いよ!」


 スンが最初に根を上げた。推定15才の少女には、この欲望に(・ ・ ・)染まった(・ ・ ・ ・)瞳は、大変キツかったらしい。仕方がないよね!


 ──貴方ら、目が血走りすぎなんだよ!!


 よく見ると、血涙を流しているヤツもいるし、ほとんどのヤツは口元から血が一筋流れている。


【この光景は正しく、『血ヘドを吐く』と言うのでしょうね!】


 ──それよりも、"顕現した地獄"の方が、正しくないか? それとたぶん、言葉の使い方が違わなくねえ?


 そんな風に俺とシステムは会話しながら、姉さんのいる受け付けに向かった。毎回の事ながら、姉さんの前に並んでいる人がいない。


 人気がないのか、やり手だからか──。


【恐らくは、後者ですね。私が言うのです! 間違いありません!!】


 ──何処から来るのだろう? この自信は?


システム(乙女)のヒミツです】


 ──「乙女のヒミツです」って、お前女だったのかよ!?


【ですから、システム(乙女)のヒミツです】


 詳しく聞いたところで教えてくれないのは、分かりきっている。これ以上は、時間の無駄なので、聞かなかったことにする! 聞かなかったことにする!!


 大事なことは、2度言わないと!


 そんなことをしながら、俺は"手招きしている"姉さんのところに歩いていった。こう言ってはなんだが──受付嬢が、1人の冒険者を優先していいのだろうか?

 そんなことを考えんがら歩いていくと、受付けでこう言った。何故、考えていることが分かったんだ?


「私とアス君の仲じゃない! 問題ないわよ!」


 そう豪語する姉さんだが、周囲の受付嬢の瞳は「何言っているの!? そんなわけないでしょ!!」と語りかけている。何だろう? この姉さんと受付嬢たちの温度の違いは……??


【「実は私、"ギルドマスター"なのよ!」とかだったりして?】


 ──そんなことない!! と言い切れない、俺がいた。


「それで、"シュラントの森"はどうだった? シュラント自体の生息数は多いらしいけど……」


 そういえば依頼は、『シュラントの討伐』だっけ……? 奴等は、酔っぱらって寝ていたりするから、発見は酒気を嗅ぎ、討伐は音を立てないように近付くのを注意するくらいだった。

 そんな感じだったので、討伐に苦労しなかったから頭の中から(・ ・ ・ ・ ・)抜けいて(・ ・ ・ ・)いた。


「そういえば、そうだったっけ?」


 俺の返事がお気に召さなかったらしい。「ぷくぅ」っと頬っぺたを膨らませて姉さんは、「そんなことを聞きたい訳じゃない!!」と抗議してきた。


「そう膨れないの! 本当に、森の中が酒臭い以外は特筆するモノが無かったから!!」


 俺は後ろにいるシーネとスンを意識的に、「2人は、森とは関係ないです!」と雰囲気で押し通そうとする。


「あの、私たちはも───」


 ──きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ダメぇぇぇぇぇぇ!!!


 問題のキーワードを、言いそうになったスンに対し、心の中で叫ぶ!! あくまでも『心の中』なので、表情には出していない俺がいた。

 元から喜怒哀楽は、結構激しい気がするのだが、此方に来てからは、『驚愕』というのか『絶叫』とかが増えた気がする。その事が良いことなのか、悪いことなのかは、俺自身では判断できない。


【では──僭越ながら、私が判断いたしましょう!

そうに決まっている(なんくる)じゃないですか!!(ないさー)』】


 ──ちょっ、おい!! 何でそこで、沖縄語が出てくるんだよ!!!! しかも、断定系かよ!?

 それに『なんくるないさー』は、『問題ないさー』的な意味じゃなかったかな!?


細かいことをグチグチ(気にし過ぎると)言わないで下さい(禿げますよ)!!】


 ──禿げねえよ!! まだピチピチの15才だからな!!


【そんなことを言って! 男の15才と、女の15才は"老化速度"的に違いますからね!!】


 ──同じだよ!!? 違ったら、コワイじゃん!!


【女は何時の世も、美しくありたいものなのですよ!!】


 分かるような、分かりたくないような──。俺とシステムがこうやって言い合っている間も、姉さんへの報告は進んでいる。

【ヤル気セット】との付き合いはまだ短いが、時間より濃度の濃さから、別々の作業をすることに慣れてしまった。


 本当に、慣れって恐いよね!


「そう──また明日、シュラントの森に向かうのね。どんな場所かは、アス君の方が詳しいだろうけど、気を付けてね?」


 ぷくぅの「怒ってます」➡心配な「上目使い」このコンボは、俺の精神に大きなダメージを与えた。

 美人な"かまって欲しい系"(姉さんの方)が、お姉さん面から少し幼い感じの仕草をすることは、ギャップが大きいと俺は思う。

 もちろん、幼馴染み系のシーネ、年下系のスンは「これはこれでいいんじゃない?」という心境である。(メリッサ、ルーナは除く)


「分かっているよ! それで悪いんだが、後ろにいるシーネとスンの2人を登録できないかな? 登録年齢には達しているから、問題ないと思うのだけど」


 俺がそう言うと、姉さんの視線は背後にいたスンに向かった。その視線には、「本当かしら?」という意味が含まれていたであろうことは間違いない。


 スンの容姿が、140cmもない・童顔のコンボでは未成年にしか見えない。そもそも、生後(・ ・)という言い方だと、『1年半』と普通の種族なら"乳幼児"という発育過程である。

 不幸中の幸いか、ギルドカードの作成には『生年月日』は必要ない。自己申告がほとんどであるが、基本的に(・ ・ ・ ・)ギルド登録時は15才になっている。


 ──いわゆる、『暗黙の了解』というヤツだ。


 2人の登録用紙の記入は、俺が行った。変なことを言ったら困るからね!

 もし此処で、兎人族(ラビッテ)での年齢を言おうモノなら、彼女たち2人には、13年ほど……生まれからの数えで『15才』を越えるまで、「夜は無しね!」と言い含めている。

 破れば、人族換算33才まではエッチはしない。もちろん、ラビッテの彼女たちだけで、メリッサとルーナとのエッチはする。

 1番の被害者は、約束を破った『自分』ということになる。このことを言ったときのスンの表情には、少し心が痛かった。


 ──だって、メチャ涙目なんだぜ。


「ラビッテの彼女たちの登録は、問題なく終わったわ。

 それにしても、もう(・ ・)奴隷が4人目なのね……」


 なんか昔を懐かしむように、姉さんが言ってくるが、「ちょいと待て!」と言いたくなる。出会ったこと自体が、数日前だぞ? なんでそんな顔をしているのか、意味が分からん。

 そのとき、背後の扉が開いて、中に人が入ってきた。


 その人物は、体長2m50cm、推定体重100kgくらいの巨漢だった。この身長で女はないだろう。逆光で判断できない。


「(なあ、アレ何だと思う?)」


【さあ? 聞かないで下さい】


 システムも俺と同意見のようだ。何? アレ?

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