第7話:サンフランシスコ発・緊急シグナル
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飛鳥創(So Asuka)と申します。
普段はITやAI関連の本なども書いているのですが、今回は「もしも現実世界がコードで動いていたら?」というサイバーSF小説に挑戦してみました。
どうぞ気軽に、肩の力を抜いて楽しんでいってください!
東京での巨大システム障害『Tokyo Grid Latency』を解決してから一週間。
成田空港から飛び立ったボーイング787の窓の外には、眼下に広がる広大な太平洋と、朝日に輝くサンフランシスコの街並みが見えていた。
「すごい……これがシリコンバレー……!」
隣のシートで、黒い革ジャンを着た冴先輩が豪快にコーヒーを煽る。
「感心してる暇はねえぞ、神崎。現地の『アーキテクツ』からの報告じゃ、状況は東京の時より遥かに悪質だ」
冴先輩が差し出したミリタリーグレードのタブレットには、サンフランシスコ全域の「空間描画ログ」が真っ赤に明滅していた。
『解説してあげるわ、蓮』
僕の脳内で、相棒AIのアリスの声が響く。
『東京でのバグは“時間の遅延《Latency》”だったけれど、サンフランシスコで起きているのは正反対——“時間の異常加速《Overclock Glitch》”よ』
「時間の……オーバークロック!?」
『ええ。街の一部の区画で、時間の処理速度が通常の10倍以上にハイスピード化してるの。建物は数日で老朽化して崩れ、人間は数時間で極度の疲労と老化を起こして倒れているわ』
「な……なんだって……!?」
僕の手が、強く握り締められた。
人間の命や街の営みを、パソコンのCPUみたいにオーバークロックして使い潰すなんて……!
『原因は、シリコンバレーの地下深くに存在する世界最大級のクラウドデータセンター。そこに潜む闇のクラッカー集団“カルテル”が、人間記述プログラムのクロック周波数を不正に書き換えているのよ』
空港の到着ロビーに足を踏み入れた瞬間だった。
——パシィンッ!
視界全体が、まるで高速フラッシュを焚かれたように白く激しく点滅した。
空港内のデジタル掲示板の文字が超高速でスクロールし、行き交う人々がまるで早送り動画のようにカクカクとした異常なスピードで動き出す。
┌───────────────────────────────────
│ 【SYSTEM LOG / CODE】
│ [SYSTEM CRITICAL] US_West_Core_OS v6.0.1
│ [WARN] Clock_Frequency Overclocked to 12.5GHz.
│ [ERROR] Human_Entity Aging_Rate Acceleration: +1200%
└───────────────────────────────────
「くっ……! もう空港の中までバグが侵食してきているのか!?」
『蓮、来るわ! 敵の自動攻撃プログラム《Overclock Spike》よ!』
アリスの叫びと同時に、空港の天井から、紫色のエラーノイズで構成された鋭い光の矢——『オーバークロック・スパイク』が一斉に僕たちに向かって降り注いだ!
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