24話・俺とカノン先輩の出会い
「ん...どうした、クーナちゃん?何か顔中が真っ赤だぞ...?」
「ほえ!?そ、そうですか!?も、もしかして特訓をし過ぎたせいで、
少し身体の体温が上がっちゃったのかな?はは...あはは♪」
カノンにツッコまれ、気が動転したクーナが言い訳苦しい言葉を吐いて、
ニガ笑いをしながらそれを誤魔化した。
「し、しかし、コウ君へ有無も言わず告白する度胸といい...今の積極的な
行動といい...カノン先輩の決断力は凄いですね!」
「ん...決断したら行動あるのみなのだぞ、クーナちゃん。時間は
無限ではなく、有限なのだから...な!」
カノンの即行動力に感嘆しているクーナに、ドヤ顔のカノンが
人差し指をビシッと突きつける。
はは...私に即決断、即行動ができれば、こんな苦労の多い人生は
送っていないんですけどね...。
クーナは今までの人生を振り返ると、行動力のトロさのせいで
ロクな事がなかったなっと、うすら笑いがこぼれる。
「コホン...所で、カノン先輩」
「ん...なんだい、クーナちゃん?改まった顔をして?」
軽く咳払いをして気持ちを切り替えたクーナが、真剣な面持ちで話し
かけると、その真剣な表情を見たカノンも少し緊張した表情に変わる。
「カノン先輩って、どういうキッカケでコウ君を好きになったんですか?
もしかして、この間コウ君と会った図書館でですか?」
ここまで積極的な行動を取るカノンが、どういうキッカケでコウの事を
好きになったのか、クーナはとても気になってしまい、思いきって
その事を聞いてみた。
「ん...私がコウを好きになったキッカケか...。それはな...コウがこの学園へ
試験に来たあの時に遡る...」
そう...あれは今年の春、私が入学試験の材料を運んでいる時だった...。
◇◇◇◇◇◇
「ん...お、重いな...これ。くそ...こんな重い物を持たせるなんて...
あの試験担当者め...後で...覚えていろ...」
カノンが任された試験用の荷物を右にフラフラ~、左にフラフラ~と
安定感ゼロで進んでいると...
「うにゃっ!?」
案の定、手に持っていた荷物の影のせいで、見えていなかった足元にあった
大きな石へつまずき、カノンは豪快にズッこけた。
「イテテテ...あ...頭にたんこぶが...むう...あの試験担当者め、この痛みの
仕返しは...2倍...イヤ!5倍返しだぞっ!!」
転んだ事とあまり関係がない試験の担当者に、カノンは理不尽な怒りを
ぶつけて、プンプンと激おこする。
「ちょっと、そこの学生さぁぁん!何か派手に転んでいましたけど、
大丈夫ですかぁぁぁ?」
転んだカノンに気づいたある人物が心配そうな声を上げると、慌て
カノンの側へ駆け寄って行く。