【遺跡に響く怪音】
『モルビワ』に戻ってきたヘレナ一行
ボーンクロウとの戦闘で
みんな満身創痍だった。
一通り魔法で治療はしたのだが
体力や装備は酷い状態だ。
宿屋に直行し休む4人。
次の日の朝…
宿屋一階で朝食を取る三人。
「アグニードさんは?」
「朝から見かけないけど出かけてるのかな?」
そんな事を言っているとアグニードが戻ってきた
歩いてテーブルに座るアグニード。
「お帰りなさい」
「どこ行ってたの?」
「北の遺跡だ」
「ちょっと様子を見てきたんだが…」
「何かあったの?」
「ふむ… 魔物が集まっていた」
「魔物がって…」
「えぇ エルゼちゃん中にいるのよね?」
「あぁ あの様子だとかなり危険だな」
「どうするの」
「装備を整えて遺跡へ向かうぞ」
「正直まだ心もとないが
エルゼになにかあってからでは遅いだろう」
頷くヘレナ。
「ねぇね死んだら嫌!」
「なら急ぎましょう」
4人は準備を始める…
一方エルゼ…
『マリシャ遺跡最奥』
(琴音 もう動けそうか?)
「うん 何とか…」
(そうか なら出口を探そうか)
頷き 歩き出すエルゼ。
遺跡内は結構暗く 暗闇の奥には
紫色に脈打つ結晶が壁一面に広がっていた。
床には巨大な外殻の破片が散乱している。
「なにかしらこれ?」
(何かの抜け殻…)
気になりながら先を進む
しばらく歩くと魔物の群を見つける。
〈存在転化〉〈鑑定眼〉
ニードルウィング Cランク
Lv30 コウモリ系
今や〈存在転化〉のおかげで
代わらなくても色々できるようになっていた。
(便利だなこれ)
〈存在変化〉で変わると1時間は代われないので
琴音主体で戦うなら非常に便利なのだ。
(コウモリ系か 動きは速そうだな
琴音、気をつけていけ)
「任せて!」
武器はないので〈魔力固定化〉で武器を
作ってもらう。
スキル〈腕力強化〉〈脚力強化〉〈柔軟強化〉
をかけ〈短距離転移〉で移動を
繰り返し戦闘する琴音。
シュバッ シュバッ シュバッ
難なく倒していく…。
突然 耳を裂くような高音が遺跡内に響く。
「え…!?」
琴音は吹き飛ばされ
石壁へ激突した。
「きゃぁ!?」
悠人がすぐ〈存在転化〉〈ヒールボール〉で
琴音を回復する。
コウモリの中に種類の違うのが
混ざっていたようだ。
〈鑑定眼〉
ノイズバット Cランク
Lv30 コウモリ系
(攻撃方法が違うのか…)
(離れてやったほうがいいな)
〈存在転化〉〈魔力波動〉で
琴音の剣に魔力付加する。
琴音は斬撃を飛ばしノイズバットを狩っていく。
「はぁ…はぁ… ちょっと疲れたかな」
(無理するなよ ここがどこか分からないんだ)
「うん!」
休憩をとりながら進むエルゼ。
(壁や床を見ても、ただの遺跡じゃなさそうだな)
(まあ 場所が違うからどこかに
飛ばされたのは間違いなさそうだけど)
「転送されたって事?」
(そうだな どんな仕組みかはわからないけど)
「魔法とか?」
(いや 魔法って生命体でもないのに
そんな事あるのかな…)
ドシン… ドシン…
(何の音だ?)
暗闇の奥から
ギチ…ギチ…と硬い外殻が擦れる音が響く。
次の瞬間、巨大なサソリ型の魔物が姿を現した。
(また魔物か…)
〈存在転化〉〈鑑定眼〉
クリスタルスコーピオン Bランク
Lv40 サソリ系
(こんなのまでいるのか…)
(時間をかけると厄介そうだ 一気に決めるぞ)
「わかったわ!」
琴音スキル 〈腕力強化〉〈脚力強化〉〈柔軟強化〉
〈視覚強化〉〈装甲強化〉
悠人スキル〈魔力固定化〉
一瞬で近づき斬りつける。
ガギィン!
「きゃあっ!?」
後ろに飛び退くエルゼ。
「思ったより硬かったわ…」
(うーん 琴音、俺に代われ)
〈存在変化〉
悠人に代わる。
「琴音は、斬撃で攻撃してくれ」
「俺は…」
スキル〈魔力強化〉〈魔力凝縮〉〈魔力波動〉
〈連魔陣〉
そのまま魔法を詠唱する。
〈ライトレーザー✕10〉
無数の光線が遺跡内を駆け抜ける。
ドガガガガッ!!
クリスタルスコーピオンの外殻が砕け散り、
結晶片が周囲へ飛び散った。
さらに琴音の斬撃が
クリスタルスコーピオンを斬り刻む。
ギィィァァァァッ!!
断末魔を上げながら
クリスタルスコーピオンは崩れ落ちた。
「ふぅ」
敵を倒した瞬間、
エルゼの体が淡く発光する。
体の奥から力が湧き上がってくる感覚。
「おっ?」
悠人はすぐステータスを開いた。
「ステータス」
スキルを確認する悠人。
「ふふ……ついに」
悠人は新しく増えたスキルを見て笑う。
「これでかなり戦い方が変わるな」
「そんなに凄いの?」
「あぁ たぶんな」
新しく増えたスキルの事を
話二人で話しつつ先に進むエルゼ。




