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僕の友達はTS時間逆行拗らせ隠れ陰キャ幼馴染系巨乳美少女JKの前園さん  作者: ムラタカ


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72/79

72話

 


「城島武君…喜びなさい…貴方を私の恋人にしてあげるわ…。」


「は…?」 



かつて片思いしていた相手から高圧的としか言いようのない告白…これは告白なのか…?をされた僕はそのあんまりな事態にただ混乱するばかりだ。



「いやいや、何故そうなるのさ!?まったく意味がわからないんだけど?」


「何故戸惑うのかしら?貴方私の事が好きなんでしょ?ならただハイと言うだけで私の恋人になれるのよ?何を迷う事があるの?」


「おかしいでしょ?前園さんは僕の事が好きなの?」


「いえ?貴方に恋愛感情は持ち合わせていないわ」


「ならどうしてさ!おかしいでしょこれは!?」


「別に何もおかしな事はないわ、私が姉様に追いつくには姉様と同じ土俵に立つ必要がある、なら私も姉様と同じ様に恋人を作りその人と親睦を深めていけばやがて私は姉様に追い付く事が出来るの。完璧なロジックでしょ?」


「な…何…いってるの…?」



狂ってる…それが僕の素直な感想だ。

ここまで頭がおかしな事になってるとは…

天才だなんだと持て囃された結果がコレなのだとしたら救いようがない。

いくら好みの女子からの告白でもこんな形なら嬉しくもなんとも無い。

むしろ清々しいまでの腹立たしさしか無い。

僕も大概拗れてると思ってたけど彼女には到底敵わない…何故こうまでも彼女は拗れているのか…。



「断ったりなんてしないわよね?城島君?いえ恋人なのだから武と下の名前で呼ぶ方がそれらしいかしら?」


「断りたいけど断ったりしたら何されるかわからないし、僕に決定権なんてないよね?」


「よくわかってるじゃない?あなたのそういう所は好きよ?」



蠱惑的にも見える笑みを浮かべる彼女だがこんな内面を隠し持っていたなんて流石に理解がおいつかない。



「でも本当にいいの?お姉さんに追いつきたい一心で好きでもない男と噓でも恋人になってもさ?」


「勘違いしないでほしいのは貴方の事はそれなりに評価してるわ、恋人を作る事が目的達成の条件なら別に貴方に拘る必要は無いもの。」


「それって……、でも…」


「貴方はどこかしら康太兄様に似た雰囲気を持ってるわ。それが私を安心させてくれる、でも康太兄様と決定的に違う所もある、まず基礎学力は高いし康太兄様程馬鹿じゃないしね、それに今回で明らかになったけど私を康太兄様より断然理解してくれてるわ。私は共にいて不快にならない者をパートナーに選びたい、そういう意味では貴方は最適解なの」


「でも前園さんは僕の事が好きじゃないんでしょ?」


「しつこいわね、好きとか愛とか私には良くわからないわ、そんな感情持った事ないもの…でもそんな感情本当に必要?貴方は私のパートナーとしてコレ以上ない逸材なのよ。それに貴方が言う恋人という存在に私となりたいなら私をそのつもりさせれば良いだけでしょ?」


「そのつもりにって…簡単に言うよね…」



しかし逆に考えるなら彼女が認めている異性は2年の只野先輩以外では僕だけだという事になる。

僅かながらの優越感を感じている。


彼女は確かにボッチだ。

彼女の事を知る数少ない人達は彼女を敬遠するが彼女が美少女であり、また生徒会長としても多くの人気を集めているのもまた事実なのだ。

彼女は多くの事柄を高い水準で見ているため現状の自分の人気を低く見積もっている。

しかし1年と2年のなかでは琴音ファンクラブなんかも密かに存在しているし未だ付き合いたいと考える男子も確かにいる。


そんな中で仮ではあるが僕は彼女の彼氏?になれたのは中1の頃から彼女を見てきた僕にとっては大きな伸展だと思う。

まぁ…好きでもないと断言している相手と姉を超えるための手段なんて不確実な方法の為に付き合うという普通の人の感性ではまったく理解出来ない考え方をするような人だ。

僕自身彼女のあまりな発言に正直納得なんて出来ないが下手に逆らっても仕返しが怖い。

彼女の事だ、知らない内に僕の弱みの一つや二つは持っていてもおかしくはないのだから…。



「わかったよ…でも僕で本当にいいんだね?」


「くどいわ、良かったじゃない?これでストーカーみたいな真似しなくてもいつでも私を近くで見れるわよ?」


「そりゃなによりだよ。」



こうして僕は前園琴音と付き合う事になった。

姉と並び立つための手段として利用される形で。

しかし僕の好きという感情は相手への愛情とか恋慕とは少し違う。

好きは好きだがその好きはアイドルやアニメのキャラに向ける推しへの愛情に近い。


綺麗な存在を遠くから眺めていればそれで良かったのが生徒会に実際に入る事になった頃から身近な存在になり汚い部分も沢山見てきたから多少の幻滅はあったしそこから彼女を神聖視することもなくなった。


僕自身は彼女をずっと神聖視していれたら幸せだったのだがそれはもう難しいだろう。

彼女から距離を取ろうとしていたのは彼女に幻滅したくなかったというのも少なからずあるが怖いという方が大きかったりする。



何はともあれ……、


これから大変だ。



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