39話 二人の時間
あの騒動から早いもので一ヶ月が過ぎた
あの後、また大きな事件が起きた、
ウチの学校から婦女暴行で退学者が現れたのだ、
犠牲者はなんと!というか、予想通りというか、月里冬美さんだった、
そして彼女を襲ったのが彼女が付き合ってる一学年上の先輩彼氏さんだという、そしてこの彼氏と言うのが笹木君から彼女を寝取った?先輩さんらしい
名前は知らない、聞いた気がするけど忘れた
詳しい事は知らないが笹木君はなんとも複雑そうな顔をしていたが舞野さんは気にしたら負けだよ、こんなんはやく忘れるに限るよねーと一掃していた。
アキラ君にいたっては生のNTRを実際に見れた事で謎に盛り上がってる、不謹慎この上ない
この人ホントはNTRが割と好きなのでは?
「いやいや、お前実際この世の中にどれだけの女がいると思ってんの?実際のNTRなんてそうみれるもんじゃねーぞ?」
「アキラ君前々から思ってたけど割とNTR好きでしょ?」
「はぁ!?馬鹿かおめーバッカじゃねーの?またはアホか!」
「ツンデレ乙」
「だからちげーよ!そりゃおめー、前世ではそれなりにお世話になったからな、実際に見れば感慨深くはあるってもんよ!」
「感慨深いんだ…」
「しかたないだろ!エロ漫画の大半がNTR物なんだ、私だって純粋な清純エロが見たかったさ!でも世の中の大半のエロ漫画はNTRに侵食されていく!全くもって嘆かわしい!!」
「めっちゃ喋るじゃん」
「うるちゃいうるちゃいうるちゃい!俺は悪くねぇ!」
「ネタは一つに絞ろうね」
アキラ君はそのまま僕のベットの布団に頭から突っ込んでふて寝している
形のいいケツがドンとコッチに向いている
誘ってる訳じゃないのはわかりきってる、だが誘ってんのかと触りたくなるのが男のサガである
いや触らないけどね!!
しかしNTRか、
確かにそんなモノに実際に合う可能性などいかほどか、
笹木君が今回その犠牲者となりはしたけども僕には無縁だと思いホントにそうかと思い悩む
前園明、アキラ君、彼女は今僕の彼女だ
アキラ君は元男だが今はれっきとした女だ
これは生物学上揺るがない事実だ。
しかも学校中の男が恋人にしたいと切望している美少女だ、今回の事件みたいに誰かしらに押し倒されても不思議ではない、なら彼女自身が言ってたように快楽堕ちとかあり得るかも知れない
もっと言えば今回彼女はむっつりNTRスキーだと言う事が判明した。
快楽堕ちとかにドハマリする可能性とかあるかも知れない、そんなの嫌だ、嫌が過ぎる!
彼女であり親友であるアキラ君が他の何処かのよーわからん男に食い物にされる
そんな未来あってはならない
断じてあってはならないのだ!うん
しかしどうするかを決めるのはアキラ君本人で僕にそれを止める手立てなんてのは一つしか無い
その一つとは何か、そう、駄々をこねるしか無い
「嫌だァァァあぁああぁあ!!!」
そう叫びながら僕は布団から覗くケツに顔をダイブさせる、普段なら殺されてる所だが今の僕は感情を暴走させた一匹の獣だ、後先等考えないのだ、キリ!!
「ひゃああ!?なっ何してんだテメェ!?」
「嫌だ嫌だ嫌だ!ネトラレとかいやだぁ!!?アキラ君は僕と一緒にいるんだ!他の男の所になんか行かせない!僕とずっと一緒にいるんだぁーー!!!」
「はぁ!?」
僕はアキラ君の細い腰に両手を回して魅惑的な腰に抱きつく、暴走状態でなければ恐れ多くて出来ない
しかし今の暴走状態の僕は無敵状態なのだ
今は本能と衝動に任せて動くだけなのだ
「やめんかい!この変態!」
「あがっ!?」
しかしそんな僕の決死の暴走状態もアキラ君の振り下ろしたゲンコツに為す術もなく止められてしまう
所謂強制停止ボタンが僕の頭上に設置されてるのかも知れない
「全く、お前最近見境なくなって来てるな、」
「中身が男とかこのさいおいといて眼の前に美少女のケツがあれば取り敢えず飛びつくのは男の嗜みでしょ?」
「お前何昔の私が言いそうな事言って開き直ってるんだよ」
「そもそも恋人がネトラレる苦しみをエロ漫画で熟知してるアキラ君がネトラレって良さそうかもみたいな事彼氏たる僕の前で言うのが悪いんでしょ?」
「はぁ〜?アホかお前」
「はぁ〜?何がアホなのさ?」
「ネトラレなんてのは見てるだけだからいいんだよ、あくまで架空、空想、妄想、そういう範囲で十分なんだよ、あくまでエンタメ、道楽としてのフィクションとして楽しむもんだ、今回みたいに実際にあったり当事者になるとか御免被るわ」
「そんな事いって無理矢理やられて快楽堕ちとかしたらどうすんのさ」
「アホか、それこそフィクションだ、女になって良くわかったのは女の体はエロ漫画みたいに簡単じゃない、あんなサルみたいに簡単にヨガったりしねーよ」
「それはそれで夢が壊れるな」
「この際だからはっきりいってやる!イクのにも自分でしてるときは男だった頃より時間かかるし、生理とか色々あって面倒くさいし女の体はすげーメンドくさい」
「そうなんだ……うん、…そうなんだ……うん…うん…?」
「今のは忘れろ、思い返すな!顔を赤らめるな!殺すぞ康太テメェ」
すらっと彼女は爆弾発言をしてた事に今更気付いた様で顔を赤らめながら凄んでくるが正直美少女がそんな顔をしていても怖いよりかわいいが先に立つ
「はぁ…なんかおくてだった頃のお前が懐かしい、最近なんかドンドン積極的でシンドイわ」
「アキラ君は元男として思春期の男子が平均的にもつ性欲をなめて良いもんじゃないと理解してくれてると思ったのだがね?」
「うっせーなコイツ、開き直ってやがる、まぁ確かに私等は一応恋人だ、彼氏にエロい事させてやるのも彼女の義務だと割り切ってるがお前はもう少し節度を持て!キモオタムーブは時として身を滅ぼすぞ!あん?」
「酷い言われようだ、まぁラッキースケベくらいに留めるよ」
「なぁ康太、知ってるか?ラッキースケベはラッキーだからラッキースケベなんだよ?ラッキースケベからラッキーを取ったらそれはもうただのスケベなんだよ、わかるかただのスケベな康太君よぉ?」
「ただのスケベな康太君はスケベを勝ち取りたい!」
「物もない!無力な馬鹿なままの康太く〜ん〜♪」
「世は全て無常なりや」
「誰だよ」
ここ最近の彼等のやり取りは大体がこんな感じだ
恋人の関係とはいえそこに男友達同士だった過去があるため具体的な行為には出れないでいるのが現状だ
しかし明も元男だった過去がある、
このまま美少女が下着姿でうろちょろして触るなは拷問モノだろう事は理解している、性欲は理屈ではないのだ
正直康太にはそうとう我慢させている自覚はあるのだからこのくらいの御褒美はまぁ許容範囲だ、
明は康太の足と足の間、股間の辺りに腰を下ろし体重を康太に乗せる
「へ?アキラ君?」
「性に目覚めた獣をほっとくと危険だからな、まぁ御褒美だ、好きなだけ好きにしろ」
そういって康太の胸板に顔を置いてリラックス出来る体制となる
そうやって二人の時間は過ぎていった
それから数時間後、頬がつやつやになった明は床に倒れた康太を見下ろす、
まるで炎天下に打ち捨てられたミミズを想起したのは言うまでもないだろう
こうなった経緯は各々の想像に一任しよう
「そういや康太に言いたい事があったわ」
「な……に……?」
「今度私の家にこね〜か?」
「は?」
ガバっと起き上がる康太、明が自分の家に康太を招く
それが意味する事、
「だから私の家に来る気はねーか?」
とうとうこの日が来たかと康太は生唾を飲み下すのだった
もしこの小説を読んで少しでも面白いと思はれたなら、ブックマークや、↓の★★★★★を押して応援してもらえると幸いです、作者の執筆モチベーションややる気の向上につながります、お願いします




