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とらわれお姫さまのゆるふわ日記  作者: 猫の玉三郎


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47 魔石とは

 朝食の席で魔王さまにユニちゃんからもらった白い石を見てもらったのです。するとおどろくべきことが分かりました。


 あの石は天使の涙とも呼ばれる貴重な魔石なのだそうです。魔王さまはそれを装飾品にして身につけてはどうかとおっしゃいました。石に術をかけるとお守りになるそうなのです。


「よければ私に作らせてほしい。姫も私のために作ってくれていることだしな」


 すると魔王さまのうしろに控えていた側近のイゴル様がぎょっとした顔をされます。


「魔王さま、加減して作らないと町ひとつ吹き飛んでしまいますよ。どうか早まらないでください」

「なに、姫によからぬことをした輩だけを木っ端みじんにするさ」


 魔王さまのお顔はとてもにこやかなのに会話はなんだか物騒です。わたしを守ってくださるのはとても嬉しいのですけれど、木っ端みじんは怖いような。


「ほら姫さまが怖がってらっしゃいますよ。いくら悪党だとしても目の前で木っ端みじんにされたら姫さまがかわいそうです。せめて石化くらいにしてください」

「そうか」


 あんな小さな石に相手を石化したり木っ端みじんにできるような力があるのでしょうか。それとも魔王さまのお力かしら。わたしにはまだまだ学ぶことはたくさんあるようです。今度神官長に聞いてみましょう。


 わたしがそんなふうに考えていると、ユニちゃんがひょっこり顔をだしてくれました。ふだんならこういう場所にはこないのでもしかしたら魔王さまがお呼びになったのかもしれません。魔王さまは静かに立ち上がり、ユニちゃんと目線をあわせるように床に片ひざを付けます。その大きな手でとユニちゃんの頭をなでると気持ちよさそうに目を閉じていました。


「おまえが姫にくれたこの石、ネックレスにして姫へ贈ろうと思うがよいか」

「きゅう」


 ユニちゃんの得意げな返事に、魔王さまも笑みを浮かべていらっしゃいました。


 わたしもがんばってブレスレット作りますね。

 職人の作品には到底及びませんが、心だけはこめて編んでいます。


 どうかどうか、魔王さまが健やかに心穏やかに過ごせますように。


きりがいいので50話でいったん完結にしようと思います。

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