収束6
「な、ななな何故天龍が!!??」
奴らめもう喰われたのか!?
いや、それにしてもまだ辺りを警戒していてもおかしくない筈!グランドツリーに戻って来るには早すぎる。
とはいえ考えている暇はありません!!
まだ3/4といった所。下から上がって来るとしても天龍のスピードでは……
「急がないと!!!!」
メガネの男は無我夢中で走り出した。彼の頭の中はいつもの冷静沈着とは裏腹に右往左往としていた。その為いつもなら絶対に踏むことのなかったであろうヘマを踏んでしまった。
「ま……て…。」
傷を負ったラビットがいた地点から男は大分上まで登り駆けていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
息は上がり、足も殆ど上がらないながらも懸命に走り続けていた。
しかし
「ぬわぁ!!」
何かに躓き地面に倒れ込んだ。
「ぐぅぅ、こんな所で転んでいる場合では無いのですよ!」
夢中で起き上がり、再び走り始めようと踏み出した途端、再び何かに右足を引かれバランスを崩し、危うく転びそうになった。
「一体何なのです!!??」
不自然な右足へ目を流すと目を見張った。
右足足首には蔦が巻かれ、巻かれた蔦は今さっき男がかけ登ってきたその道へと伸びていたのである。
「これは…いつから…ま、まさか!?!?」
「ヒュー…ヒュー…。や、と…きづい…たか…。」
男は慌てて解こうとするが、焦りと恐怖で手先が震える。
「む、だだ。つたの結び方なら子供の頃から嫌って程習ったからな…」
「くっそお!!こんなボロい草なんかに!!」
靴を脱ぎ捨て引っ張る。地べたに擦り付ける。力一杯引張る。噛みちぎろうと汚れた蔦を噛み締める。挙句に爪が痛くなる程引っ掻き回してみたが、恐ろしく頑丈な蔦はびくともしなかった。
「こんな物!!こんな物で!!」
メガネが落ち、踏んずけて割れたのにも気付かずに転がりのたうち回り、土とおが屑にまみれたその姿は、以前の博識高く凛々しい彼とは別人の様に醜くみすぼらしい姿であった。
ここから引いたのでは幹を締め付けるばかりだ!外すにはあのウサギの所まで引き返すしか…しかしそんな時間など
「き…たか」
シュルルルル……シュルルルル……
体の感覚はとっくに無くなったし、目も殆ど見えなくなった…体の芯が凍えるように寒い。
だけど、耳だけはまだ繋がっている。
「「「はっ、はっ、はっ」」」
頑張れ!
「ススッ…スッ…グスッ」
ロタ、大丈夫だ。ロタの強さはオレっちが1番知ってる。
グバッ!
怖くない。腹に巻いたコイツがオレっちの誇りだ。ちょっと先に行って皆に自慢してやるだけだ。だから、向こうへ行ってもずっと、
「とも…だ…ちだ…ょ…な」
バクッ!!!




