孤独なワイバーン12
舌先が当たるたびにヒヤリと冷たさが伝わって気持ちが悪い。
一通り確認すると満足したのかワイバーンはジッと此方を見て動こうとしない。
何だこいつは。警戒している様子もないし、襲いかかってくるようにも見えない。まるで何かを待っているみたいな…
起き上がろうと右手を地面に伸ばすと何かに触った。
地面を転がる果実。
あぁ、こんな所に落としていたのか。
ジュルッ。
ははーん、なるほどな。
「これが欲しいんだろ?」
果実を揺らすとワイバーンは目をキラキラと輝かせ、青い舌をチョロチョロと出したり戻したりしている。
振りかぶって投げると、果実は空中を弧を描いて飛ぶと、真っ直ぐワイバーンの口の中へと消えた。
「キューイ!」
「ちょっ、待て押すな!お前口ベタベタじゃないか!やめろー!」
甲高い声をあげて褒めてとばかりに、でかい図体でのし掛かってくる様はまるで犬だ。
懐かれたのはいいが、このままでは戯れ殺されかねない。
そうか。
「シャー!」
猫が威嚇する際発する音だが、最初にコイツに出くわした際威嚇に似た音を出してみた。
意外にも効果はてきめんで、わんぱくトカゲは大人しくなった。
どうやらファーストウルフ達は諦めたようで、敵の気配は感じない。
はぁ〜、取り敢えず、最初にいたシェルターまで戻る方が良さそうだな。
視線を感じて振り返ると、光る大きな瞳が真っ直ぐこちらを見ている。
「ったく、仕方ないなぁ。行くぞトト。」
キィーーー!!
「ゔぅやめろ!シーーー!!黒板の音は禁止だ!分かったか!?」
「キュイ?」




