ファーム3
そうこうしているうちに疲労がピークを迎えつつある。
何処か休めそうな所はと探し始めたその時だった。
明らかに自然ではない、人工的に加工された木材で組まれた屋根と、均等に美しく積み上げられた岩。
「いど…み…ず…。みず!水だ!!」
残された力を振り絞ってそれに駆け寄ると、やはり井戸のようだ。下に向かって伸びたロープを夢中で引っ張ると器に汲み取られた水が現れた。
「はぁ~生き返った!!」
地下は地上よりも温度が低いのか冷たい水が体に染み渡っていく。
「恵みの雨ならぬ、恵みの井戸か。」
なんて馬鹿な事言ってる場合じゃなかった。
体力も戻ってきた事だしファームを目指さないと。
井戸の縁を掴み重い腰を上げる。
改めて見ると良くできた井戸だな。シュガーの仲間たちが作ったのだろうか。だとするとファームは近いのかもしれない。いや寧ろもうファームに入って
「うわッ!」
立ち上がった矢先にまた地面と顔合わせする事になるとは…全くどうしてこんな所に岩なんて
頭にきつつ転ばせた犯人を見返すと、白くフワフワの体に長い耳、
「シュガー!!?」
慌てて倒れる彼に駆け寄るとまだ温かい。
「どうしたんだ!一体何があった!?」
うつ伏せの体を返すと赤い血が腹部から溢れ出していた。傷口を押さえるが溢れる血は一向に止まる気配がない。
「はや…く、つたえ…な……いと」
口元から血液と共に零れ落ちる言葉を聴き逃すまいと耳を必死で傾けると、
「む…れで、、、ふ…れひ……あ…」
すっと光が抜け去った瞳を優しく閉ざすと少し表情が穏やかになった気がした。
『どぉーしてぇーー!!』
『まだ…まだよ!!何してるの!!早く病院へ連れてくわよ!コウジ!!ほら早く!!!!』
『ほら、おいで。昨日の夜にね、行ってしまったの。叫び声がして来たら倒れててね、必死に呼んだんだけどそのまま…』
『そうね、苦しいのは可哀想だし…本当にそうね。最後までお世話をかけない立派な子だったわね。』
『あら、 。貴方もいらっしゃい。ちゃんとお別れの挨拶を』




