中央の森4
「そうだ。まぁ、皆んながそう呼んでるだけだけどな。ほら、あれ見てみ?」
空に向かって指を指すシュガー。
「なんだよこれ…」
激しい陽射しに手をかざしつつ晴天の空を仰ぐと、鉄の骨組みがグランドツリーへ向かって集束している。
「無駄だぜ。何処にも出口はないんだ。」
「まだ分からないだろ!東の森にはまだ行った事が無いって言ったよな?!ならそこに出口が」
「だーかーら無いって言ってるだろぉ。はぁ~、コウジが揺さぶるから頭がグラグラするぞぉ。鳥籠の中はファームの皆んなで調べまわったんだ。勿論東の森もだ。出口なんて無かったし、あの透明な壁が森の周囲一帯をぐるっと囲ってしまっていて空どころか地下からも脱出は無理だったんだ。」
「壁はグランドツリーを中心に広がっている。ならグランドツリーに出口があるんじゃないのか?」
「おい!いくら馬鹿なオイラ達だってそれくらい分かってる!今まで何羽もの調査隊があの木を登っていった。だが、誰一羽帰っては来なかったんだ。」
「そうだったのか…悪いシュガー、俺いつもそうなんだ。勝手に突っ走って気付いたら1人になってて。またアイツに怒られちまうな…あれ?アイツって」
「いいんだいいんだ!皆んな自分で決めた事だし本望だろ。さ、ずっとここに居てもしゃーない。さっさとファームに行こうぜ!」
「ああ。」
無機質に光る時計板を背に元来た道へと足を下ろした。




