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題名の無い本

主人公の父視点から始まる。その当時は、まだ冥界神からの侵略は始まっていなかった。それどころか魔族は冥界神と冥界に住む住人達と少なからず交流があった様だ。魔界は冥界に最も近い場所にあり女神が創成した種族の中で唯一魔族だけが冥界神と冥界の住人に交友的だったと書いてある。


父が成人した頃から事態が変わり始める。その頃から冥界の住人達の様子が徐々におかしくなっていったそうだ。その友人アルクルメスは冥界から魔界に逃げて来て友達に助けを求めて来た。


「突然我らの神が狂い。我らの心や人格を消そうとしている。我らの意識を1つにして無数の肉体を持つ1つの個体を作ろうとしている。」


「この間までは私達は、消えてしまう。」


その後も支配に抵抗した冥界人達が少なからず魔界へ逃げ延びて来た。魔界の住人達は、昔からの親しき隣人である冥界人を受け入れ匿った。魔界に逃げ延びた冥界人達はそのまま魔界に棲みつき暮らし始めた。

アルクルメスも魔界に棲みつき幼馴染の魔族の女性と結婚して女の子が生まれた。そして同じ日に主人公となる男の子が生まれた。


女の子の名はラミア。男の子の名はアレク。二人は共に育ち共に成長していった。魔界に女神の守護する世界に来た事で冥界人達への支配も終わったのだと誰もがそう思っていた。このまま平和な日常が続くと、明るい未来を迎えられると信じていた。


ラミアは母に似た悪魔族の姿をして生まれてきた。美しい金の髪に瞳は空の様な澄んだ青空してた。アレクは父、母共に魔人族で燃える様な紅い髪に金の瞳をして。そして二人が成人を迎える日に悲劇が始まった。


成人の儀を行う為、二人は教会に向かっていた。


そして、いざ始まるその時に冥界人とその子供たちに変化が起きた。街の至る所で突然苦しみだしたのだ。皆、血が出る程自分自身の身をかき破り一心不乱に暴れ周りそして、自分の中のナニカに怯えていた。ラミアも例外ではなく苦しんでいた。そんなラミアをアレクは必死に止めていた。そして冥界人とその子供たちはおぞましい化け物に姿を変えた。


ラミアの脚はメキメキ音を立て骨が折れ筋が切れ、そしてまた新たなアシが生えた。それは赤黒い蛇の足だった。そして瞳は血の様な真紅に染まる。


「我らの偉大なる主よ。新しい身体、新たな力を与えてくださり感謝致します。」


「ラミアは命が尽きるその時まで貴方様にお仕えいたします。」


そう、冥界人達はこの女神が守護する世界に蒔かれたタネなのだ。冥界人達は逃れられたのではない。ただ女神の世界に根付くまで、足掛かりを作るまで、見逃されていただけなのだ。冥界神は待っていたのだ自らの眷属と女神の眷属の血が混じった新たな種族が生まれるのを。その魂達が安定し定着するその時を。


その日から永きにわたるヒトと魔獣、女神と冥界神の戦いが始まったのだ。










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