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見た目が少し怖くて不器用だけれど心優しい魔女と、見た目が良くて要領も良いけど何だか胡散臭い男のお話
クズが一人の女性に出会って改心するの好き好き大好き
愛が重くて執着心の強いイケメンも大好き
pixivで投稿していた一次ファンタジーの番外編として書いたものですが、単体でも読めるようになっています(読める、はず……!!)
昨晩、一括で投稿したのですが長すぎて読みにくいので連載として段落ごとに分けました
ブックマークしていただいていた方、申し訳ございません……!!
少し長いお話ですが、もし良ければお付き合いいただけると幸いです
国で一番の魔女、などと呼ばれていても生活は豊かにならない
魔法の研究をして新しい魔法を創り上げたところでお金にはならないからだ
お金を生み出すには自警団の出している依頼に申し込むしかない
しかしながら、それもあまり高収入とはいえない
そもそもこんな平和な世の中では魔女の必要性が無いのだ
国民の大半が簡易な魔法は使えるこの国で、魔女の存在は曖昧なものだった
同じく魔女として生きていた友人はつい先日結婚して隠居を決めた、自警団の依頼はもう受けないと言う
艶のある深い紫色の真っ直ぐな髪、パッチリとした氷のような水色の瞳、色白の肌にほんのりピンク色に染まった頬、彼女は可愛らしく、愛嬌もある子だった
言い寄ってくる数多くの男の中から選んだのは歳が少し上の金持ちの男だ
優しそうな顔、と形容できるその容姿のとおり優しい男だった
正直、優柔不断とも言えなくはないが、友人はしっかりとしているのでむしろ相性が良いのだろう
魔女と呼ばれるだけあり彼女は回復魔法が得意な子だ、隠居すると言ってもきっと町医者の真似事をして小遣い稼ぎをするはずである
魔女はその回復魔法で傷を治すことができた
ならば医者は要らないかと思われがちだが、病気を治すことはできないので風邪をひけば医者にかかる
ただし回復魔法があまり得意ではない自分はきっと、友人のように生計を立てることができないだろう
使えないわけではない、ただし力加減が下手なのだ
簡単に言ってしまえば魔力を10使うだけで良い傷も100の魔力で治してしまう
自身の魔力量の多さに対して、回復魔法は繊細すぎるのだ
勿論そこらの一般人よりは、何なら友人以外の魔女よりは回復魔法の知識も技術もあると自負している
しかしきっと患者が逃げるだろうから、やはり生計を立てるのは難しい
鏡の中に映る顔に溜め息をつく
この国では珍しくも何ともない青色の小さい目は吊り上がっていて鋭く、これまた珍しくない金色の髪は艶も無く生まれながらにしてくるくると捻じ曲がっている、まるで自分の性格のようだ
お世辞にも白いとは言えない肌に痩けた頬、頑張って笑ってみようという気持ちにもならない不機嫌そうな口元
これは結婚して隠居するという方向にも舵を切れないな、と諦めている
せめて愛嬌を、と思ったことだってあるが子どもに笑いかけたら泣かれた
転んで怪我をした子どもに回復魔法をかけた時だ、これからは気をつけるようにと伝えてから笑いかけると大泣きされたのだ
神は類まれなる魔法の才能を与えてくれた、それは感謝している
魔法の研究は楽しいし、新しい魔法が創れた時の達成感は何物にも代えられない
今のように細々と暮らしていけば、きっと死ぬまで生きていける
時折襲ってくる孤独は見ないフリで誤魔化せば大丈夫だ
自分は一人で生きていくしかない
それが、国一番の魔女と呼ばれるメテル・アヴィヤスが齢二十八にして落ち着いた結論だった




