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出力:魔法少女ミラクル☆たしちゃ


拝啓、お母さん。私は魔法少女になりました。

一人称が『私』だからちょうどいいね。女になっても頑張るよ。


「じゃねぇよなにしてくれてんだ。」


確かに変わった自分の姿。

作業服が一気に可愛い水色のヒラヒラに変わる。

それ以外の様子は分からないけど、たぶん可愛くなっている。

目の前に居るのは、白い狐の妖精。

突拍子に魔法少女になるように迫られ勝手に魔法少女にされ、今に至る。


「うんうん、君はもとより女性になりたいのが望みだったろう?」

「いや、うん、そんなことは思っていたけど心の準備があるだろ普通。」

「そんなことより大変だ。近くで大怪獣イッチャンが暴れてる。」

「イッチャン……いや、その。」


周りにいる、同僚の目が痛い。

なぜ仕事中に魔法少女にしやがったのだろうコイツは。

もう、どうなってもいいや、という風には振り切れない。

一生モノの傷を負った元凶を踏んでやりたい。


「どうしたんだ!早くしないとこの会社がつぶれてしまうぞ!」

「わかったから早く行くぞ!どこだオラァ!!!」


とりあえず私は妖精をわしづかみにして外へを足を急がせた。

廊下を走る道中、地面の揺れを感じた。

間隔があいたその揺れは、近くの怪獣の足音ではないかと察する。


「ちょっと!扱いひどくないかい!君の好きな狐の姿をしてるのに!」

「確かに狐は好きだけど状況をわきまえろ! 緊急事態なんだろ!?」


玄関にたどり着き、靴を履き替えようとする。

外用で吐く靴は、明らかに自分の足のサイズとは違っていた。

改めて自分の体が変わってしまったことを自覚する。

この靴は使えない。今履いている靴で私は外へと繰り出した。


「ガォォォォ!!!! 会社なんて潰れてしまェェェ!!!」


電波塔の奥に存在していたのは、怪獣の着ぐるみを来たおっさんであった。

おお、可愛らしい見た目の割にはブラックな社会を体現している。


「さぁ!君の力を解き放って!」

「解き放つって?どうやって……。」

「君の思い通りに魔法は使えるはずだ!君の思う通りにやってみて!」


思う通りにかぁ。じゃぁまず、魔法を使うのなら杖を持たなきゃなァ。

と、思ったら手から杖が生えて来た。やけにメカニカルなヤツ。

造形的に魔法少女というより仮〇〇イダーの武器に近いけど。

だが悪くない。自分だけのオリジナル武器は燃えるものがある。


「んじゃぁ、とりあえず……」


ああいう破壊衝動に見舞われている奴には、

分かりやすい障害物、そして目につきやすい物を用意すればっと。

というわけで、私は杖で大きな紙を作り出し、怪獣の顔に貼り付けた。


「ンぁ!? な、なんだこれは……!! は、ハァァっッッ!!!!」


そこに書かれていたのは、いろいろな請求書であった。

家賃だの仕事で使ういろいろの経費の紙だのなんだのである。

おっさんである以上、現実を叩きつけた方が精神的なダメージを与えるだろう。

そして分かりやすくその場で錯乱し始めた。


「いまだわたしちゃ! 必殺技を!」

「必殺ぅ……? うーん、なんかスゴイビィィーム!!!!!」


名前は適当、だけど好きな技。真っ白い光が杖から放たれる。


「グォォォオァァアァ!!!! せめて休みを増やしてェ!!!」


捨て台詞を吐いて、怪獣のおっさんは爆散。

なんかあっさり倒してしまったが、こんなんでいいのだろうか。


「やったねわたしちゃ!これで世界の平和は守られたね!」

「……平和かぁ、ソウダネェ……。」


いま現状の世界の力で倒した、と言っても過言ではない。

と言うか、倒し方が戦隊とかのソレだった。

いやまて、そんなことよりこんなおかしなことに馴染む自分を見ろ。

魔法少女になって怪獣を倒した?????

こんな????リアル会社の前で??????

ふと後ろを振り返ると、社長室の窓のところで社長が手を振っていた。


私は、怪獣になりたい気分になった。



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