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これは夢だろう、なら全力で遊ばないと

矛盾を感じるかもしれませんが、言うとネタバレになるので違和感を感じながら読んで下さい。


チュンチュンとスズメの様な鳴き声と涼しく冷たい風がほうに当たる。

河原を歩いた様な青臭さと川のせせらぎを聞いて眼を覚ました。


うん?クーラーつけっぱなしだったか


そう思いながら、目をこすっていたが異変に気付いた為すぐ目を覚ました。


寝起きと脂肪で重い体をゆっくりと起こすとまず辺りを確認した



綺麗で浅く広い川の岸に横になっていたわけだが、周りには土手や家などが見当たらなく、ただただ生い茂った木々と草花が風に揺られてザーッと音を立てているだけである。


今時、川のそばに土手や家がないところなんて日本にあるのか?という疑問を持ちつつも、家で寝ていた自分が何故こんな場所にいるのかを探るために、とりあえずスマホで位置を確認することにした。


おや?


手をポッケに入れたのだが、スマホではなかった。

代わりに手に握られていたのは、宝石のようなものがついた棒だった。


40cmほどの棒だというのに、何故ポッケに入るのか?その謎について考えようとしたところで川に映った自分の姿を見て固まった。


あまりの衝撃に棒を落としてしまったが、完全に落ちる前に意思を持つかのように自分の手に戻っていた。


川に映りこんだのは、上等なスーツに身を包んだ中年の老けた小太りの男性ではなく、映画に出て来そうな魔法使い用の立派なロープを羽織った青年だった。


全体的に見れば白いロープであるが、所々に金の細やかな刺繍が施され、表面はうっすらと青く光っている。

頭から足まで全体が白を基調とした服で統一され、いかにもというような魔法使いの格好をしている。


最初から薄々は気づいていたもののここまで来て確信した俺は、一つばかりスキル《・・・》を使ってみることにした。


「"ホーリーレイ"」


スペルを噤むと同時に右手に握られた棒……いや杖の先端部に光が集まり出した。

そして1秒も経たずに光はレーザーのように直線に放たれると生い茂る雑草を焦がしながら何処かへ飛んでいった。



いや、そんな訳が…






もうわかっているのだが、子供じゃあるまいし、簡単に納得出来ないのだ。



ラノベの主人公でもあるまいし

なんて考えている俺をよそに、スキルにより焼かれた雑草はチリチリと音を立てて燃えていた。


もし、自分が10とか20代だったら、異世界転生だ!やったー!


なんて言えたかもしれんが生憎俺はそんな歳じゃないんだよ。

50代だそ!?しかも、あと数年で60行くような…。



いや、確かにさ、ゲーム好きだしラノベとか異世界系のサブカルチャーもやるよ?

でもさ、大成功して特に今の現状に不満もないような人がこういうのっておかしくないか?



一体どうしろって言うんだよ!



いや、まてよ?


もしかして、サプライズで俺が寝ている間に開発部の奴らがVR装置に入れたとかか?




ん?そういえば、確か部下の一人、名前は……なんだったかな?


そいつが新型のVR装置の開発に資金を出して下さいなんて言ってたような?


あ!それで開発に成功したから、まず社長の俺にやらせてくれたのかな?





なるほどな、では好意に甘えて楽しませて貰おうか!






▼△





ログイン地点から草むらを掻き分けて進むこと20分くらい、前方に柵と堀に覆われた村らしきものが見えて来た。


俺はいつも(・・・)の癖で、透明化の魔法を唱えると姿を消し、息を潜めて村へ近づいていった。



村だからといって人間のとは限らないので警戒は必要だ。

俺が大好きだった「ラストエデン」でのプレイヤー死亡原因の上位にあったのは、人間の(セーブスポット)だと思って入ったら魔物の巣だった系だからな。


だからといっていきなり攻撃した場合、人間の村だと犯罪者の称号ついちゃうしな。



光魔法使いの特権その一である透明化魔法を使い同時にプレイヤーなら全員持っている無属性魔法のマジックバリアを展開すると村に侵入した。



久しぶりの感覚に胸を躍らせていると、やはりというべきか、魔物の巣だったようだ。

魔法使いの格好をした二足歩行の猫、そこにはケッシーと呼ばれる魔物がいた。



どう言う訳か、攻撃魔法を発動してしまうと透明化が解除されてしまうので、防御系やカウンター系、威力上昇系を発動してから攻撃をすることにした。



「"ホーリーシールド"」「"閃光の盾"」 「"クルセイドソウル"」「"ブレイブハート"」「"チャージピュアヒール"」





防御、カウンター系の魔法により、俺の周りには半透明の白い盾と魔法陣が円を描くように飛び回り、威力上昇系の魔法により身体から赤い瘴気(エフェクト)が湧き出した。




そんなもの見飽きている俺は、他のことを考えていた。

それにしても、いきなりケッシーとはついてるな、と。


「ラストエデン」ではケッシーの巣といえば、ほとんどのプレイヤーからは災害扱いされていたが、上級者達からは宝箱のようなものだと思われていた。


ドロップ品が美味しいのもそうだが、経験値やケッシーの素材である魔結晶と呼ばれるアイテムは非常に高く売れる為、俺もよくケッシー討伐の周回に行ったものだ。



と言うようなことを考えているうちに


ついに準備が整った。



あまり時間をかけると他のプレイヤーに横取りされそうだしな。



いつも通り慣れた手付きで杖を天に掲げると魔法を唱えた


「光よ具現化せよーー"ホーリーエッジ"」



ザンッッ!!



中堅レベルで覚えてられるスキルの聖魔法の一つであるホーリーエッジ

周囲の光を天に集め具現化した光の剣を敵に降り注がせるという魔法だか、現実化(・・・)したこの世界では、天に向かって光が集められると同時に周辺が暗闇に包まれ、物凄い光を帯びた剣が敵に突き刺さると同時に再び暗闇から解放された。


なんとも大げさな魔法になったものだ。


本来の効果は、光の剣で相手を地面に縫い付け、足止めすると言うようなものであったが、どう言う訳か、ケッシーどもは真っ二つにされ、高エネルギー体の光の剣により中から焼き尽くされたようだった。



まあ、こんなものか、と全く今の現状に違和感を感じずに眺めていたところではて?と気が付いた。



アイテムの自動回収がないだと!?



なんて不親切なと悪態をついたあと渋々ドロップ品を探す羽目になった。

完全に焼き尽くされたせいか肉が焼けるような臭さは感じずに手動でアイテムを回収し終えたところで、村をあとにすることにした。


























ナメクジのようにノロノロと更新します。

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