あの頃は良かった…あのゲームは最高だった
時はスマホゲーム最盛期、
MMO RPG ラストエデン〜時空の穴〜と言うゲームがあった。
タイトルにあるように様々な世界からなる階層世界…時空の穴を攻略するのが目的のゲームであるが、その最下階層にあると言われるラストエデンへ行くとゲームクリアと言うわけでもなかった。
例えば、赤い帽子を被った配管工のオジさんのゲームでは、亀から姫を救出すればゲームクリアでそのあとは何もない。精々ボーナスコンテンツくらいだか。
このゲーム「ラストエデン」では、プレイヤーを飽きさせない為、運営主催のアバターファッションショーや、対人戦トーナメント、はたまたマイホームと呼ばれるプレイヤー一人一人が自由にデザイン出来る家などサブコンテンツが充実していた。
運営の絶え間ない努力とプレイヤーからの莫大な融資があってか、リリース開始から15年も続き、最終的には技術進歩のせいで根本的なシステムがついていけずやむなく、サービス終了に至った。
「ラストエデン」は全101階層まであると言われていたが、サービス終了までに攻略されたのは86階層までであった。
運営のパワーバランスの調整をシクじったが為に生まれた悲劇であった。
もともと、このゲームでのプレイヤーの最高Lvは120までで、当初運営はこのシステムを変更しないと豪語していた。
だが、大型アップデートをするたびにモンスターMOBを強力にしてしまうヘマをする為、毎度の様にプレイヤーもシステム強化されていった。
毎アップデートにより以下の様なシステムが追加されていった。
○転生
転生システムはLV最大値で行うことが出来、転生後はLv1に戻されるがステータス振り分けが毎+15ずつふえる。
転生は最大9回可能
○限界突破
限界突破はLV、転生ともに最大値で使用可能なシステムで、LV最大値である120の後に課金アイテム〔昇華の剣〕を使うことで最大LV145まで拡張可能になる。
○種族転生
サービス開始から丁度8年目の時追加されたシステム。
8年目より前は人間種しかなかった「ラストエデン」だが、このシステムにより、様々な種族が追加された。
などなど、
まだあるのだが、あまり書くと設定回になってしまうのでここら辺で終わらせて頂こうと思う。
種族のことは後ほど大切なので、今軽く説明すると…
人間種
誰もが最初に選択出来る種族
ステータスも万能型で、ほぼ全ての職業に適性がある
魔族種
防御力、魔法/物理攻撃力が異常に高いが命中率が低い
更に、NPCからの報酬、アイテム売却額が安くなる
森精種☆課金
命中率と魔法攻撃力が異常に高いが防御力が紙過ぎる為、対人戦は向かない。課金ガチャでしか手に入れられない。
土精種☆課金
防御力と物理攻撃力、命中率が高く一見最強に見えるが、とてつもなく鈍く対人戦ではサンドバッグにされる運命である。課金ガチャでしか手に入れられない。
天種
天使系の種族で魔法攻撃力、防御力、命中率が高い。ただし、キラキラ光るエフェクトのせいで対人戦は向かない。イベント優勝者のみ変更可能
闇種
悪魔系の種族でデバフや状態異常、スタンなどの特殊スキルが使える。イベント優勝者のみ変更可能
神種
全てのステータスが異常に高い。
運営の気まぐれで、全プレイヤーの中から毎年二人だけ変更可能になる。
ただ神種を殺すとレアアイテムが手に入れられるため、PK可能エリアでは追い回されたのち殺される
龍種
運営が追加予定だったが最後まで追加されなかった種族。
NPCには割といた。
雑種
運営の悪ふざけで追加された種族。
ただのネタ種族で、育成したら実は強いなど言うことは一切ない。
となる。
この中からプレイヤー達は種族を選び、更に「ラストエデン」を楽しんだ。
▼△
サービス終了から8年、
とある地方の都市の一角、一戸建て平屋の大豪邸のリビングで椅子にもたれかかってスマホをいじっている男がいた。
名前を梅乃 亮介という。
サルティナルエルダーオンラインというゲームを運営する会社の社長で、若くして億万長者に成り上がったラッキーマンである。
サルティナルエルダーオンラインは、「ラストエデン」終了後、トップの座を奪い取った大人気ゲームで、「ラストエデン」のプレイヤー達からは、続編作と呼ばれていた。
「ラストエデン」と「サルティナルエルダーオンライン」は非常によく似ているのだ。
それもそのはず、社長である梅乃は、「ラストエデン」終了というところに漬け込んで丸パクリのゲームを配信したのだ。
そのおかげで「ラストエデン」のプレイヤー達をそのまま、受け入れた「サルティナルエルダーオンライン」はあっという間に利益を上げる様になった。
そして梅乃はパクリ疑惑から逃れる為、「ラストエデン」の製作運営チームを買収し、あくまでパクリではないことをアピールした。
その社長である梅乃は、リビングにて、スマホに入っているある動画を見ていた。
ーーラストエデンで梅乃がプレイしていた際の動画である。
ああ、あの時は楽しかったなと思いを馳せながら動画を見ていた。
彼がプレイヤーを始めたころ、まだ、一介のサラリーマンだった梅乃は、少ない手持ちの金を切り崩し課金に当てていた。
その頃は、金もなく時間もなく大変だったが、そこで知り合った友人達と過ごす時間は、とても大切で楽しいものだった。
金も時間も手に入れた梅乃だが、今となってはもう手に入れられないものである。
そこから現実世界でのオフ会で知り合い最終的には結婚した妻も今はいない。
ゲーム友達から恋人へ、恋人から妻へとなった楽しい結婚生活……しかし、終わりは突然にあわられた。
とあるゲーム協会主催の「サルティナルエルダーオンライン」運営陣がプレイヤー達からの質問に答えるというイベントの際、迷惑行為をして垢BANされたのに逆上した男が主催席まで乗り上がり、質問に答えていた妻、梅乃 紗雪がナイフで重傷をおった。
すぐに犯人は取り押さえられたが、妻は病院に運ばれる間もなく生き絶え、それ以降、梅乃はボーとすることが多くなった。
そんな梅乃に反して「サルティナルエルダーオンライン」はどんどんと成長を果たし、コミック化、アニメ化、カードゲーム化、グッズ化など、様々な商品展開を見せていった。




