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僕はため息をつきながら、ひたすら真っ白いページを見つめている。
書かなければならない事がある。しかしそれを書く事ができない。
僕の中ではそれは完成している。しかし言葉にするとどうにもチープに感じてしまう。空白のページを閉じ画像フォルダを眺める。
一杯のコーヒーを飲みながら画像を噛み締める。ほろ苦い味を感じながら空白のフォルダを閉じた。
今日も僕のページは空白のままである。僕以外は、文字だけでなく美しい風景すら流れている。僕の世界には文字すら存在しない。白い世界から目を背けるために仮初の世界へと足を運んだ。他人によって着色された世界。しかし多くの人間がその色を受け入れ自分の色を加えていく。僕はその世界を受け入れず、いや受け入れられずにいる。
僕もかつてはこの世界の住人であった。僕自身もこの着色された世界を好み、僕自身も色を加えていった。この世界は僕と君の色があったはずだ。しかし今の僕には君の色も僕の色も感じる事は出来ない。色はいつだって上塗りされていく。だからこそ僕らは何度でも色を塗る。それが普通である。しかし僕の色は誰かと混ざって初めて色になる。
電話が鳴る。僕は慌てて電話に出た。あの世界へ僕は急いで戻った。白い世界には所々黒色の何かが加えられていた。
最近僕の世界にも沢山の風景が見える。着色された世界にも僕らの色がある。何度上塗りされても今度こそ僕はこの色を途切れさせない。何度だって塗りに行こう。
僕の世界とこの着色された世界にも新しい色が加わった。三色目の色は僕と君の色が混ざった色をしていた。




