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原 神太郎 短編集  作者: 原 神太郎
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世界の何処かで僕は何を叫ぶ?

体が冷える。朝5時の京都駅で僕はバスを降りた。体を震わせながら、近くのファストフード店へと足を運ばせる。寒いのにも関わらず、僕はアイスコーヒーを頼んだ。席につき、携帯を取り出す。メールを確認しながら、自らの馬鹿さ加減に呆れてしまった。昨日、僕はとても疲れてしまっていた。都会にいると、どうも人間関係に疲れやすくなってしまう。人生にも余裕がなく、人間関係もシビアである。そんな環境に耐えられなくなり、気付けば僕はバスに揺られていた。僕の世界に終わりを告げる音が鳴る。僕は目をつむり、身体を闇へと落とした。そして、朝になり僕の世界を再開させる音が鳴る。僕は海底から光を目指し、浮かび上がった。そして今に繋がる。始発の循環バスに乗り、僕は何周もそのルートを乗り続けた。どこか行きたい場所がある訳では無い。ただ、今の環境から逃げたかった。僕はある人への想いが断ち切れずに、もう4年が経っていた。何も行動もできなければ、何も言えない。自分に対する嫌悪感のみが増長する。それに連鎖して、他の人間関係までこじれてしまった。そんな事ばかりが続き、理解してくれない周り、そしてその気持ちに対する答えを出せない僕自身に僕はイライラしていた。だからこそ、あの環境から逃げたかった。知らない人しかいない街に逃げることで。バスに揺られながら、僕はこの気持ちにどう終止符を打つかを考えていた。しかし、答えなど出るわけが無い。4年間、4年間も悩んでいた事がそんなにあっさり解決できるわけが無い。当たり前である。僕は時間の無駄だと知り、どこかへ観光に出かけようと決心をした。決心をすると同時に、バスは京都駅へと戻った。まるで、さぁ好きな選択をしなさいと、この世界に呼びかけられたような気分だった。世界は面白いほど廻る。様々な路線のバスが丁度、止まっていた。本当に世界から命令され、多くの中の一を取る選択を強いられているかのようであった。ふと、伏見稲荷行のバスに目が止まった。伏見稲荷にはかつて修学旅行で行ったことがある。何年ぶりであろう。そう思いながら、僕はバスに乗った。久しぶりに訪れる伏見稲荷に僕は懐かしさを覚えた。

僕はふと重軽石について思い出した。僕は僕の想いが、願いが正しいのかそれに頼ることにした。笑ってしまう。自らの決断に怯え、最後は神頼み。それでも答えを出すにはこれしか無かった。いや、もう限界だったのだ。どんな形でも良かった。この想いに終止符を打てるのであれば。鳥居をくぐる度に、僕の心と体は離れていくようである。僕は重軽石の前に着くと、ただひたすら願った。そして僕は、、、、、、

家に戻ると僕は自分の住むマンションの屋上へと足を運んだ。昼間の屋上、目の前の道路は車で混み合っていた。僕は人工の音にかき消されないよう大きな声で叫んだ。「ダンケ!イッヒリーベディッヒイーマーノッフ!」僕は4年間の物語に幕を閉じ、新しい幕を上げる準備に取りかかった。

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